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週刊金融日記 第433号 今後の新コロ禍の動向についての3つの予想、コロナ封じ込め国の経済が良好なことが鮮明に、レストラン紹介コーナーは自粛中、税制はやはり消費税中心がいいのか、他

// 週刊金融日記
// 2020年8月18日 第433号
// 今後の新コロ禍の動向についての3つの予想
// コロナ封じ込め国の経済が良好なことが鮮明に
// レストラン紹介コーナーは自粛中
// 税制はやはり消費税中心がいいのか
// 他

 こんにちは。藤沢数希です。
 香港は相変わらず第三波の封じ込め作戦中で夜間のレストランはデリバリーのみで、当然ですがバーやクラブなんかは閉まっていて、「夜の街」ロックダウン的な状況が続いています。しかし、デリバリーが充実しているし、家でホームパーティーや麻雀(あるいはポーカー)やったりといったことはOKですし、昼間はどこのお店もやっているので、特に不自由はしておりません。レストランやバーの夜間デリバリーのみ縛りは、今週解除の予定でしたが、残念ながらこれはとりあえず来週まで引き伸ばされました。しかし、新コロ再封じ込めは割と順調ではあるので、来週か再来週ぐらいにまたレストランでディナーできるようになるんじゃないか、と期待しております。

●Hong Kong extends Covid-19 social-distancing measures for another week as top infectious disease expert warns of rise in transmission rate
https://www.scmp.com/news/hong-kong/hong-kong-economy/article/3097611/hong-kong-extend-social-distancing-measures

★香港の第三波での1日の新規感染者数はピークで150人程度まで行ったんですが、割と理論計算どおりに収束しており、本日は36人(市中感染35人、空港検疫1人)でした。

★いままで出前でスープ系はダメだ、と決めつけていたのですが、どうしてもラーメンが食べたくなり頼んでみたところ、意外とぜんぜん美味しいことが判明しました。

★先の国家安全維持法で米国政府が香港の為政者に対して制裁が発動されており、その結果、キャリー・ラム行政長官のおそらくVisaかMastercardだと思うんですが、止まったそうです(笑)。まあ、どこの国も、政治のリーダーは大変な仕事ですね。良くも悪くも。

週刊金融日記 第432号 国家安全維持法後の香港の近況

 日本のすでに検査キャパシティの上限付近に来てしまっているのですが、新規感染者数は1600人/日程度にまでなっています。ここ数日はちょっと減っているように見えるのですが、お盆休みで民間検査機関が休みで見かけ上ちょっと減っただけなのか、いま全国の知事が自粛要請を出していますが、それが効いて本当に感染拡大局面が減速したのか、どっちなんだ、というところです。しかし、重症者数が新規感染者数の急増から遅れて、予想通りに増えてきているので、これから何らかの対策が必要になってくるでしょう。ちなみに、以前にも書きましたが、新コロ禍情勢の分析では、新規感染者数がいちばん重要な指標ですね。

●新型コロナ「正しく恐れて」わかってきた特徴と対策チャートで見る感染再拡大
https://www.nikkei.com/article/DGXZZO62684590V10C20A8000000/

週刊金融日記 第427号 新コロ禍で学ぶ統計学

★そして、現在の武漢の様子です。武漢は新コロ市中感染はずっとゼロを続けています。今週は新コロに対する政府の姿勢と経済パフォーマンスについて主に論じたいと思います。

 今週も読者から興味深い投稿がいくつもあります。見どころは以下のとおりです。

- 金融業界で年収2000万円超えのオファーをもらいたい
- 退職金や福利厚生を考えると外資系より日本の大企業
- 税制はやはり消費税中心がいいのでは
- Good GenesとGood Dadどちらのスタンスをとるべきですか
- ストナンにおけるナンパと思わせない出会い方ロンダリング
- マッチングアプリで出会った3人の女医から非モテコミットされています
- 地方医学部6年生ですがパートナーを選ぶのは田舎と都会でどちらがいいでしょうか
- 2ヶ月半の間セックスもオナニーも禁止した結果
- 地方在住の既婚のアラサーですが恋愛工学に衝撃を受けついに実践してみましたが

