見出し画像

夫から元気を奪ったものの正体の模索と、夫の回復

一昨日から夫の元気がない。

「あっ元気がなくなったな」という瞬間があったので、そのときのことを思い出してみる。

コロナで仕事がめっきりなくなった夫に、先々週くらいに久々の依頼がきて、1週間ほどかけて楽しそうに作業をしていた。

一昨日は、完成した商品を搬入した日だった。

大型のバンを借りて、作業場から外の車まで私も手伝って夫が制作した商品を積み込んだ。

夕方、いつもよりも少し仕事が押した私は「遅くなってごめん〜」と言いながら晩ご飯を作ろうと台所に向かった。

昨晩から洗っていない鍋や食器がそのままになっていて、夫はというと保育園のお迎えから帰宅して子供部屋でゲームをしていた。

洗い物は夫の役割だ。

「ねぇ、洗い物やってよ。」

と、何度も『夕食の準備までに洗い物を終わらせておいて欲しい』と約束してきた上でそれが果たされていない批難を込めて声をかけた。

そのとき、その瞬間夫の方から

「「「「「僕は今日仕事をしてきたんだから、家事を押し付けないでよ」」」」

という波動が来た、ように感じた。

その一瞬あとに「いま、仕事があったりなかったりする僕に対して、かざりは毎日仕事をして、言われなくても家事をしている」という気付きが起こった、ように見えた気がした。

珍しく、すぐに立ち上がって洗い場にやってきた。

少し前なら「そういう言い方されると嫌!」と言いながら自分がサボっていることを棚にあげてその場から動かずにキレていたので、明らかにこれまでと違う反応だった。

「自分が悪いのがわかっちゃったけど認めたくないから不愉快!」というモヤモヤした気持ちなのか、ガッチャンガッチャン食器を食洗機に突っ込み始めたので

「そういう風に音を立てて荒っぽい態度を取られると嫌な気持ちになるからやめて」

と怒った口調にならないように伝えて、

「一緒に暮らしてるんだから、当たり前に協力しようよ。言われてやるんじゃなくて。私はいちいち言いたくないし。」

とさらに言葉を重ねた。

夫はガッチャンガッチャン食器を突っ込み

「今!やってるんだからもういいでしょ!」

となんの抵抗にもならない負け惜しみの言葉を発してまた遊び部屋に戻った。ゲームは息子に譲って、ソファで目を閉じた。

このときから、夫は元気がない。

少し遡ろう。

一昨日の出来事の前にもきっかけがひとつあった。

夫が昼食にご飯を食べたあと、家族4人の夕食には到底足りない一膳分のごはんを残して炊飯器を保温のままにしていることが続いた。

「お昼ご飯のあと、夕食に足りない量のごはんしか残らなかったらラップに包んで冷凍して、新しくお米を研いで炊いておいて。」

とお願いすると、夫は母親の小言を流す高校生のような…聞いたのか聞いていないのかよくわからない様子だったので、

「1人で暮らしているんじゃないんだから、協力しようよ。」

と言うととばつが悪そうな反応が帰ってきた。


その翌日、珍しく一緒に昼ごはんを食べたあと(大人だけのときは適当にそれぞれのタイミングで自分の分を用意して食べている)

