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【メルプのリアル】第1話:共同創業者兼CTOとの出会い。実は中高の先輩だった

こんにちは、吉永和貴(かず)です。
研修医が終わって医師3年目で、医療機関向けのWEB問診サービス「メルプ」を創業し、約3年後に約200クリニックにサービスを導入した0→1終了のタイミングで2020年に株式会社JMDCに売却しました。その後、グロースフェーズに入り、現在1500以上の医療機関にサービスを導入いただいています。

この連載noteでは、当時ビジネスを全く知らなかった私が、初めて医療業界のSaaSを立ち上げた時に何を考えていたのか、失敗したこと、うまくいったことを振り返っていきます。

「比較的安泰な医師を続けるという選択があったにも関わらず、どうして起業したのか?不安だったことは?」
「共同創業者はどうやって見つけたの?創業者の株の配分はどうしたの?」
「プライベートとの両立はどうしたか?」
「医療機関向けの営業は大変だと聞くけど、どうやって立ち上げたのか?」
「資金繰りはどうしたのか?」
「事業売却はどうやってしたのか?IPOという選択肢はなかったのか?」
「医師とエンジニアの組織の場合、お互いの共通言語や価値観が合わないことが多く、コミュニケーションがうまくいかなくなって空中分解することが多いけど、どうやってサービス開発を進めているか?」

など、今まで個別に相談いただいた内容もまるっと全て記載したいと思います。

ビジネス初心者であり、少しばかりの医学の知識しかなかった私が、国内トップクラスの市場シェアのメルプWEB問診を立ち上げるまでの思考や、その時にぶつかった壁をどう乗り越えたかという経験は、これから起業される方やすでに起業されている方々の抱える悩みの解決にお役に立てますと幸いです。

それでは、見ていきましょう。

読み物としての回想録部分は無料公開にしていますので、物語として楽しみたい方は全てのストーリーを無料でお楽しみください。関連するTipsや思考法の部分は有料にしていますので、ご興味のある方はご購入ください。

共同創業者兼CTOとの出会い。実は中高の先輩だった

共同創業者兼CTOの片岡との出会いは、メルプを立ち上げる3年前に遡ります。

私はメルプを立ち上げる3年前の医学部6年生の時に、医療系のアプリ開発コンテスト「AppliCare」に参加しました。これは、医学部の同級生の田澤君が2013年に立ち上げた、医療の課題解決に向けたアプリ開発コンテストです。当時、医療系ではビジネスプランを1,2日の短期間で競うビジネスコンテストはあったのですが(今も行われていると思いますが)、プロトタイプまでの実装も大切だよねということで、医療系学生とエンジニアを運営側がシャッフルでチームを作成し、約1ヶ月半ビジネスプランだけではなくプロトタイプの開発まで行うという真新しいコンテストでした。

医学部4年生でプログラミングにハマる

かくいう私は、田澤君が学生起業で立ち上げた会社に誘われる形で、医学部4年生の時に初めて、医師国家試験のWEBサービスを開発することになり、プログラミングの楽しさにハマりました。

今までは試験で良い点を取るゲームばかりしていて、それはそれで高校時代は数学や物理などは楽しかったのですが(医学部の試験は記憶力勝負なところが多く、特に私は記憶力が良いわけではないので、いつも試験前ヒーヒー言って大変でした。結局卒業時の成績は中の下か下の上くらいだったと記憶しています。)、プログラミングは何もないところから1を立ち上げてインターネットに公開してみんなに見てもらえるという点で、今までのゲームとは全く違う世界で、「こんな世界があるんだ!面白い!」と思い、それからプログラミングにのめり込みました。

医学部では、だいたい5年生からポリクリと呼ばれる病院実習があり、基本的に9時から17時は病院にいるのですが、終えるとすぐに帰宅して18時くらいから夜中の2時くらいまでプログラミングするという感じの生活で、寝不足のまま翌日の病院実習に行き、ポリクリの間も「早く実習終わらないかなぁ、早く家に帰ってアプリ開発の続きやりたいなぁ。」とばかり考えていて、非常にやる気のない医学生でした。当時ご指導してくださった先生方、申し訳ございません。


