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泣きたい時に読む小説「エターナル・スターダスト Extra」No.12



前回のお話 ↓


アヤからの連絡に返信できない。

頭の中はアヤのことでいっぱいで、他の事に集中できない。

こんな状態じゃ何もできやしない。

そうして俺は、アヤと連絡をとらないまま日々を過ごしていた。

そしてある日、アヤから電話がかかってきた。

それでも俺は、電話に出ることすらできなかった。

バイブが止まった直後、俺はESDにログインした。

このままじゃ駄目だ。アヤを悲しませるだけだ。

せめてゲームの中だけでも会おうと思ったのだ。

ログインすると、アヤからのメッセージが溜まっていた。


「リン?」

「風邪でもひいた?」

「リン...寂しいよ」

「リアルのわたしに幻滅した?」


心が痛んだ...。

風邪ひいてるわけでも、リアルのアヤに幻滅したわけでもない。

むしろ、会ったことで俺は益々アヤのことを好きになっている。

それでも俺は嘘ばかりで、本当に最低な奴なんだ。

そんなことを思っていると、俺がログインしたのを知ったアヤが駆けつける。

「リンーーーーっ!」

アヤがいきなり俺に飛びついてきた。

そのアヤの顔は涙でくしゃくしゃになっている。

ごめん。アヤ。心の中でそうつぶやくと、俺はまた嘘をつく。

「インフルになってたんだ。ゲームどころじゃなくて。LINEの返信もできなくて」

「え???大丈夫なの?」


「わたし...ね...リンに嫌われちゃったかと思ったんだよ...」


ぎこちない笑顔で答える俺。

いつまでこうしてこの子を騙し続けるのだろうか。

会えば嘘をどんどん重ねてしまう。

エンドレスに嘘で塗り固められた偶像なのだ。

そんな俺のことを信じてくれているアヤを見ると、自分の情けなさが露呈してしまいそうだ。

きっと今の俺は情けない顔をしている。

笑顔なんて作れていないだろう。

「ねぇ、まだ具合悪いの?」

アヤが優しい言葉をかけてくれる。

「あ、うん、少しね」

そう答えるとアヤは俺の頭を撫でてくれた。

アヤの小さな掌が髪に触れる度、俺の心は真実を話そうという気持ちに傾く。

しかし、その日は話すまでには至らなかった。

その後しばらく会話をし、俺はログアウトした。


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泣きたい時に読む小説「エターナル・スターダスト Extara」No.13 へ続く…

続きは ↓


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