社内勉強会「プロジェクトマネジメントBootcamp」を開催しました
共同代表の竹信(@mizuki_takenobu)です。風音屋(@Kazaneya_PR)では「依頼者の目的に沿ってプロジェクトを定義し、推進するスキル」(Project Skill)を重視しています。
この記事では、メンバーの「Project Skill」向上のために実施した社内勉強会「プロジェクトマネジメントBootcamp」についてご紹介します。
「風音屋が研修やフォローアップ体制をどのように考えているのか」という点をまとめています。主に採用候補者の方に、社内の状況や入社後のイメージを掴んでいただく一助になれば幸いです。
プロフェッショナル・マニフェストと「3つのスキル」
風音屋では、働く上での指針を「プロフェッショナル・マニフェスト」として掲げています。このマニフェストでは、核となる「3つのスキル」とそれらのスキルを伸ばすための「5つのスタンス」をまとめており、採用選考や人事評価にも活用しています。
参考:プロフェッショナルとして活躍するための「3つのスキル」と「5つのスタンス」
プロフェッショナル・マニフェストの「3つのスキル」を獲得する手引きとして、これまで112冊の課題図書の展開や、実践研修「KDEC」の提供を行ってきました。
■ 112冊の課題図書
■ 実践研修「KDEC」の体験記事(データエンジニア版)
課題図書は「自発的に社員が学ぶ時の手引き」として、実践研修は「アウトプットとレビューを通したスキルアップの機会」として、現在もそれぞれ活用されています。
プロジェクトマネジメントBootcampの背景
その一方、メンバーや案件が増えていく中で、「3つのスキル」の一つである「Project Skill」(依頼者の目的に沿ってプロジェクトを定義し、推進するスキル)に関する課題感が高まりました。
メンバーが担当プロジェクトの進め方に迷い、手探り状態になってしまうことがあった
コーポレート部門のように、K-DECの対象ではないメンバーだと、Project Skillに関するスキル向上機会がOJTに限られてしまう
それなりに実務経験を積んだエンジニア職であっても「Project Skillを体系的に学んだことがある」というメンバーは少なかった
Project Skillを伸ばそうとして課題書籍を読んでも、インプットをどうアクションに繋げるといいかイメージしにくい、という相談が寄せられた
Project Skillの向上については、書籍や研修、OJTだけではサポートが不十分だと感じられるようになり、体系的な知識のインストールと実務へのガイドが必要な状況でした。
スキル獲得の一歩目を踏み出せるように重視したこと
上記の課題の解消に向け、以下の3つを意識して、社員(データエンジニア・データアナリスト・コーポレート)を対象に2時間の社内研修を行いました。
基本的な考え方のインストール:「プロジェクトマネジメント」で目指すことを理解いただくこと
アクション可能なHowの提供:今日から簡単に実践できるようにフレームワークを提供すること
ハンズオンでの実践と学びの獲得:実際のプロジェクトを振り返り、フレームワークの使い方を学び、実プロジェクトの課題を見つめる機会を作ること
前提として、Project Skillにおいて重要となる要素は非常に多く、一度の研修で知識を詰め込んでインストールしても「情報を適切に咀嚼できない」「アクションに繋げづらい」と考えました。
逆にアクションだけにフォーカスすると、Project Skillを行動に落とし込む際の考え方やマインドセットが抜け落ちてしまうリスクもあります。
これらの課題を解消すべく、基礎となる「プロジェクトマネジメント」に絞って考え方をインストールし、その上でアクション検討の起点となる「プロジェクト方針・設計」について整理するように案内しました。まずはメンバーがProject Skill獲得の一歩目を踏み出せることを優先しています。
プロジェクトマネジメントの基本的な考え方
プロジェクトマネジメントのエッセンスとして、「特定の期日までに理想の状態(To-Be)が得られているのか」を特に重視してメッセージしました。
プロジェクトマネジメントに関連する書籍を読むと、プロジェクトにおけるQCDS(品質・予算・納期・範囲)の考え方が記載された上で、How(具体的な手段)として「WBS」や「ガントチャート」がよくあがります。
