輸入小麦粉から国産米粉へ!革新的な製粉技術で自給率アップ!
米粉は小麦の替わりになり得るのか?
グルテンフリーの食品需要が高まる中、大手食品会社が米粉商品に参入している中で米粉が注目されています。
革新的な米粉製粉技術が確立され、高品質な米粉が製造できるようになった現在、日本の米粉の現状と可能性を紹介していきたいと思います。
◇減ってきた飯米の需要量と米の買取価格
日本人のお米の消費量はここ数十年で減り続けています。
実際に1962年ごろは一人当たりの年間120㎏ほどお米を消費していたのに対して、
近年では60㎏を下回り、半分以下の消費量となっています。
当然、小麦を使ったパン、麺、ピザなどに消費動向は移っていることが伺えます。
そして、この小麦のうち90%近くは外国からの輸入に頼っています。
2017(平成29)年度の小麦の輸入量は549万トンで、おもな輸入先国は、アメリカ(54.8%)、カナダ(28.9%)、オーストラリア(16.2%)となっていて、災害による生産量の減少、海外の需要高騰などで小麦価格が上昇すると、日本の事業者や一般家庭に負担がかかっています。
◇増える米粉の需要
一方で小麦アレルギーを持つ方々が増え始めたこともあり、米粉を使った食品(グルテンフリー食品)の需要は年々高まってきています。それをとらえてイオントップバリュでの米粉パンの多店舗展開、ケンタッキー・フライド・チキンなどでも米粉パンを提供し、利用が広がっています。
実際の需要量は日本米粉協会がまとめた資料によると2020年度は、3万9000トン。生産量は2万8000トンと1万1000トン程足りておりません。
また後ほど説明しますが、製粉技術の進化によって米粉品質もかなり高まってきております。
◇悲惨なほど安い飯米の買取価格
通常私たちが食べている飯米の価格下落がやばいです。
2021年の高知県の市場のコシヒカリの農家からの買取価格は以下の通りでした
30㎏の価格です。
1等米 5150円
2等米 5000円
3等米 4600円
10aあたりの平均収量が7俵(30㎏袋で14袋分)だとしたら、例え1等米を出荷したとしても
5150円×14袋=72100円/10a
3等米だと
4600円×14袋=64600円
の売上しかありません。
ここから肥料・農薬代だけで1万~2万円
燃料代やお米乾燥調製代、機械整備代、人件費などを含めるとおそらく利益0か赤字になる可能性もあります。
コンバインが少し壊れるだけで、数十万円吹っ飛ぶ世界です。
「瑞穂の国 日本で瑞穂を作っても生活できない」
状況になっています。
飯米として出荷するとこのような悲惨なものになりますが、十分とは言えないまでも米粉や飼料用米などには比較的補助金額が加算されます。
下記の図で見てみましょう。
飼料用・米粉用には10aあたり約8万円の補助がついています。
この8万円のおかげで飼料・米粉の原料ともに安く流通させることができます。また農家さんの手取りも増えます。
ざっと計算していくと。
8万円/10a(補助)+2000~3000円/30kg(お米の単価)×14袋=108000~122000円
の売上となります。
先ほどの飯米の出荷と比べると
10aあたりの売上は5~6万円近く変わってきます。
これが1haなると50~60万円。
10haとなると500~600万円。
の売上に違いがでてきます。
またこの補助金額があるおかげで、小麦粉よりも少し高い値段にはなりますが米粉も受け入れられる価格帯での販売が可能になっています。
次は革新的な製粉技術のお話です。