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雨を楽しむおうち時間のアイデア

今年の梅雨入りは早かったですね。

梅雨は嫌。

雨の日はうっとうしい。

という声をよく聞きますが、せっかくなら工夫をして雨の日を楽しんでみませんか?


日本には400語以上の雨の呼び方があるそうです。

土砂降り
霧雨
天気雨
長雨


美しい言葉もたくさんあります。

緑雨
涙雨
天泣
小糠雨


細やかな季節の移り変わり、天気の変化を感じる日本人の感性は素晴らしいですね。

その感性が生み出した様々な芸術があります。

雨の日には、そんなアートを楽しんでみてはいかがでしょうか?


1.雨のアートを楽しむ


絵画では、東山魁夷の『黄山雨過』が有名ですが、霧雨が降っているようなしっとりと肌が濡れてくるように感じる絵がたくさんあります。

この絵も素敵でしょう?

吉田博の東京拾二題 神楽坂通 雨後の夜

吉田博

子どもの絵本も楽しいのがたくさんあります。

私が好きだったのは、佐野洋子さんの『おじさんのかさ』。

おじさんは、雨がふってもかさを開かないんです。

どうしてでしょう?


有名な俳句では、

五月雨をあつめて早し最上川 松尾芭蕉

新緑の中を勢いよく流れる川が目に浮かびます。

その川を眺めて、芭蕉は何を考えたのでしょう。

物指をもって遊ぶ子梅雨の雨

退屈な雨の日も子どもは何にでもおもちゃにして遊んでしまいますよね。


山村暮鳥の詩はいかがですか?


驟雨の詩
何だろう
あれは
さあさあと
竹やぶのあの音
雨だ
雨だ
おやもうやつてきた
ぽつぽつと大粒で
ああいい
ひさしぶりで
びつしより濡れる草木だ
びつしよりぬれろ


真似して、雨を”ああいい”と楽しみたいですね。

芸術家たちは雨を積極的に楽しんでいるのがわかります。

雨を見て感じて生み出された作品。

雨の日だからこその芸術家たちの感性を味わってみてください。

そのあとに見る雨や空や空気や緑が、違って見えるかもしれませんね。


2.雨と遊ぶ


遊ぶといえば子どもに見習って。
童心に帰って遊んでみましょう。

「雨の日は何して遊ぶ?」
と尋ねたら、

「学校帰りに川に落葉を投げて、それと一緒に走る!」と言ってくれたRちゃん。「雨の日は川の流れが速いから、楽しいよ!」

Mちゃんは
「雨粒が落ちてくるのを見る。葉っぱはダンスしていたみたいだった。」

子ども達の感性、発見も芸術家並みに素晴らしい!

とっても楽しそう。

雨の日のお散歩で水たまりを飛び越したり、びちゃびちゃになって足踏みしたり、雨の歌でも歌いながら、子どもの目線で面白そうなこと探してみませんか?

♪おやまにあ~めがふりました
あとからあとからふってきて
ちょろちょろ小川ができました♪


3.ゆっくり感じる

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雨の日の心は晴れの日とどんな違いがありますか?

なんとなく落ち着いていませんか?

上から落ちてくる雨のせいでしょうか?

自分の心や体をゆっくりと感じてみましょう。

どこか違和感があるところはないかな?

固くなっていたり、冷たいところはないかな?

もし、そんなところがあったら、両手で挟んで温めてあげましょう。

自分をよしよしと大切にする時間。

体が溶けてくると、心も一緒に溶けて柔らかく温かくなっていきます。


何が食べたい?

何をしたい?

どんな気持ち?


そんなことを感じる時間はとても大切です。


ゆっくりお茶でも飲んでみませんか?

雨に濡れた一輪の野の花を飾って。

湯の湧く音、雨の降る音を楽しんで。

湯気とその向こうの雨の景色を眺めて。

温かさを手の平、口、のど、おなかで感じてみる。

香も一緒に味わって。

器の手触りを楽しんで。

そして、また自分の心を感じてみる。

いつもと違った丁寧な時間が新しい何かを生み出すかもしれませんね。


4.雨上がりの準備をする

雨の日は掃除をします。

茶殻を撒いて、箒で掃くのですが、晴れの日より埃たちも落ち着いて、舞い上がらずにきれいになります。

屋根の上で雨がいろんなものを洗い流しているのを感じながら、お清めの雨を家の中まで利用して、キレイにしちゃいましょう。

雨が上がったら、窓の外を湿気が残っているうちにふきあげるときれいになります。だから、雨の間に内側を磨いておく。

雨が上がったら、草抜きに出る。

するっと抜けて気持ちいい。

いっぱいついている雨粒が光ってとってもきれい。

そうできるように、そのほかのいろんな細々した用事を済ませておきます。


5.雨を思い出す

私の大切な雨の想い出は屋久島登山。

カッパを着て、雨の中を1日7時間くらい3日間歩きました。

何千年と生きた巨木の間を歩いていると、小人になった気持ちです。

背の高い樹の下から見上げると、はるか上の方から水滴が

”つ――――――――――――ーーーーーーーーーーーーーーーーぴちゃん”

と落ちてきます。

どれだけの高さがあるんだろうと、飽きることなく次の水滴が落ちてくるのを待っていました。

怖いような神秘的な森。

ちょっと間違えば命を落としかねない深い森。

霧が漂います。

自然の中のちっぽけな自分を感じた瞬間。

川の水を手でくんで飲んだだけなのに、なぜかわからない大きな喜び。


こんなめったにない経験もあるけれど、小さな思い出もたくさん。

子どもと手をつないで、つないだ手を濡らしながら、歌いながら歩いた道。

田んぼも道路も水浸しになって、その光景が面白くって歩き回ったこと。

陸上部の練習で雨に濡れながら、走ったこと。



さあ、積極的に雨を楽しんで、また、ステキな雨の想い出を作りましょう。

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