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カンボジアのプロジェクトを進めながら考えたマーケティングと実施したこと

海外初店舗をオープンさせる上で、新規参入ということもあり避けては通れないマーケティング。僕はマーケティングの専門でもなく、特に何かを勉強をしたわけでもないですが、プロジェクトリーダーとして働きながらそもそもマーケティングとは何なのか、何がSalesと違うのかを考えながらプロジェクトを進めながら考えてました。Pizza4P’sというブランディングがかなりしっかりとしている上で、新しいコンセプトを打ち出しながら、きちんと結果としてしっかりとした売上や集客も出す。特に海外発出店という新しいマーケットへの挑戦であったので自分なりに深く考え戦略として落とし込みました。

その上で考えていた僕なりのマーケティングに関して書いてみます。


そもそもマーケティングのゴールは?
まずマーケティングの定義というか、マーケティングをする上でのそもそものゴールは何なのかを考えていました。その結果僕なりの答えは、

”長期的に継続的に集客と利益を出すためのシステムを作る”

まとめるとビジネスとして当たり前のですがこれが一番しっくり来ました。それを掘り下げていくと、この言葉の中には以下のような意味が含まれています。

-長期的にビジネスをするには、僕らなりのアイデンティティやコンセプトが必要になる
-長期的にビジネスをするには、お客様の記憶に残ったり選ばれ続ける何かが必要がある
-集客をするためにはお客様の求めているものや、時代による個々の好みや傾向を理解する必要がある
-利益をだすにはブランディングとしての価値も含めてできる限り数字化する必要がある
-すべてが自己満足にならずに、きちんと顧客を向いてビジネスをするマーケットに必要なことをしている。

その上で、よくマーケティング業務と呼ばれる以下のようなものが、一つの手段としてあるのだと理解しました。

-自社把握(4Pとか)
-市場調査(マーケット・リサーチ)
-ブランディング
-商品開発の方向性
-Webの投稿
-広告、宣伝
-販売促進(プロモーション)


その上で僕がこのプロジェクトを進める上で 、カンボジアの数字で表せることのできる市場調査結果(競合や、マーケットのサイズ、価格設定や立地)をもとにプロジェクトが進んだあとで、長期的に利益を出し続けるためにマーケティング面で意識したことや、実際に意識したこと、行った以下のようなことを書いてみます。


-ゼロ・ウェイストのコンセプト
-共感してくれる人を巻き込んでプロジェクトを進める
-コアなお客様の獲得と引き止め続ける戦略
-SNSのコンテンツ
-話題性と口コミによる認知度向上
-コンセプトをどう財務的メリットにつなげるか


1. ゼロ・ウェイストのコンセプト

やはり初めに考えたのは僕らはどういう会社なのか、コンセプトをしっかりさせて徹底的にこだわりぶらさないというところを考えました。その上でそのコンセプトはしっかりとカンボジアに住んでいる人に刺さり、共感を得て選ばれ続けるものになっているかが大切です。その上で僕らの会社の強みの1つである”サステイナブル”というブランドバリュー、カンボジアの社会課題を調査した中で誰にとっても身近でなおかつ大きな問題となっている”ゴミ”、その中でカンボジアでビジネスをしている人の目的として、他の国よりも強いなと感じた社会課題に関する解決や環境意識。この3つに実践にむけて十分なプロダクトや人がいるのを実感して”ゼロ・ウェイスト”というコンセプトを柱としました。またアジアの発展途上国に位置づけられるカンボジアでは、少し早いかもと考えましたが僕らのターゲット層(クリエイティブクラス、アーリーアダプター層)や将来的を考えると、今ここで僕らが打ち出すことはマーケティングとして正しいと思いこのコンセプトに決めました。

2. 共感していただける人をプロジェクトに参加してもらい一緒に進めていく

次に考えたのがいかにコンセプトをこだわっても誰にも知られなかったら無意味だということ。特に今回は海外初出店ということもあり、いかにベトナムで店舗展開をしているといっても大手ピザチェーンに比較したら基本的には無名ブランドだと認識してました。しかもオープン直後からしっかり利益をだす必要があり、なおかつ広告には費用をかけない予定だったのでどのように僕らのやりたいことを伝えていくかを考えました。そこで助けになっていただいたのが多くのプロジェクトへの参加者。ゼロ・ウェイストというコンセプトに共感していただいた多くの人や会社にプロジェクトに参加していただき(プロダクトやリサイクル、食材等)先行して進めていたFacebookでプロジェクトのプロセス含めて、関係者とともにZero Waste Journeyやプロジェクトの進捗として紹介していきました。僕としても良いものをもっと広めて行きたいという思いとも一致したことにより、また僕らのターゲット層と協力していただいた人々は同じだったこともあり、多くの人にOPEN前から話題にしてもらえる環境をつくることができました。


