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米粉製粉80年の会社が開発した画期的な製粉技術とは?

グルテンフリー需要の増加や、大手企業の参入により日本国内でどんどん需要が高まり、1万トン以上供給が追い付いていない米粉ですが、まず米粉にはどんなメリットがあるのか?見ていきたいと思います。

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◇国産米粉のメリット 
・遺伝子組み換えの多い外国産小麦ではなく、安心な国産のお米を使っている。
・必須アミノ酸が小麦粉に比べて多く含まれている(玄米米粉ならさらにビタミン・ミネラル・食物繊維が多い)
・小麦粉に比べて胃・腸に負荷をかけない。
・油の吸収力が小麦粉より低いため、揚げ物にすればカラッとヘルシーに仕上がる

◇進化する米粉の製粉技術
少し前まで米粉はパンや麺には不向きと言われてきました。
それは、パンや麺に適した製粉技術ではなかったため、パンが膨らまない、麺が思ったように伸びないなどの課題があったためです。

その課題を突き止め解決したのは、米粉製粉歴80年を超える製粉技術でトップランナーである大阪八尾市にある株式会社西村機械製作所さんです。

パンが膨らまない原因は粒の大きさ(粒度)とでんぷん損傷度でした。
まずでんぷんは、熱がかかればかかるほど損傷します。
この熱がかからないようにするために一度お米に水を含ませて製粉するという「湿式粉砕」という方式をとられています。

湿式製粉と乾式の違い

(図:西村機械製作所より)


でんぷん損傷

(図:西村機械製作所より引用)
でんぷん損傷度が高いほど、パンが膨らんでないことがわかります。

さらに、粒度が細かくなればなるほどパンは膨らみやすいのでより細かくするために風の力でお米同士をぶつけて細かくする「気流粉砕」という方式を採用されています。図の一番左のスーパーパウダーミルというやり方ですが一番粒度が小さく、かつ均一になっているのがわかると思います。

粒度分布

(図:西村機械製作所より引用)

こうして製粉した米粉に、グルテンの粘りに似たアルファー化米粉という一度お米を炊いて糊化させたものを乾燥し、製粉したものを加えて米粉100%でパンがやける米粉も出ています。(写真:ふっくら米粉)

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パン・麺・スイーツなど米粉で様々なものが作れる時代になっています。
安心な国産米粉を普及させて、食糧自給率の向上と健康を守っていきたいですね。
米粉の製粉装置や技術に関することはこちらの西村機械製作所のHPにて公開されています。(玄米も製粉できる技術ができています)



                             


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