見出し画像

一貫性が創り出す世界観

4年前、付き合いで始めたInstagramだが、会社の20代前半の子たちから聞くところによると、Instagramはもう既にオワコンらしい。

まぁその見解には納得ができる。私も暇な時に様々な投稿を見ている中で、傾向は3つに分かれ凝り固まってるな、と感じるからである。

傾向というものの1つはステマ・宣伝・広告になっている類のもの。2つ目は大した芸術性もないけど、なんとなくそれっぽく体裁を整えているもの。3つ目はただただ生活感を垂れ流しているもの。

4年間続けて投稿数は47件、フォロー・フォロワーともに30人台の私のアカウントは、この傾向の2に当てはまるだろう。

そうやって流行に乗り切れず、楽しみ方も見出さずに終わってしまうのかとも思ったが、今になってお気に入りのアカウントを見つけてしまった。

羊羹で有名な虎屋である。
老舗の和菓子店と思って侮るなかれ。美しい和菓子が一つ一つ並べられ、無駄がなく、品がよく、統一感のある構図で整然と並べられている様子が素晴らしい。

そして、淡いパステル調のの背景で、和菓子そのものの芸術性が際立って、ただ見ているだけで心が揺さぶられる。

おお、なるほど。
これをエモいというのだな、と初めて実感できたのが虎屋のInstagramだった。

・・・

芸術作品というのは「作品そのもの」を買うのではなく、「その芸術家の作品だから」買いたいと思わせることが大切だと聞いた。

これには全面的に賛成という気持ちにはならない。作品そのものに値打ちがある場合もあると考えるからだ。

しかし、技術力の高い人はたくさんいるし、作品として素晴らしいモノを作る人もたくさんいるが、そんな目に見える表面的なものだけで判断しているとも思えない。

作品の奥深さや、作家が持つ思想や哲学、ストーリー、そしてその作家ならではと言わしめる存在感や唯一無二感が購買意欲や評価へ繋がるのだろうとも思う。

私が創作活動、特に造形創作をするのであれば自分たらしめる「統一感」や「一貫性」というのは、大切にしたい要素である。これは目に見えるコンセプトやモチーフにも当てはまるが、それよりも大切なのは、作品の背景にある思想・哲学の一貫性だ。

しかし、色々考えてみたものの、理論武装をして頭でっかちになると、創作へ足が進まずに身動きが取れなくなるのも事実だ。こんなことを言ってないで、作り続けることこそが1番なのかもしれない。

・・・

現に、このnoteも特にコンセプトは定めず、でも毎日書いて投稿する中で、なんとなくの感覚的なものではあるが、私なりの世界観みたいなものが少しずつ構築されている感覚がある。

作戦を立てるのが苦手な私だからこそ、初めから意味を持たせようとせず、作り上げた結果に残る「共通項」を考えた方が、今後の創作活動のヒントになるのかもしれない。


今後も有料記事を書くつもりはありません。いただきましたサポートは、創作活動(絵本・書道など)の費用に使用させていただきます。