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風音屋の選考フローを3ヶ月から3週間に短縮しました

風音屋(@kazaneya_PR)のゆずたそ(@yuzutas0)です。当社の選考フローにおける所要時間を「約3ヶ月」から「約3週間」に短縮しました。このエントリーでは、これまでの紆余曲折を振り返り、現在どのような選考スタイルを行っているのかをご紹介します。


■ 採用ページ

https://kazaneya.com/recruit

■ サマリー

従来の選考フローでは、主にシニア枠の採用を想定していました。ジュニア枠の採用候補者はSlackにゲスト招待し、3ヶ月かけてシニア向けの課題を解いていただきました。社員にアドバイスやレビューを受けながらスキルを伸ばし、その過程でお互いのカルチャーマッチを見極めて入社を決めていただく、という形式でした。内定が出るまで3ヶ月かかる点がネックでした。

新しい選考フローでは、ジュニア枠に完全対応しています。入社後に3ヶ月の研修を行い、中級者レベルへとスキルアップできるようにサポートします。カルチャーマッチを先に確認できていれば、研修課題とレビュー体制は充実しているので、3ヶ月の研修を通して十分スキルアップできるだろうと判断しました。

新しい選考フローに切り替えたばかりですが、つい先日、早くも1人目の内定承諾が出ました。入社前にも関わらず、既に課題図書を読み漁っています。こういう前のめりな学習スタンスだと「風音屋にカルチャーマッチしているなぁ」と思いますし、研修やOJTを通してさらに成長していただけるだろうと期待しています。

ということで、シニア・ジュニアを問わずに歓迎しておりますので、よかったらぜひ風音屋に応募してみてください。

■ 選考フローの推移

風音屋の選考フローは、v1.x時代、v2.x時代、v3.x時代という3つの時代を経てきました。v2からv3に切り替えたことで「約3週間」に短縮したのが最近のアップデートです。順を追って説明します。

■ v1.0:シニア想定の採用課題

最初に、シニア枠(即戦力)向けの選考フローを作りました。これをv1と呼びましょう。v1では「K-DEC」という採用課題をお渡ししています。

K-DECはグローバル企業(特にGoogleやAmazonなどのBigTech)の選考プロセスを参考にしており

①演習課題:Coding Interview
②ケース面談:System Design Interview
③インタビュー:Behavioral Question Interview

という3つのステップで選考を行います。

■ v1.1:ジュニア枠への対応

シニア枠の採用に特化したため、v1.0時代は「ジュニア枠からの応募に対応できない」という課題がありました。実際、一緒に働く仲間に対して「一定水準のスキルを持っていてほしい」「お互いに尊敬しあえる関係性を築きたい」という気持ちもありました。そこでK-DECを「腕試し」「スキルアップの場」として宣伝するようにメッセージを切り替えました。

方針転換の結果、ジュニア枠の方々にも挑戦いただけるようになりました。「無料で挑戦できる」「無料でアドバイスが受けられる」ということで、応募してくれる人が一気に増えました。

■ v1.x時代のメリット、デメリット

よかったこととしては、ジュニア枠でも一緒に働きたいと思える人と出会うことができました。複数名に内定を出せました。また、沢山の回答例やフィードバックが集まって「K-DEC」をブラッシュアップできました。

v1.1のタイミングで入社してくれたジュニアメンバーからは「選考課題で充実したフィードバックをもらえたのが嬉しかった」「前職にはデータを扱う専門職が自分1人しかいなかったので業務内容について深く会話できるのが楽しかった」と伺っています。こうした意見を踏まえて、この路線を突き詰めることにしました。

一方で、デメリットとしては以下の点が挙げられます。

  • カジュアルに応募できるがゆえに、カジュアルに離脱する人が多かった。

  • レビュアーや事務作業の負担が増えてしまった。

  • 対象人数が多いと1人あたりのサポートやレビューが浅くなってしまった。

徐々に運用が苦しくなったため、メリットを活かしつつ、デメリットを補える手を講じました。

■ v2.0:MENTAでの講座提供

v1.x時代のデメリットを解消すべく「身銭を切ってでも成長する意欲がある人」に対象を絞りました。具体的には、MENTAというオンライン教育サービスにて、有料講座を提供することにしました。そして「こちらも身銭を切って成長を支援する」というスタンスを明確にしました。

選考課題自体はv1.1時代と同じです。調べたりアドバイスを受けながら、シニア向けの選考課題「K-DEC」に挑戦していただきました。シニアと同じ目線で成果物を作ってみることが、キャリアアップへの第一歩だと考えています。

