ジョブアサインメント、ちゃんとできてますか?
kazooです。mentoというスタートアップで働いています。
先日うっかり流行病にかかりました。微熱を抱えながら、だましだまし仕事をしていたのですが、高熱が出て寝込む羽目になり、しばらく大変でした。未病の段階から備えるのがコスパがいいと思うので、食事の見直しから健康な体づくりをしていきたいと思います。
さて、今日は「ジョブアサインメント」を扱っていきたいと思います。
ジョブアサインメントとは何か?
一般的な定義としては「マネジャーや上司が、組織の業績目標を達成するために、メンバーに仕事を割り振ること」です。まさに言葉のとおり、ジョブをアサインすることですね。
ちなみにリクルートワークス研究所では、ジョブアサインの定義を「仕事の割り当て」にとどまらず「組織として達成すべき目標をふまえ、業務を具体化した上で割り振り、職務の達成までを支援すること」と更に広義に定義しています。
https://www.works-i.com/project/jobassign/2019/detail001.html
さて、そんなジョブアサインメントですが、
会社のリソースは量的にも質的にも限られているため、ケーキカットするように仕事を綺麗に切り分けることが難しい
ジョブアサインメントの良し悪しを評価することが難しい、故にPDCAが回りづらい
などの理由から「上手くやる」のは難しいと言われています。
そんなジョブアサインメントですが、「会社の変化」「従業員の変化」「上司の変化」という3つの変化により、さらに難易度が高まっています。
ジョブアサインメントを取り巻く3つの変化
1.会社の変化
外部環境の変化が大きく、組織の目標自体が流動的・もしくは不明確なため、「組織のジョブ」の設計が難しく、「個人のジョブ」まで落ち切らない
昨今「自律性」を従業員に求める企業が多いが、「何をすべきかは自分で考えてね、やるべきことは変わるから」というメッセージとも言える
「成長できる仕事」が昔に比べて減ってきている
2.従業員の変化
ご存知のとおり終身雇用は終わりを告げ、転職するのが当たり前の時代となった。結果、会社に頼らず、自らのキャリアは自分で作っていこうというスタンスの人が増加。「成長できる」「専門性が高まる」「ポータブルスキルが身に付く」などキャリアに直結する仕事は歓迎されるが、そうでないものは敬遠される
若手を中心に「働く意義」を大切にする人が増えた。「社会貢献につながる実感得られる」などを仕事に求めるようになった
3.上司の変化
前述のとおり、組織のジョブが定まりづらい環境かつ、転職してきてマネジャーを担う人もおり、その会社自体や仕事の内容の詳しくない中で、ジョブアサインメントが求められる
リモートワークの普及により、部下との関係性も深めづらい状況。メンバーの理解が十分ではない中で仕事を任せなければいけない
誰に任せるのが適当か判断がつかないため、とりあえずマネジャーである自分がやる、という話も耳にする
以上のとおり、会社と従業員の関係性が変化したことが大きく影響を与えています。
この状況下で“よい”ジョブアサインメントをすることは難しいと思います。
”よい”ジョブアサインメントに必要なことは?
現代において良質なジョブアサインメントをする上で必要なことは以下5つだと思います。
1.組織目標達成に必要なジョブの洗い出しと優先順位づけ
組織目標達成に必要なジョブが本当に正しいかを常に考え続ける。必要に応じて上長とジョブの見直しを行う
リソースが不足することが世の常。急な退職も起こりうる。優先順位をつけて備えておく
2.部下のWillとCanを把握し、アサインメント時に考慮する
1on1面談や過去の業績評価などを通じて部下のWill、Canを把握
メンバーのWill・Can・成長経験を考慮しアサインを考える
メンバーがストレッチし成長実感を得られるようにする
3.メンバーの成長実感や組織への帰属意識が高まる設計とする
自己有用感や自己効力感を獲得し、組織への帰属意識を高められるように段階的な設計をする
例えば、小さな成功を積み重ねられるような設計。徐々にストレッチするよう、難易度をコントロールする
4.既存のジョブだけでは満たせない部下のWillのために、新しい仕事を“創る”
社内で新しい仕事・目標を創る
目標の延長線上で、よりストレッチした目標を置き、それを達成するための仕事を与える
社内でPJTを起こす(PJTをつくることが目的にならないように気を付ける)
外部を巻き込み新しい仕事をつくる
外部の知り合いと仕事を創る
5.ジョブアサインメントのPDCAを回す
変化が大きい時代において、精度高くジョブアサインをしようとすることは非効率であり、ある程度の割り切りのもと、試してみる、状況に応じて変更していくことが前提
アサイン時に、理由や背景、目的を明確に握る(この際、納得感の醸成が欠かせない)
その上で、実際に仕事をしてみてどう感じているか、大きすぎず、小さすぎないか、向き・不向きはないかなどを見定める
私の肌感覚ですが、この中で特に「メンバーのWillを引き出すこと」「組織への帰属意識が高まるジョブ設計」「新しい仕事を創ること」ができているマネジャーの方はほとんどいない印象です。このあたりにジョブアサインメントを進化させるポイントがあるように思います。
ところで
ここまでマネジャー視点でどうジョブアサインをするか、ということに触れてきましたが、本当はメンバー自ら自身のジョブアサインを主体的に考えていくことが必要になってきていると思います。
マネジャーから一方通行で「ジョブを与えてもらう」のではなく「一緒にジョブを考え、PDCAを回していく」ことが自律的なキャリアに寄与するでしょうし、俯瞰して組織を見る視座が身につくなど、自身の成長にもつながると思います(スタートアップに身を置くとそのことを痛感します)。
日々の仕事が自身の人生・ビジネスのゴールに紐づくようジョブをデザインする(そして関係者に認めてもらう)力を磨いていくことをオススメします(ここは私も勉強中です)。
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