 それでは今週もよろしくお願いします。

1.今後の新コロ禍の動向についての3つの予想

 各国の2020年第2四半期のGDPが出揃ってきて、2020年全体で各国どの程度の経済成長、あるいは減速になるのかの見通しが立ってきました。そこで、今週は新コロ禍情勢を一度まとめてアップデートしておこうと思います。経済の方は、結論から言うと、中国と韓国が勝ち組で、負け組が欧米なのはもちろんですが、日本も経済の落ち込みは日本がちゃんといつも見習っている欧米と同じになってしまったようです。
 ニュース記事などへのリンクは「今週のマーケット」のところにまとめてありますから、ここでは簡単に要点だけまとめましょう。

●日本4-6月期GDP、年率27.8%減 過去最大の落ち込み
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL17HSS_X10C20A8000000/

 新コロ蔓延で多数の死者を出している欧米は、軒並み第2四半期のGDPは年率換算では30%以上の下落となっています。GDPというのは1年間でどれだけの付加価値を生み出すか、というフローの指標ですから、成長率は年率に換算されるのがふつうで、その四半期だけの絶対値はこの約4分の1の変化(正確には4分の1ではありませんが、概算値としてそれで問題ありません)が前四半期から比べてあった、ということになります。

●5分でわかる経済統計の見方
https://www.energia.co.jp/eneso/keizai/research/pdf/MR1409-4.pdf

 それですでに第1四半期と第2四半期が終わった段階での2020年すべてでの見通しですが、僕はエコノミストでもないんで、大雑把にざっくりとした感じでまとめましょう。まず、第2四半期だけの日本とアメリカは年率約3割減、イギリスはなんと6割減、ユーロ圏だと4割減ぐらいです。そして、中国はなんとプラスです。韓国もほぼフラット。そして、年間予想ですが、日米が-10%以内に収まるか、という感じで、欧州はそれよりさらにマイナスになりそうです。新コロ禍の震源地であり、新コロ封じ込め政策の中国は2020年全体で+2%程度、韓国がほぼフラットです。人口規模の小さい国や地域、新興国は、大国と違い新コロ禍の状況より元々の観光産業の大きさなどのほうが影響は大きいですが、新コロ完全封じ込めの台湾もなんと2020年全体でプラス、ベトナムも直近の予想ではプラスです。ニュージーランドと香港は、観光産業や航空産業が大きく、この分がほぼなくなるのですが、それでも-10%以内には収まりそうな感じです。ベトナムは香港と同じように、封じ込めた期間中は国内経済全開だったのですが、市中感染が見つかり再び封じ込め作戦を展開中で、その影響で今年のGDPプラスはキープできるかどうか、という感じになってきました。
 このメルマガ読者には何の目新しさもないでしょうが、きっちり新コロ対策をして新コロを抑えているところほど経済パフォーマンスがいい傾向が鮮明に数字に現れて来たと思います。

★新コロ禍の「勝ち組」は人命・経済ともに中国と韓国ということになるのは、もはや紛れもない事実でしょう。

●新型コロナ感染症、米国人の死因の第3位に浮上
https://www.cnn.co.jp/usa/35158266.html

 日本の言論界はいまさら新コロ禍にどう立ち向かうかの何周遅れかわからないような議論をしていますが、そんなことをこのメルマガで議論しても仕方ないので、純粋にこれから世界はどうなっていくのか、という僕がいま思っている確度が高いシナリオを今週号は書いておきます。ちなみに、新コロ禍の予想はだいぶ簡単で、遥かによく当たります。その点で、株式市場の予想は非常に難しいです。
 こうしたことはバックナンバーに書いてあるので、まだ読んでない方は読んでみてください。

週刊金融日記 第429号 日本のコロナ対策迷走でわかったWhy(=信念)のとてつもない重要さ
週刊金融日記 第431号 コロナバブルに乗り遅れた人たちの反省会の続きとヘッジファンドが個人トレーダーにやられている話

 それでは3つの予想です。

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