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ものごとを客観的にとらえるのは難しい【確証バイアス】

私たちは、自分の考えや推測が正しいかどうかを確かめようとするときには、目の前にどんなに客観的な情報が提示されているとしても誤りに陥りやすい傾向があります。

例えば、日頃テレビのニュースを見ていて、

「●●大統領は自分勝手で傲慢な人間だ」

と感じている人は、その後、●●大統領が自分勝手で傲慢だと感じさせるようなニュースに触れる度に、

「ほらね、やっぱりあの人は傲慢なんだ。」

と、自らの考えが正しいと証明されたような気持ちになりやすくなります。

逆に、後日●●大統領が愛に満ちていて他者のために何かを尽くしたようなニュースを見たとしても、

「●●大統領は自分勝手で傲慢な人間だ」

という自分の考えとは対立する内容なので、

「あの人がそんなことをするはずがない」

などと否定したり、本当にそうなのかを確認したりしようとはしない傾向があります。

このように、事実かどうかを確かめようとする場合に、自身の考えを肯定【確証】する情報に注目し、否定(反証)する情報には注目しないという傾向のことを【確証バイアス】と呼びます。

別の例でも見てみましょう。
例えば私は血液型がB型ですが、そうするとこれを読んでいる皆さんは、おそらく自分の身近にいるB型の人を思い出しながら、その人の行動や発言のなかでその人のB型の特徴とされることで、私がどんな感じの人なのかをイメージすると思います。
仮に私がものすごく几帳面で常識的な人だったとしても(それは皆さんには当然見えていないですが)、おそらく皆さんは私のことを

「B型だから、ちょっと変わっているのかも」

なんてイメージしたのではないでしょうか?

あるいはこんな例もあります。
自分のことを全く知るはずもない初めて会った人に

「あなたはすごく積極的なほうですか?」

と質問されると、答えるほうは自分の中の積極的な部分を探して、

「そうですね、休みの日にはみんなとワイワイ騒ぐのが好きです。」

などと肯定的な返答をしがちになります。

さらにもう1つ例を挙げるとすれば、あるセミナーに初めて参加する際に、事前に講師のプロフィールが渡され、その内容に

「趣味は家族と一緒にキャンプに行ったりBBQをして、和気あいあいとしたあったかい時間を過ごすことです。」

なんて書かれていたりすると、実際に直接その講師の講義を受けて、仮にその雰囲気がクールで堅い感じだったとしても、一瞬見せた笑顔などから

「講師のお人柄は温かくてよかったです」

という印象を持つこともあります。
これは事前に知らされた情報(プロフィール)から、自身の中に「きっと先生は温かい人だろう」という予測が立って、その予測を肯定【確証】するようにその時の様子を評価したからです。

このように、私たちは日頃から特に意識することなく【確証バイアス】に陥っているかもしれないので、なかなか客観的に物事を判断するのは難しいです。ですが、【確証バイアス】というものがあることを知っているだけで、自分の判断を過信しすぎずに客観的に冷静な判断に【近づく】ことは可能です。

これからの時代、様々な人や団体が大量の情報を発信していく中で、その波に飲み込まれないようにするためにも、ぜひ参考にしてくださるとうれしいです。

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