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夢よりも夢のような嘘のない世界

変な夢を見た。

引越し先の家が決まっていて、自分の家の解約日もあと3日と迫った時に、なぜか突然内見をもう一度してほしいと管理会社に言われた。

もう不動産仲介の人と内見は済んでいるし、あと3日で越してくるのだからそんなのいらんと言ったが無理矢理連れていかれ、行ってみたら私の知らない建物。

そんなはずはないと言ったが、実際に契約し改めて内見した家は、以前内見をした家と別のものだった。

何もかもが違っていたが、衝撃的だったのは複数人部屋の合宿所のようなところで、私は6人部屋の部屋だった。

そんなところには住めないと言ったが、空いているのはこの6人部屋か2人部屋。しかも2人部屋は知らない男性と6畳一間の2段ベッドの部屋だった。

なんとか住むことも考えたが、やっぱり無理。
でも今の部屋の解約日は3日後。

…どうしたらいいんだ、と焦って目が覚めた。

・・・

夢が現実とリンクしていた。

というのも、実際に私も現実世界で引っ越しを控えている。それに私を騙した不動産仲介会社は、学生時代私が仲良くしていた友人だった。

同室になるかもしれなかった「知らない男性」は、現実では良く知っている男性で。

事実と、事実に反する現象がごちゃ混ぜになった夢だった。だからなのか、とても疲れて目が覚めた。

夢という嘘の話の中に、チラホラと本当のことがあったからこそ気を揉んだのだろう。

・・・

仕事上で付き合う人に、良く嘘をつく人がいる。

もう嘘しか言えないのではないかと思うくらい、何から何まですぐにバレる嘘を語る人だ。

同僚たちとその人の話になり、「なぜ嘘をついてしまうのか」という話の中で、嘘とは何かという話題に変わった。

本当の中に嘘があるから、嘘は嘘でいられる。

しかし彼のように、口から出てくるすべてのことが嘘のような人にとっては、全て嘘ではなく、ただの認識違いなのではないかと。

その話を聞いてある映画を思い出した。

タイトルは忘れてしまったが、その映画の世界では「嘘」という概念そのものがない。もちろん誰も嘘なんかつかないし、他人の言っていることを「本当か?」と疑う必要もない。

だって全てが本当のことだから。

騙されることもない。
見たまま思いのままを言うので、おべっかをつかう人もいない。

だからこそ、辛辣な意見に心を痛めることもあるけれど、そんなことは当たり前の世界。

その映画の世界を見ていて、夢よりもあり得ない話だと思った。そして、どんなにとんでもない夢でも、「嘘の存在」がある限り、「リアル」だと思った。

それだけ、現実には嘘がつきものってなわけで。

今後も有料記事を書くつもりはありません。いただきましたサポートは、創作活動(絵本・書道など)の費用に使用させていただきます。