11年ぶりに上野に行ってきた

上野に行くのは久しぶりです。ここでいう上野はもちろん東京国立博物館のことを指しています。確認したところ、11年ぶりでした。前回訪れたのは2009年8月。いま国立博物館は事前予約制なので、オンラインチケットをきのうの夕方に購入しました。博物館の入口でスマフォの画面を見せ、係員にQRコードをスキャンしてもらって入館します。ちなみに、予定時刻(13:30)の30分前に駅に着いたので暇に任せて上野公園内を散策しましたが、人出はきわめて少なかったですね。あきらかにコロナの影響でしょう、外国人観光客もほとんどいませんでした。中国語を喋る人を数人見かけたくらいです。

国立博物館の本館(日本ギャラリー)に入って、まず階段の脇にロッカーがあるので、そこで荷物を預けます。100円硬貨1枚を使いますが、これは後で戻ってきます。まず一目散に、彫刻のコーナーに向かいます。ここで仏像を観るのがきょうの目的です。大日如来がとても良かったです。印の結び方がむずかしくて真似しようと思ったのですが、うまくできませんでした。今度あの世に逝った折には教えてもらおうと思います。あとは、阿弥陀如来もよかったのですが、これは撮影禁止だったので脳内にぼんやりとしたイメージを焼き付けておきました。ぼくは狭量な仏像ファンなので、主に関心があるのはいわゆる如来や菩薩で、明王や天についてはあまり関心がありません。これはどうしてもそういうものなので仕方ないのですが、彫刻の帯びたアウラの質が違うように感じるのですよね。やはり、仏様は違うんです。

けっきょく2時間ほど集中して本館内の展示はすべて回りました。以前来たときよりも、ユーザーフレンドリーな構成になっていましたが、展示物の数がかなり整理されて減っていたのでその点は残念でした。仏像の数も減っていましたからね。ただ、久しぶりに博物館に入ったので、ちょうど分量的に良かったです。それに集中して先人が精魂込めて遺した藝術作品をたくさんみるとそのエネルギーに圧倒されてかなり疲労するのです。往路の電車内では荒木優太さんの新著『有島武郎―地人論の最果てへ』を読んでいましたが、帰路はさすがに本を読む元気はなく目をつむって時間を過ごしていました。

あすからまた仕事です。この4連休は妹家族に久しぶりに会えたり、行きつけの喫茶店で読書したり、図書館へ行ったり、のんびりと過ごせたので、また少しだけ、程々にがんばろうと思います。また博物館に行くにしても、多少のお金は必要ですからね。そういう気持ちをもてるようになったのは、長患いをしていた身としては、ほんとうに"社会復帰"してきたんだな、という思いがしみじみして、わりと嬉しいものなのです。今年もいろいろなことがありましたが、あと3か月穏やかに、何より無事に過ごせることを願っています。

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