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絶対できる。できる気しかしない。

引き寄せの法則という言葉を聞いたことはあるだろうか。

引き寄せの法則とは、「自分の思考やありかたを変えることによって望ましい現実を引き寄せようとするもの」である。


俺はこの考え方は好きだ。言霊とか信じるタイプだし、そういう力ってとてつもない力を持っていると思う。


だけど、最近思うんだ。

「引き寄せてるんじゃなくて、自分の手で作り出しているだけなんじゃないか?」って。





俺のここ2ヶ月のテーマは、「自分を変える」である。


俺は今までずっと、結果を残せないサッカー人生だった。
たくさん練習したし、たくさん考えた。
誰よりも早く来て、誰よりも遅く帰る。そんな毎日だった。
ピッチ外でも考え続けたし、いろんな努力をした。
できることは全部やっていた。でも、試合には出れていない。
ユースの時からそうだ。使える時間の多くをサッカーのために使い、たくさん努力した。真面目に頑張っていたんだ。
でも正GKという立場ではなかったし、チームメイトやスタッフからプレーで信頼を得れているわけではなかった

「なぜだ。なぜ成果が出ないんだろう」
大学3年になった俺は焦っていた。このままじゃ絶対にプロになれないと思っていたから。
でも、今ならわかる。

俺は、「頑張っているけど結果を出せない自分」を自らの手で作り出していたのである。

これはどういうことか。詳しく話していこうと思う。

人間には、コンフォートゾーン(居心地がいいと心理的に感じる範囲)というものがある。そして、そのコンフォートゾーンから出ることは危険を意味するため、私たちは無意識的に行動範囲を心に制限されている。
私たち人間が、変わりたいと思っていてもなかなか変われない多くの理由は、コンフォートゾーンを抜け出すことを私たちの心がストップしているからなのだ。

俺のことを例に挙げてみよう。
俺は、たくさん練習する。しかし、ずっとベンチで試合に出れずにいる。
でも、そこであきらめてはいけないと、試合に出れなくても折れることなく練習するし、多くの時間をサッカーに使う。


そんな俺のコンフォートゾーンはどこか。それは、


試合に出れなくても頑張ることで周りから認められること



である。


つまり俺の心はいつの間にか、「試合に出ること」ではなく、「試合に出れなくても頑張る。そしてその状況を周りに人間力として認めてもらう」ことを欲していたのだ。

俺が人間性を評価されるためには、「ベンチ・試合に出れていない」という状況が必要だったんだ。


これが、俺が試合に出ることができなかった原因の1つだと思う。
どんなに努力をしても、それはすべて試合に出れなくても頑張る自分を作り出すための努力でしかなかったんだ。
だから俺はベンチなんだ。だから結果を出せなかったんだ。
結果を出してしまったら、自分が変わってしまう。コンフォートゾーンから出てしまうから。
だから結果を出せない自分を、自分の手によって作り出していたのだ。



そんな、意味のない努力はやめてしまえ。





俺は、自分を変える挑戦を始めた。それが2か月前の4月初旬である。
まず自分の行動を客観的に見てみた。特に、アスリートとして大事な食事睡眠
毎日の睡眠時間と食事内容は記録してある。
そして自分がアスリートとしてどのくらいの食事と睡眠をとりたいかを決めてある程度基準を設定し、そこを100点としたときに今の自分は何点なのかを計算してみた。
そしたら、100点の日はほとんどなかった
1日100点でも、1週間で見ると80点になったり、睡眠は100点でも食事が低かったり。


完全に見えた。
俺はサッカーでも100点(1番手で試合に出て結果を出す)ではなく80点(ベンチで結果を出せない)だが、
日々の生活、アスリートとしての生活においても、80点だったんだ。

80点分のテスト勉強しかしてない奴が、100点なんて取れるわけない。


そう思った。
そこから、まずは食事と睡眠において100点をとることから始めようと思った。
食事では、毎週図っている体組成を指標に体重や体脂肪量で数値的な目標を決め、そのために必要だと思う食事のとり方をした。不必要な間食はやめ、毎日3食必ず自炊した。キーワードは「プロになるために」
プロになるために必要ないものは口にしない。しかし、心はコンフォートゾーンを超えないように制御してくる。甘いものを食べろ、間食をとれ。そんな声が聞こえてきた。
その対策として、ラインで一人のグループを作って、誘惑が襲ってきた瞬間に「プロになるためにこれを我慢する」と自分に対して宣言をする。というのをやるようにした。これをやることで、本来の自分の目的である「プロになる」ということを再認識し、意志力を使って自制できるようになった。

1か月後の体組成の時には、筋肉量は1グラムも落とさずに、体脂肪だけを約1キロ落とすことに成功した。
もちろん、脂肪を落とすことではなく、良い状態でシーズンを戦うことが目的なので、これからももっと良い食事をとるために改善していく。


睡眠も、8時間を100点として、自分を比べる。
そして出た課題は、やることが終わっていないから寝るのが遅くなってしまうことだった。
一日は24時間と決まっているから、その時間を作るためにあまり出かけなくなった(外食をやめたことで時間が生まれやすくもなった)し、より効率よく動いた。
そうすることで、今までと比べて圧倒的に睡眠時間が増えた。
これも、回復させるために十分な睡眠を常にとり続けられるようにすることがプロになるために必要なので、もちろんこれからもやり続けるし、睡眠の質など、伸びしろは伸ばしていく。


