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泣きたい時に読む小説「エターナル・スターダスト Extra」No.8


✨ 前回のお話 ↓ ✨


次は髪型だ。

自分で切ってはいたが、乱暴な切り方だったため、ボサボサのむさくるしい髪型になっている。

アヤに会うなら、やはりきちんと整える必要がある。

そう決意して入ったのが、安い料金で有名な格安美容室だった。

1,500円という破格の料金設定も魅力的で、ニートの俺にはうってつけだ。

店内には10席ほどあり、来店待ちの列ができるほどの人気ぶり。

俺も30分待った後、いざカットへGOサイン。

バリカンを入れる音がギュイーンと店内にこだまする。

「フェードアウトでいいですか?」

何のことかよくわからなかったが、俺はそう聞かれると

「任せる!」

と答えた。

するとあっという間に上手い手さばきで、俺の髪は綺麗に仕上がっていく。

鏡を見て唸る。想像以上にかっこいいじゃないか。

今までにない自信がみなぎってくる。

これならアヤと会える。

そう思った瞬間、またもや現実が頭をよぎる。

会えるはずがないことを思い出す。

どうしよう...。



俺はアヤと会うために準備を整えた。

服を選び、髪型を整えた。

でも迷いがつきまとった。

ニートであることをずっと隠し通してきた。

今さら正直に明かすべきかどうか、葛藤していたのだ。

アヤと過ごした楽しかった思い出が頭をよぎる。

会いたい気持ちがどんどん高まっていった。

考えすぎだと自分で反省し、頭を小突いて覚醒を促した。

「逃げるわけにはいかない。アヤに会わなきゃ」

とつぶやき声に出した。

鏡の前で自分の姿を見つめ直した。

結構カッコよく変身できている自分がそこに映っていた。

「俺なりにかっこいいかもしれない」

そう思えてくると、少しずつ自信が湧いてくる。

「俺はニートだ。でもアヤとの大切な思い出がある。だから正直になろう」

鏡の中で自分の目としっかり向き合った。

「アヤに会う。全部正直に話す。許してほしいって」

そう心に誓った途端、つい眼尻から涙がこぼれ落ちた。

アヤへの思いとニートである罪悪感が入り混じった、複雑な気持ちが溢れ出したのだ。

涙を素早く拭い去る俺。

アヤとの出会いが自分の人生を変えていることに、ふと気づかされる。

楽しい思い出と共に、希望をくれた大切な人。

アヤに対する感謝の気持ちが込み上げてきた。

正直になろうと決意したのも、その思いがあるからこそだ。


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泣きたい時に読む小説「エターナル・スターダスト Extara」No.9 へ続く…

続きは ↓


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