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電脳病毒 #35_225

 この地域の男手の多くは病に侵され、死の淵を彷徨う。地下水の汚染、働き手の減少から、農耕も疲弊していく。
 ある日、徐は填埋場へ。その日は、政府の定めた休日。学校も休みだ。填埋場は作業員以外の立ち入りが建前上禁止されている。実際は出入り自由。誰も好き好んで填埋場に入る者はいない。塵埃の山に何台もの推土机《ブルドーザー》。埋もれるように、動きを止めている。
 徐は塵埃の山に上る。周りを見渡す。回収中の塵埃が数十の小山を造り、処理済みの塵埃は遠く彼方まで埋め立てられている。今まであった畑を覆い尽くし、その先端を見ることはできない。地面、もうそう呼ぶことのできない土地。そこには、流れだした赤黒い液体。至る所で乾いたままの足跡。雨が降れば、汚染物質の溶けだした地面を人々は右往左往する。風が吹き乾燥すれば、塵埃が宙を舞い村まで流れていく。汚染の拡がりだ。


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