プログラミングをどうやって勉強したかに関してもよく質問を受けるのですが、別記事で記載しようと思います。ちなみに、私はプログラミングのスキル的には中の中くらいだと思っており、経営の方もあり時間が避けられていないというのもありますが、特段、能力が高くはないと自己認識しています。

というわけで、話は逸れたのですが、6年生の時にはプロダクト開発に結構興味を持っていましたので、医療系のアプリ開発コンテストで、かつ、エンジニアとも繋がれるというコンセプトにとても興味を持って応募しました。

アプリ開発コンテストでIoTデバイスを開発

チームメンバーは、医療系学生とエンジニア(ソフトウェアとハードウェア)を運営側がシャッフルして決めるという、これまた斬新なアプローチで、どんな人と一緒になるのかな?エンジニアとうまくコミュニケーション取れるかな?とドキドキでした。

チームメンバーは、医療系学生が私、ソフトウェアエンジニアが当時東京大学の大学院でDNAの統計解析をしていた片岡、電気通信大学でハードウェアをしていた上平の3人でした。そして片岡が、メルプの時に私が声をかける形で共同創業者になり、現在もメルプのCTOをしていますので、もう10年来の付き合いになります。

2人ともとても前向きかつ楽観的でコミュニケーションもとりやすく、サービス内容も「お薬飲み忘れを防ぐIoTデバイス」と早い段階で決まり、夏休みの間にプロトタイプの開発を進められました(余談ですが、本来であれば医師国家試験の勉強をしている/し始める時期なのですが、コンテストのプロトタイプ開発ばかりしていたので、秋以降の国家試験勉強で、ほぼビリケツからのスタートになり国家試験に苦しむことになります。最後の追い込みの時期など本当に地獄でした。二度と国家試験受けたくありません😅)。

このflixyというIoTデバイスは、結局、コンテンストで実装力が評価されて優勝することができた(記事はこちら)のですが、その後3年くらいダラダラと事業継続した後にクローズすることになります。理由はたくさんあるのですが、こちらはまた別の記事で。

コンテスト優勝時(左から片岡、 上平、吉永)

記事を漁ったところ、目標達成額に到達していない過去のクラウドファンディングの記事がありました(汗。


生活習慣病を抱える中高年齢層向けの服薬管理IoTデバイス「flixy」
飲めば飲むほど、設定した美人の画像がめくれるというゲーミフィケーションを取り入れた

良い出会いもたくさんあり、特に、メンターとして指導してくださったグロービス経営大学院で教員をされている山中礼二さんには、メルプ創業時の資本構成や資金調達関連で大変お世話になりました。

SlideShareに掲載されている「創業者間のコンフリクト -いかに手を打つか-」などは、これから起業される方にとても勉強になると思いますので、ぜひご一読ください。

アプリ開発コンテストの後半で、中高の先輩であることが判明

このコンテストで出会った片岡ですが、コンテスト期間の後半で、実は中高の母校の1つ上の先輩だったことが判明します。
チームでお互い自己紹介をするときに、わざわざ中学高校まで最初の時点で話すことはあまりないですよね!?なので、ずっとタメ語で話をしていたのですが、途中で1つ上の先輩だったことがわかり、「え?どうしよう?敬語に戻した方が良いかな?」などと狼狽した覚えがあります。
中学高校の1つ上の先輩って、絶対みたいなのあるじゃないですか?特に部活入っている人なら尚更だと思うのですが。

ただ、そこは片岡の懐が深く、「全然今まで通りタメ語で良いよー」と言ってくれたので、最初少し気まずかったのですがそのままタメ語で、メルプ共同創業後も、お互い頑固なところもあり言い合いになることも多いですが、先輩後輩という関係ではなくフランクに接しています。


Tips:0→1に求められるCTOの資質とは?

よく相談されるのが、
「共同創業者となるCTOをどうやって見つけたら良いですか?どのような能力がある人が良いですか?」
です。

あと「株をどのくらい渡したら良いですか?」も聞かれますが、そちらは、資本政策に関する記事を書くときに記載しようと思います。

私の回答は

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