3. コアターゲット層にはどういったものが刺さるか、引き止め続ける戦略

僕らがカンボジアでビジネスをする上でのターゲットはアーリーアダプターと呼ばれる流行や感度のある上位約15%の人たちやクリエイティブクラスとよばれる人たち。このような人たちが何を飲食店に求めているかを考えました。また非常に個々の好みや刺さる部分が多様化しており、なおかつ僕らのターゲット層はかなり広い(カンボジア人なのだが、上記をターゲットとする場合は外国人も多く入ってくる)ので結構ペルソナを絞るのが難しい。その上で大きな方向性として考えたのがゼロ・ウェイストというコアな部分はぶらさずに、個々に刺さる部分は徹底的にこだわる。美味しいピザやフレンドリーなサービスといったレストランとしての基本要素はもちろんのこと、コンセプトの伝え方や店舗デザイン、プロダクトの見せ方等でさりげなく、分かる人にはこだわり分かるを意識して(100人に2-3人しか気づかなくても良いとし)そのこだわりを30個つくれば全員にどこかしらささるという部分を意識しました。また僕らのターゲット層はそういったこだわりを他の人に薦めたり、共有してくれるのでターゲットが広くても全員に受けるような方向性にはしないを心がけました。

また今後も店舗展開する上で、母数を増やしてもいかに本来のターゲット層に刺さる仕組みを作れるか、逆に応援して巻き込んでいけるかを意識してコンセプトをぶらさない新しい店舗展開の仕組みを考えております。1店舗目のこだわりに気づくからこそ2店舗目を応援したくなり、LTVを最大化させる店舗展開をカンボジアでは進める予定です。


4. SNSのコンテンツ戦略と話題性や口コミによる認知度向上

カンボジアでのメインのSNSはFacebookですがこの投稿や文章としてもコンセプトやお客様の記憶に残る、ターゲット層が伝えたくなる内容は何かという部分にかなり振り切って文章の作成や写真、投稿を続けてきました。まず、商品説明や広告や商業感のある投稿をせず、飲食店らしくないコンセプトや僕らのアイデンティティにかなり振り切った投稿を続けました。ゼロ・ウェイストに向けたプロセスであるZero Waste Journeyや、毎月のレポート、サーキュラー・エコノミーや5R等のサスティナブル関連の説明の投稿等、僕らとしてはどうしていきたいか、なぜやっているのか等のストーリーを繰り返し伝えることを意識しております。説明をする際にも2で説明をしたような共感してお店を一緒に作ってくれている人を尊重したPeople Who support for Pizza4P'sのようにあくまでストーリーを伝える方法をとっております。これらの投稿は単にお店の紹介よりもお客様の共有やシェアが増えて、なおかつ多くの人に伝えたいメッセージ(ゼロ・ウェイストやサスティナブル、クリエイターの製品)を伝える、それを繰り返すことで人々の意識もあがり、カンボジア全体の発展につながる。そういった人が増えてくれば僕らのコンセプトに共感していただける感度の高いターゲット層もふえてくるといったループになると思っております。この方向性に関しては今後も徹底的にぶらさず意識して進めていこうと考えてます。

https://www.facebook.com/CambodiaPizza4Ps

https://www.instagram.com/pizza4pscambodia/


5. コンセプトがどう費用対効果やビジネス的メリットになるか

コンセプトにこだわったり新しい取り組みをしていくとどうしても費用対効果であったり、財務的なメリットがあるのかというところはマーケティングを考える上では避けては通れないとの意識は僕はコストにシビアな方ではあるので悩んでおりました。その中でゼロ・ウェイストレストランを進める上で大きな方向性としては3つの方向性を意識しました。1つは上記の2や4で説明した形でのコンセプトに徹底的にこだわったことのより広告費や宣伝費は基本ほぼかけずに伝えたいメッセージは伝わる形がとれたことのよるコストメリットがあります。2つ目はコンセプトが来店理由になった集客がかなりあること。Googleのコメントでもチーズやピザと並んでWasteや環境といった付加価値部分に価値を見つけてくれている人が多くいることに気づけたこと。3つ目はコアな層や感度の高い人にささることのいより協力してプロジェクトを進めてくれる方々を得やすくなることや、良いものに触れられてビジネスをスケールアップさせられるメリットがあります。そして何よりもまだOPENして間もないなかでも一貫したメッセージやコンセプトを伝えたことのより、他とは差別化ができて記憶に少しでも残るお店にはなったのかなと感じております。

また最後にマーケティングというとバック業務みたいに感じますが、実際にかなり自ら動いて実践して大変なことも多かったです。そのあたりはセールスとも似通ったところもあるなと感じ、ただゴールとしては最初に述べたようなところに落ち着くなとプロジェクトを通して感じました。あくまで僕なりの経験と実践からの考えですが、”長期的に継続的に集客と利益を出す仕組み”という部分は今後も意識して、そのための取り組みを続けていきたいと考えてます。


最後にこちら上記を実践したカンボジアプロジェクトの動画を共有させていただきます。





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