そうやって目的を持って行動してみたら、結果を出すことができた。
つまり何が言いたいかというと、

結果を出せる自分を作り出したのだ。


もちろん1ヵ月続けるだけでも、難しいことはたくさんあった。
自分が変わることを、心は嫌うから。
でも、少しずつ変えていったら、できた。
俺にもできるんだ。結果を出せるんだ。100点取れるんだ。

そして少しずつ、自分の中にあった思い込みが薄れていった。


「俺、できるかも」


この感情が俺を加速させた。


次は試合に出るというフェーズだが、いろいろ考えた結果たどり着いたのは、「持っている力をいかに試合で発揮できるか」だった。
簡単に言えば、試合でいいパフォーマンスをすること。それを100点として、100点をとるためにはどうしたらいいかを考えた。
そして俺が始めたのは、「自主練をやめること」である。
正直これには自分でもびっくりしている。
試合に出たくてたくさん自主練していた人が、
試合に出るために自主練をやめるんだから。
とはいっても、0になったわけじゃない。
大事なのは、評価されるようなタイミング(紅白戦、シュート練習、練習試合)でいいパフォーマンスをすること。そのために感覚をつかむ程度の練習量にして、次の日のトレーニングに向けてより休む時間を増やすという方向性に切り替えたということだ。
とは言っても、練習量を減らすことが目的なのではない。自分にとって1番大事なタイミングで、最高のパフォーマンスを出すことを考えた時に、多すぎる練習は必要なかっただけだ。

その結果、何が起こったか。
紅白戦でクロスボールに飛び出せる回数が増え、ショートを止める回数が増え、キックの安定感が増した。

そして、この前のリーグ戦。6月18日。
関東1部という舞台で試合に出ることができた。
リーグ戦に出場するのは約2年ぶり。
怪我のアクシデントによる前半ロスタイムから約47分の出場だったが、試合に出るという結果を出すことができた。


この日に至るまで、俺は、結果を出すための準備をしてきた。
食事と睡眠で100点をとった。そしていいコンデションを作り、練習でいいパフォーマンスを出した。自主練を最小限にして、次の日のパフォーマンスにこだわった。
一つ一つの行動は、関わりがないようで、すべて試合に出て結果を残すというところに向かっている。

ひとつの方向に向かって正しく積み重ね、成るべくして成る状況を作る。
それがすこしだけ形になった瞬間だった。





さて、長くなったが今回のテーマを思い出そう。
今回は、引き寄せについて話した。
そして今までの俺を例に挙げ、俺は結果を出せない自分とその状況を自分の手で作り出していた。という話をした。
そして、自分を変える挑戦を始めて、結果を出すことができたと。
勘のいい人はもうわかっているかもしれない。
そう、俺が言いたいことは、


引き寄せは自分の手によってもたらされる。


ということ。
自分が求めるものを、一切の邪念なく、自分にはできると信じる。
そして正しい方向に積み重ねていくことで、「自分にはできる」という自信を得ることができる。
そうすることで、「できなくて傷つきたくない」という心が自分を制御しようとする声が聞こえなくなり、どんどん積み重ね、本当にたどり着きたい場所に向かって進んでいけるということだ。


そう考えると俺が試合に出ることができたのは偶然ではない。
俺は試合に出るつもりで準備していたし、何人かにはラインで、「明日は後半15分から出るから見ててね」ってラインしていた。
そのくらい明確にイメージしていたし、願望でも何でもなく、本当にそのつもりだった。



俺は新しい自分と出会うことができた。
結果を出して、プロになって、人に影響を与えられるプロサッカー選手。
そこへの1歩を踏み出した。





でも本当に大事なのはここから。


今、自分の目の前にある目標は試合に出ることだが、そこで終わりではない。これから、スタメンという立場に君臨し続け、結果を残し続ける。
そして2023年の夏、柏レイソルと契約する。
さらにその先には2024パリ五輪、2026ワールドカップ、、、とどんどん続いていく。
俺には絶対できると100%信じている。なぜならできるから。
目先の小さな目標を達成しただけでは俺は満足しない。
もっと高く、もっと強く。


今はまだ何も成し遂げていない。
だからこそ、ここまでに書いた自分の変化が、すごく大きい1歩なんだ。
でも、もう1歩、もう1歩と進み続けなければ、成功はない。
ここまでに書いたことも、これから先、もっと上があると思う。
俺はそのたびに変化し、よりよくなっていくだろう。


俺は自分が望むものを現実に作り出せるだけのパワーを持っているから。


さぁ、今この瞬間から踏み出そう。
自分にはできない。なれない。そんな邪念は、自分の思考のクセを知る絶好のチャンスでしかない。
自分を知り、方向性を考える。
ベクトルが目標に向いたら、後は突き進むだけだ。
「なれる」と思わないと絶対になれない。
心のどこにも邪念を入れるな。
絶対に自分にはなれると100%信じろ。信じるためには、大事な部分で妥協を許さないこと。
全てを完璧にするのは不可能だが、完璧にするべきところで完璧にすることは大事だと思う。








今すぐ踏み出そう。
理想は、すぐそこにあるかもしれない。





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