「私、食べたらすぐ仕事だから、残ったご飯をラップして、夕食の分のご飯を研いでおいてもらっていい?」

とお願いしてやってもらった。

夫は不機嫌そうに無言で米を研いだ。

自分の暮らす家で、次の自分が食べる飯を仕込むことに対して不愉快な態度をとるなんて、どこの殿様気分なのか。

自立した個人を目指す私には理解ができない。

炊飯器に残されたご飯の量と、次の炊飯について

『1人で暮らしてるんじゃないんだから、協力しようよ』

この言葉をかける一瞬前、私の中ではぐるぐると気持ちや言葉が取り巻いた。

「「私はお前のお母さんじゃないんだから、いちいちお前の残飯の処理をして次の食事の用意をしてやる義理はないんだよ!」」

という言葉が気持ちと共にぐぐぐっと迫り上がってきたとき

「いや、私は(夫の母ではないけど)子供たちのお母さんだ。

養育する子供たちも食べるごはんのことだから、『私はお母さんじゃない』は成立しがたい。

そして、お母さんというものが、“子供の残飯を処理して次の食事の面倒をみてあげる存在”とする定義は私のためにも、子供のためにもしてはいけない!!」

と、気持ちと舌に急ブレーキをかけた。

ではなんと表現しよう…とぐるぐるぐるっと頭が回って

「一緒に暮らすなら協力が必要」

という表現にたどり着いた。


1人で暮らしているんじゃないんだから、みんなで暮らしているんだから、

協力しようよ。

自分のことだけ済ませて、後のみんなのことを考えない行動はやめようよ。

この家に家政婦役を引き受けてくれる人はいないんだから。

夫はご飯を炊くようになり、マメに食洗機を回すようになった。

しかし、元気がない。

夫の頭の中には元々『男は外で稼ぎ女は家を守る、仕事をしていれば家事育児は完全免除で、妻はいつでも笑顔で無愛想な夫を立てる』という古き悪しき家庭像があった。

5年かけて私がそのお花畑を焼き払って、夫は『夫婦で稼ぎ、夫婦で家事育児をする』という現代の新しい家族像と向き合わされていた。

そこに、このコロナでめっきり仕事がなくなり、対して私は着実に仕事を重ねており、夫に根付いていた男女のパワーバランスが完全に逆転している状態だ。

それでも、保育園を自主休園していた頃はよかった。

『妻が働く時間を確保するため、夫が育児を担当する』という役割分担が成立していて、夫に存在意義があった。

しかし、保育園が通常登園となると、『妻が稼ぎ、仕事がない夫は家でダラダラして、分担された家事をやり、たまに仕事があった日は偉そうに家事をサボって怒られてしぶしぶやる』という絶望的に情けない現状に追い込まれてしまった。

ここで私が過去の夫のように

「私は仕事してるんだから、家事はそっちが全部やるのが当たり前でしょ!」

などということを言えば、むしろ夫は楽になったかもしれない。

しかし私は、『家事はその家に住む人間の義務であり、稼ぎと天秤にかけるものではない』という考えを持っている。

だから、私だけが外貨を稼いでいても、私がこの家に住んでいる分の家事をやるのは当然のことであり、収入を笠に夫に家事を押し付ける気はさらさらない。


しかし子供達が保育園に行ってしまうと夫の役割が空白になってしまった。

そこは営業しにいくとか、ネットショップをオープンさせるとか、Uber eatsの配達員をするとかいくらでも空白を埋める手段はある。

しかし夫はそれをしない。

自分の労力を割くことはせずに自分の心を守ろうとしている。そのために夫は意図的に元気なく振る舞っているように見える。

「仕事も家事もできない、なぜなら僕は体調が悪いから」

体調が悪いなら病院に行って治療を受けるなりなんなり、現状を打破すればいいのに決してそれをしようとはしない。

「寝ていれば治る」と自分が楽になる免罪符を高く掲げて何もできない可哀想な僕、の世界にひたろうとしている。

現状、コロナで旅行も外食もできない情勢においては私の収入で家庭運営に支障がないので、夫に仕事がないことは大した問題ではない。

しかし夫は元々『男が大黒柱となって家を支える』というイメージを刷り込まれてきている。

仕事がないこと、日中の保育の役割も薄れて、自分の存在意義を失って自信をなくしているのかな、と想像した。

それならば自信回復のために「何をしていなくてもあなたには価値があり、ここにいていいんだよ」というメッセージを送ろうと考えた。

メッセージの意図を込めてマッサージしてみたり、明るく振る舞って話題をふってみても

「僕はいま元気がないモード」

で対応してくる。

「あぁ…(ため息)」「へぇ…(無表情)」

こういう反応は非常に辛気臭く、癪に障る。

自信を取り戻してもらおうと「何をしていなくてもあなたには価値があり、ここにいていいんだよ」と優しくすればするほど、「よーし、優しくしてもらえているぞ〜!元気がないモードが功を奏している!」と勘違いさせてしまう状態に入ってしまった。

