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私を象る癖のこと

横断歩道で信号待ちをしていた時のこと、ふとショーウィンドウに目をむけ、映る自分の姿を見て愕然とした。

当たり前のように、コートのポケットに手を入れていたからだ。

そんな大袈裟に驚くことはないと思われるかもしれないが、「ポケットに手を入れて歩かないこと」というのは、私が決めた今年の目標のひとつだった。

うっかりなら仕方がない気もするが、私が驚いた理由は「当たり前のように」ポケットに手を入れていたこと。思い返してみると、少なく見積もっても3月以降はほぼ毎日のようにそうしていることに気がつく。

あっさりと目標を忘れていた。そのことに驚かされたのだ。

・+・

『なくて七癖、あって四十八癖』だとか『人に七癖、我が身に八癖』とはよく言ったもので、やはり癖というのは長年の習慣で培われてきたものであり、そう簡単には脱することが出来なさそうである。

それは仕草だったり、口癖だったり。

不意に自分の癖を聞かれると、7つも8つもなんて思いつかない…と思ってしまうのだが、少し長い期間意識して考えたり、他人に言われたことを照合すると、やっぱり10個前後は気付けるものである。

ポケットに手を入れること

困ると唇を触ること

食べている時・集中している時・ボーッとしている時に口をすぼめてしまうこと

子供のように両手で目を擦ってしまうこと

言偏の二画目が長くなってしまうこと

体言止めの文章が多くなってしまうこと

首を鳴らしてしまうこと

時々呼吸を忘れること

緊張すると髪を耳にかける回数が多くなること

などなど。
他人から言われて気づいたものが多いけど、意識していると自分でも気づけるようになるものである。

・+・

そんな自分の癖を、少しずつ無くしたいと思っている。その第一弾がポケットに手を入れて歩かないということだったのだが、3ヶ月では到底達成できないことを知ったので、やはり1年かけていく課題のようである。

別に他人に迷惑をかける癖でもないし、ポケットに手を入れて歩くのは品がないなと思った私個人の感覚だけなので、もちろん子供の頃にしつけられた「転ぶと危ないから」という理由でもない。

でも癖を無くしたい。
正確に言えば「今ある癖」を無くしたい。

おそらく癖なんていうものは、ひとつ無くなったところで、またひとつ、と増えていくものだと思うが、それはそれでもいい。

癖って、世界を狭めるんじゃないかな。
無駄にわたしを象るものじゃないかな。

そう思ったのである。
同じ行動・同じ言葉ばかりだと、同じ世界しか見えなくなったりするのではないか。
人から「この人はこういう人ね」と安直に形作られてしまうのではないか、と。

・+・

あなたの癖は何ですか?
その癖は、世界を、自分を狭めていませんか?

今後も有料記事を書くつもりはありません。いただきましたサポートは、創作活動(絵本・書道など)の費用に使用させていただきます。