データ人材としてのキャリア像が見つかる? 風音屋の実践課題「K-DEC」の振り返り
こんにちは。風音屋データエンジニアの妹尾です。この記事では、風音屋の入社後の研修課題であるK-DECについて、私自身が取り組んだ経験を基に振り返りながらご紹介いたします。
想定読者
風音屋の採用候補者の方
データ領域の人材で自分のキャリアに不安や悩みのある方
研修でどんなことをするのか、何を学べるのかイメージをつけていただければ幸いです。
K-DECは、実務を想定した課題でデータ領域を体系的に学べる内容なので、データ領域の人材として自分の目指すべき姿を見つけるヒントがたくさん詰まっています。自分のキャリアに不安や悩みのある方は、ぜひご一読いただいて、興味を持っていただけたらカジュアル面談へご応募いただけると嬉しいです。
K-DECについて
まず、風音屋におけるK-DECの位置付けが、現在と私が取り組んだ時点とで違いがありますので、その補足説明をさせていただきます(詳しくはこちら)。
現在:入社後の研修課題になっている。
当時:データ領域におけるプロフェッショナル人材の育成を目的とした、MENTA講座の題材として採用されていた。
上記のような背景があるので、まずはK-DECを受講した経緯について記載させていただきます。
受講目的
前職でもデータエンジニアとして働いており、以下のような問題意識がありました。
データソースの取り込みやデータパイプラインのインフラ整備が主たる業務で、データのユーザーについての理解が足りず、データパイプラインのどのレイヤーでどういったデータを用意しているとユーザーにとって使い勝手がいいのかわからない。
データマネジメントに関する組織的な課題をどのように解決できるのかわからない。データ活用によって改善できるビジネスプロセスや、どういったデータがどこで発生して誰がどのように利用しているのかの見つけ方の確立された手法が知りたい。
個人的なスキルアップと自分の勤めていた組織の課題解決の糸口を求めて受講に至りました。
K-DEC課題内容の説明
演習課題:ETL→DWH(SQL)→BIのデータパイプライン構築を行う課題です。データエンジニアリングの基礎的なスキルが問われます。
ケース面談:顧客のビジネス理解から、適切なデータアーキテクチャについて考える課題です。ビジネスモデル、ビジネスプロセス、データの出口と入口を確認し、どういったデータをどういった成果を期待してモニタリングし、どういった行動を起こすのかについて考えます。また、そういったプロセスを支えるための運用保守やシステム構成についても考えます。
インタビュー:これまでの自分の成果や業務への取り組みをSTAR形式で振り返る課題です。仕事をする上で心がけていることや工夫について確認します。
課題を通して学んだこと
受講目的の達成状況については以下です。
演習課題を通して、ユーザーへの理解は深まったと思います。自分でダッシュボードのクエリの作成やデザインをするので、前処理をどういうプロセスで行うべきかなど、データモデリングについて具体的に学ぶきっかけになり、データエンジニアとしての業務をより工夫してできるようになりました。
ケース面談を通して、組織的な課題に対する問題解決のアプローチ方法がわかるようになりました。データマネジメントに関する課題解決は、技術的な専門知識があるだけでは成し得ません。ステークホルダーへの配慮や、プロジェクト推進の方法含め、ビジネスにおいてデータ活用を適切に進める方法を学ぶことができました。
その他、上記と重複するところもありますが、課題ごとに学んだことや感想を簡単にまとめました。
演習課題
ユーザーへの理解が深まったことにより、データエンジニアとして日々の業務で心がけるべきことについて掴むことができました。一般的なパイプラインの処理順序を、クエリのwith句で再現していれば、ダッシュボードのクエリの共通ロジックをViewとして切り出すタイミングで、大きなクエリの変更なく対応できるということにも気づけましたし、そもそもクエリが読みにくいと何をするにも困るので、可読性に対する意識はすごく高まりました。
