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【番外編】手書きで楽譜を書く
譜面作成ソフトが普及してきたとはいえ、ミュージシャンの皆様は、まだまだ手書きで譜面を書いたり、手書き譜面を読んだりする機会が多いのではないでしょうか。
楽譜を書く専門の人には写譜ペンという道具もありますが、そこまでしなくても……という方も多いと思います(かくいう私も写譜ペンは持っていません)。
ここでは、音楽理論の話から少し離れて、私が手書き譜面を書くときに心がけていることなどを「番外編」とし
2.5 調号と「均」
2.1節において、変化記号(シャープ・フラット等)について説明する際、少し調号 (英: key signature)についても触れました。また、前節までで基礎的な全音階の知識について説明してきました。このタイミングで、この節では、改めて「調号とは何か」ということについて、少し遠回りになりますが、順を追って掘り下げていきたいと思います。その際、あまり一般的に有名ではないのですが、「均」という概念を導
もっとみる巻末資料:音名一覧表
本マガジンの巻末資料として、音名一覧表をPDFおよびExcel形式でご用意いたしました。
音名についての概論音名に関する基礎的な知識について、必要に応じてこのマガジンの2.1節もご覧ください。
1オクターブの中に鍵盤は12個しかありませんが、音名は幹音7つ(いわゆる白鍵のドレミファソラシ)に加え、そのそれぞれに対する派生音が4種(シャープ、フラット、ダブルシャープ、ダブルフラット)ありますので
2.3 全音階の成立、ハ長調の音階と和音
2.1節、2.2節ではそれぞれ、1つの音の絶対的な高さに対する名称である「音名」および、2つの音の高さの相対的な差に対する名称である「音程」について見て来ました。この2.3節からは、音階(スケール、scale)について掘り下げて考えていきましょう。なお、音階と和音は密接な関係にありますので、音階について説明していく中で、和音についても適宜触れていきます。
さて、音階は、読んで字のごとく、音の「階
3.2 四和音の種類とコード表記法(後半)
この記事は3.2節の前半からの続きです。
3.2.5 マイナーメジャーセブンスさあ、四和音の後半戦、いきなりヤヤコシイ名前が出てきました。マイナーで、しかもメジャー?
これはマイナートライアドに、ルートから長7度 (major 7th)上の音を付加してできる四和音です。
読み方としては「Cマイナーメジャーセブンス」のようになりますが、「Cマイナー(のトライアドに)メジャーセブンス(を足したも
3.2 四和音の種類とコード表記法(前半)
3.2.1 四和音についての概論:7通りの四和音四和音(よんわおん、しわおん、どちらの読み方もされています)とは、異なる4つの音を同時に鳴らしてできる和音のことです。ちなみに、英語では tetrad (テトラッド)と言いますが、あまり日本では流通していない言い方のようです。
基本的には、「ルート」「ルートの3度上」「ルートの5度上」「ルートの7度上」の4音を鳴らした和音を指します。この4つ目の音
3.0 スケールとコードの関係
2020年2月12日現在、2章3節以降が未執筆ですが、先に第3章を書き始めます。第3章は「コードに関する基礎知識」です。この章では主に、いわゆるコードネームの知識を扱います。
まず、この3.0節では、準備運動として、スケール(scale、音階)とコード(chord、和音)の関係について簡単に見ておきます。
3.0.1 スケールとコードの歴史的な関係少しおさらいも入りますが、まずは、スケールとコ
2.1 音名:同じ音でも名前がいっぱい
さて、ここから第2章「音高に関する楽典基礎」に入っていきます。この第2章の内容は、クラシック音楽でもジャズ等のポピュラー音楽でも基本となる知識ですから、クラシック音楽の初学者にも役立つ内容になるかと思います。
まずこの記事では音名、すなわち音の名前について見ていきます。これからこのマガジンで音の高さのことについて本格的に考えていくにあたり、それぞれの音の高さに、曖昧さのない、ハッキリとした名前を
参考文献:かずまき音楽理論夜話
クラシック音楽の楽典に関する文献『究極の楽典――最高の知識を得るために』青島広志、全音楽譜出版社、2009
※私が入手したのは上記の版ですが、現在、下記の新装版が出ているようです。
本書は、数ある楽典の本の中でも、最も「生きた日本語」「血の通った日本語」「人間臭い日本語」で書かれており、かつ専門書としての水準も保っている、優れた書物であると思います。楽典というと、どうしても「小難しくて分かりに