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方法は引き算だけではない

絵画や文学・全ての芸術作品、そして今はビジネスの中でも「引き算」をすることが良しとする風潮がある。

「引き算の美学」なんて言葉も見かけるくらい、大切なものを残し、余分なものを削ぎ落として「余白を作ること」に熱を注ぐ人もいる。

よりシンプルに。より分かりやすく。
少し足りないくらいがちょうどいい。

それには賛同できるけど、「引き算」が気に入らない。

削ぎ落とすというのが好きじゃない。
無かったことのにしよう。

その考えが好きじゃない。

・・・

何でもかんでも付け足すことが正しいとは思わない。

しかし、引き算だけが美学とは限らない。

どちらかと言うと、私は割り算が好きだ。
無かったことにするのではなく、これまでがあるからこそできることというのは、いいなと思う。

足したり掛けたりして、大きくなりすぎだから割ってみて、均等にしたりして。

これまでを無かったことにする引き算とは違う。

むしろこれまで足したり掛けたりしたものを活かして、それらがあるから割れるものもあるわけで。

割った挙句に、余が出るところなんかもいい。
素数のように割れないものがあるのもいい。

何事も上手く割り切れないものがある。
割り切れないものがあってもいいのだと思わせてくれる。

・・・

割り算は、筆算で計算しようとすると、足し算も引き算も掛け算も使うところもグッとくる。

単純にするために、単純じゃないことをする。

引き算の潔さみたいなものはないけれど、引き算にない美しさがあるな、と。

美しいのは引き算だけではない。

消すこと、省くこと、無かったことにすることだけではない。

生かすこと、余分が出ること、複合されること。

生活の中に必要なのは後者なのではないかと。

捨てたり切ったりするだけが、美しさを作る方法ではないということですかね。

今後も有料記事を書くつもりはありません。いただきましたサポートは、創作活動(絵本・書道など)の費用に使用させていただきます。