データパイプラインの全体像を掴むことができたので、データ基盤構築における力の入れどころがわかるようになりました。データパイプラインの設計にはいくつかフェーズがあると思います。共通のロジックなどが見えてきたタイミングで中間テーブルを作成するなど、最適化のタイミングや方法が見えたので、「今はこれはしなくてもいい。」という判断ができるようになりました。その余裕ができたことで、他の部分の設計をこだわってできるようになりました。
私は以下のようなシステム構成で、データ基盤を構築しました。使ったことはないけど使ってみたいツールを使用できるいい機会だと思います。私の場合、Step Functionsを今回初めて使用しましたが、GUIの操作で簡単にベースとなるワークフローを組めたのが衝撃的でした。Step Functionsを利用することで各ステップの実行ステータスによって、通知メールの内容を変更できるよう実装したあたりは工夫した点かなと思っています。
ケース面談
データ領域の人材としてシニアレベルで求められるスキルがわかるようになりました。自分の目指すべき道が見えたという点でこの課題に取り組めたことは非常によかったです。
ビジネスにおけるデータ活用の進め方がかなり具体的にわかるようになりました。実務を想定した課題なので、「こういう提案は通りにくい」など、かなりリアリティのあるレビューがもらえたりして面白かったです。
インタビュー
自分の業務がビジネスにどういったインパクトを与えるのかについて意識することの重要性を再確認できました。自分の日々の仕事に対する姿勢を見直すという意味でも非常に有意義な課題でした。
課題図書
また、上記3つの課題とは別に課題図書も用意されており、講座の中で詰まるところがあれば、おすすめの本を案内してもらっていました。私の読んだものから3冊ピックアップして、ご紹介いたします。
Data Management Guide - 事業成長を支えるデータ基盤のDev&Ops #TechMar / 20211210 - Speaker Deck
弊社社長がビジネスにおいてデータ活用を進めるためのノウハウをまとめたSpeaker Deckの資料です。データ領域に関する知識を一通り抑えることができます。私は「演習課題」に取り組んでいる時に読みました。
データ活用を考える際、組織がどういった課題を抱えているのか。その組織の中でどのようなデータがどこで発生しているのかを抑える必要があります。それを理解するための助けになる本です。私は「ケース面談」に取り組んでいる時に読みましたが、出題の意図が掴みやすくなりました。
就職活動における面接の攻略ガイドの本です。STARメソッドについて理解する上で助けになります。「インタビュー」前に読みました。
データ人材としてのキャリア像
全ての課題に共通して言えることですが、データ領域に限らず、ビジネスパーソンとしてどんな場所でも成果を出すために必要な基礎的なビジネススキルや心構えを教えてもらったと思っています。
また、データエンジニアリングにおいても自分の興味のある領域も見つけることができたので、自分がどういった強みを持つ人材になりたいかも見えるようになりました。
私の場合は、K-DECを通してデータモデリングの面白さや重要性を強く感じたので、分析者が利用しやすいデータ構成で基盤構築ができるデータエンジニアになりたいと思うようになりました。
最後に
前述の通り、現在、K-DECは風音屋入社後の研修課題になっております。
以前の私と同じ問題意識を抱えている方や、K-DECの課題内容に興味を持たれた方、データ領域でプロフェッショナルな人材になりたいという方は、まずはカジュアル面談からでもお申し込みをご検討ください。
風音屋は、業界を代表するアドバイザーが多数在籍されていたり、かなり幅広い種類の案件があったり、もちろんたくさんのレビューがもらえる、成長するにはこれ以上ない環境だと思います。
風音屋の業務は、データ領域全般にわたるので、他社では積めない経験をたくさん得ることができると思います。また、風音屋はまだまだ小さい会社なので、社員一人一人の声が経営メンバーに直接届きます(記事投稿時点では、週に一回、代表との1on1があるのでめちゃくちゃ届きます)。
自分で会社を変えていきやすい面白いフェーズにある会社だと思います。
風音屋に入社して、今の風音屋でしかできない経験を積み、一緒に成長していきましょう!カジュアル面談や採用のエントリーは以下からお願いいたします!