これらの手段はタスクの洗い出しや状況の可視化にとって非常に有用であるものの、前提となるマインドセットが身についていなければ、手段が先行して目的が置き去りになったタスク一覧が出来上がってしまうなどのリスクもあります。
風音屋では、主体的にプロジェクトをリードいただくプロフェッショナルになっていただくためにも、プロジェクトの目的と達成状態に目を向けていただきたいと考えています。
そのために、本研修では「プロジェクトそのものの捉え方」や、「プロジェクトマネジメントにおいて抜けがちなアクション」について共有しました。
プロジェクト方針・設計の議論・学習ツールとしての”Design Doc”
加えて本研修では、プロジェクトを実際にマネジメントしていく上での手段の一つとして、”Design Doc”を紹介しています。
Design Docは、主にWEB業界でソフトウェアの実装前に書かれるドキュメントのことです。従来のシステム開発で作成される「プロジェクト計画書」「要件定義書」「システム設計書」やコンサルティング業界の「ワークプラン」に相当し、プロジェクト開始時に全体像を設計するためのものです。
実際の書き方は様々ありますが、WBSやガントチャートとの最大の違いとして、以下の特徴があります。
「どんな背景・制約条件から」「何をどのような方針で実装するか」に焦点を当てられる
タスクとその期日だけにフォーカスが当たるのではなく、「どんな背景から、どんな方針で、どのようなタスクが生まれるのか」が明確になる
チームメンバーを巻き込んで「背景を共有する」「プロジェクト方針について議論する」といったコミュニケーションができる
状況を可視化してタスクを前に進めるのではなく、プロジェクトの趣旨を理解し、想定タスクをすり合わせ、議論・合意・学習できるようになる
目先の業務に集中しているとタスクの対応に意識が持っていかれがちですが、改めてゴールと向き合いタスクの背景を正しく理解できるようにすることで、より主体的なプロジェクト遂行ができるマインドセットの獲得を目指しています。
今回の研修では、ハンズオンでのDesign Doc作成も行いました。具体的なフォーマットを提供して各メンバーのプロジェクトについて記載いただき、「プロジェクトの目的・ゴールの何を理解できている / できていないかの確認」「プロジェクト課題を考える機会の創出」の二つを行いました。
研修を経た社員たちの感想
研修実施後に少し期間を空けてからアンケートを集めたところ、参加メンバーからは以下のような声をいただきました。
初回の取り組みということもあり、ブラッシュアップの余地はありますが、「基本的な考え方のインストール」と「ハンズオン形式の実践」という形式はメンバーからポジティブに受け入れられました。
今後の研修においても、座学だけではなく、具体的なアクションにつながるように、実践的な要素を組み込んでトレーニングを検討していきたいと思います。
今後の展望
今回はProject Skillの基本として「プロジェクトマネジメント」の考え方のインストール、事前準備・振り返りとしての「Design Doc」の活用を行いましたが、
さらなるProject Skill獲得に向けた実践的なナレッジの共有
他のスキルやマインドセットの獲得
に関しても社内研修を拡大していきたいと考えています。
他方で、現状、共同代表2名が多数の業務を抱えながら、社内研修の企画・運営がなされてしまっており、思うようにスキル向上のサポートを充実させることができていない実情もあります。今後は、経営陣が社内研修拡大のボトルネックにならないように、専任の人事担当やエンジニアリングマネージャーを採用するといった活動も並行して進めていきたいと考えております。
おわりに
この記事では、スキルの一つとして紹介されている「Project Skill」に関して、風音屋で実際に行われた研修についてご紹介してきました。特に入社を検討されている方には「風音屋が研修やフォローアップ体制をどのように考えているのか」を知っていただき、入社後のイメージを掴んでいただく一助になれば幸いです。
風音屋は「3つのスキル」と「5つのスタンス」を身につけられる環境を目指しています。もしこの記事を読んで、
風音屋で、プロフェッショナルなデータエンジニア・データアナリスト・コンサルタントを目指したい。
風音屋で、プロフェッショナルな人材を採用し、育てていく仕組みを作ってみたい。人事担当やエンジニアリングマネージャーとして活躍したい。
という方は、ぜひカジュアル面談をご検討ください。
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