そうすると「何をしていなくてもあなたには価値があり、ここにいていいんだよ」という慈悲の気持ちは脆く崩れ去り、「何もしない上にさらに鬱陶しい空気を出してくる人間は悪影響だから目の前から姿を消してくれませんか。」に切り替えられてしまう。

保育園のある平日の家事育児は私1人で事足りてしまうし、収入も私1人で補えてしまう現状でそんな態度をとられると夫の存在意義がないどころか存在自体がマイナスにめり込んでしまう。

困った。

「元気がないモードは迷惑だ」と話してみても病院に行く、仕事を探す、始めるなどの対応がない状態が続けば今後の関係も改めないといけない。

家事をしない、育児の疲労に無理解、という明らかな障壁に対しては改善を求めて元気に戦う気もまだ湧いてくるけど、自信をなくした鬱陶しい空気を溢れさせてくる人間と一緒に過ごすのは不愉快極まりない。

自信がないことを人のせいにして不機嫌をぶつけてくるような人間は受け入れがたい。

私は家族で楽しく暮らしたいだけだから、夫に稼ぎがないとか、本当にどうでもいいというのに。

当時フリーターだった夫と結婚した私が、『ダンナの稼ぎ』をアテにしているはずもないのに。

自分から仕事を切り開く勇気がないなら、収入につながらない自分の趣味でもなんでも打ち込んでくれたらいいのに。

何も出来ていないという自責から逃げ体調不良のフリをしながら、その状況を作り出したことに無関係な私に対してあてつけのように不機嫌な振る舞いをするのはやめて欲しい。

それを伝えるためにまた話し合いを切り出すのか〜と思うとめちゃくちゃ面倒くさい。

けれど、辛気臭い空気を出してくる無愛想な人と朝夕を共にすることの方が耐えがたいので、自分から動くしかないんだ〜〜!

と、うんざりしつつ通常より明るめに普通に接し続けていたら、夫はなんとか自分で機嫌を取り戻しつつある。

私が二日間1人でアレコレ考えたそれは全て杞憂で、夫はただ季節の変わり目で体調を崩していたり、低気圧にやられてしまっていただけなのかもしれない。

調子の悪いときは誰にだってある。

それを『不機嫌な態度』としてその原因を伝えずに家族に態度でアピールするのは甚だ迷惑だから、その話はまた改めて夫に伝えよう。

不機嫌な態度が自覚できていないのなら、指摘されたら素直に認めて改めるようにお願いしよう。

1人の機嫌や態度が、たった4人の家族の空気を悪くする。

(特に親側は子供よりも立場が強いので、なんとか自分の機嫌をとっていきたい。)

これからも、一緒に暮らすパートナーの様子を観察し、自分を鑑みて考えすぎたり様子を伺ったりしながらてきとうに楽しく暮らしていこうと思う。


機嫌のことや夫との関係については色々ブログでも書いています。


人の不機嫌に嫌気さしまくりな私は自覚できる限り「原因を伝えずに不機嫌で相手をコントロールする」という態度はとりたくないと思って気をつけていまする。

「何かあったの?」

「…べつに」

っていう人(夫)まじで存在がめんどくせええ!何で怒ってるんでしょうかゲームで愛を試しても!何も!得られません!嬉しいことは起こりません!私、家族でもなければそんなひとすぐに関わりを絶って存在丸ごと忘れちゃう!!家族であっても注意してもそれを連発するなら家族の関係解消しちゃう〜!

あああーそんなくっっっそ面倒くさいアピールかましてくるような人は私の人生に関わって欲しくないな〜…?

私は全然1人で大丈夫なんで、あなたの機嫌に左右されていちいちビクビクしてくれるような自信がない弱く優しいひとを見つけて骨までしゃぶりあいながら不幸を愛で合う系のライフをお過ごし下さい!!それはそれで愛のかたちだと思うし!

関係解消が難しい、私の可愛い子供たちがそんな相手負担の、正解はナイショで〜すな自分クイズを連発するような見通しのない人間にならないように祈りながら気持ちを言葉で表現することの大切さを伝えていく…!

これ推敲してる間にまた夫不機嫌撒いてきてるから話し合いしないとなぁーーーああ!人間と向き合うのって面倒くさい!!

読んでくださってありがとうございます!