また、対象を広げるために「WEBマーケティングを担当していた人がデータアナリストを目指す」「インフラエンジニアがデータエンジニアを目指す」といった形で、周辺職種からのシフトについても積極的に支援しました。SQLの書き方から案内したケースもありました。

・選考フェーズ(MENTA講座)で会社のSlackにゲストとして招待する。
・社員からアドバイスやレビューを受けて、課題の回答をブラッシュアップしていただく。
・その過程でお互いのカルチャーマッチを見極め、入社を決めていただく。

という選考プロセスです。

■ v2.1:キャリアパスの整備

社内外から様々なフィードバックをいただき、ジュニアメンバーがステップアップしていく一連の流れを明示することにしました。選考フローに閉じずに「ジュニア枠」にどのような成長の機会を提供できるかを考えました。

MENTA講座は、入社前(選考フェーズ)のいわば登竜門という形と位置づけています。MENTAの3ヶ月で完結するものではなく、入社後にも成長ステップがあるということを伝えていました。

■v2時代のメリット、デメリット

v2時代のメリットとしては以下の通りです。

採用候補者のその時点での実力、職種、給与水準にとらわれずに、ポテンシャルに注目することができました。K-DECに本気で打ち込めば、3か月前とは見違えるように成長しています。採用をする側の視点では「優秀な人材を見逃さずに済む」というメリットがありました。候補者の視点では「スキル不足や経験不足で落とされずに済む」というメリットがありました。

また、カルチャーフィットを見極めることができました。3ヶ月をかけてお互いに仕事の進め方やコミュニケーションの仕方を理解している状態で入社いただくので、入社後の立ち上がりがスムーズだと感じています。採用をする側の視点でも、入社する側の視点でも、大きなメリットだと言えるでしょう。

一方で、v2時代のデメリットは以下の通りです。

採用候補者の視点では「ハードルが高い」という致命的なデメリットがありました。転職活動として捉えたときに「3ヶ月の有償講座を受けなければならない」というのは、あまり現実的ではありません。最終的にカルチャー面でアンマッチだった場合、お断りするのは大変心苦しかったです。

また、候補者が課題を通してスキルアップした結果、在籍中の企業で一段上の活躍ができるようになったり、他の転職先候補から評価されて残留されるなど、風音屋の採用に繋がらないケースも出てきました。候補者の方の成長に繋がるのは喜ばしい反面、採用をする側の視点では課題が残りました。

■ v3:選考フローとスキルアップ研修を分離

上記を踏まえて、選考フローは一般的な日本企業のものへと切り替えました。書類選考、WEBテスト、技術課題、面接2回を経て、最後にオファー面談となります。より多くのジュニア枠が選考を受けやすくなりました。

この方法だと、v2と違って「完全な未経験者にSQLを教えるところから始める」「選考プロセスを通してスキルアップを支援する」といったことはできなくなりました。ジュニア枠とは言えど、ある程度は自学自習している前提での採用となります。

当初の選考課題「K-DEC」は、v3では入社後の研修と位置付けました。これまでの取り組みを通して、累計100名にK-DECを提供してきました。その経験から、風音屋にカルチャーフィットするような人材であれば、K-DECを経て急成長することは可能だと考えました。入社前(選考フェーズ)ではなく入社後(研修)に受講する形でも問題ないだろうという判断です。

■ 新選考フローでの1人目の内定承諾

新しい選考フローに切り替えたばかりですが、つい先日、早くも1人目の内定承諾が出ました。

その方は、まだ入社前にも関わらず、既に課題図書を読み漁ってくれています。カジュアル面談で社内の課題図書リストを紹介したのが印象に残っていたとのことです。こういう前のめりな学習スタンスだと「風音屋にカルチャーマッチしているなぁ」と思いますし、研修やOJTを通してさらに成長していただけるだろうと期待しています。

■ 内定までのタイムライン

新選考フローで1人目にオファー承諾をいただたときのタイムラインは以下となります。

<1週目>

【1日目】候補者:カジュアル面談の申し込み
【4日目】双方 :カジュアル面談を実施

【6日目】候補者:本応募
【6日目】風音屋:選考の流れを案内
【6日目】候補者:書類提出
【6日目】候補者:WEBテスト受験
【7日目】候補者:技術課題に着手(主に土日+平日朝で挑戦していたそうです)

<2週目>

【11日目】候補者:技術課題を提出
【12日目】双方 :1次面接
【13日目】双方 :2次面接

<3週目>

〜ゆずたそがスケジュール調整に苦戦〜

<4週目>

〜ゆずたそがスケジュール調整に苦戦〜

【28日目】双方 :15分のオファー面談を実施
【28日目】風音屋:仮オファーを先行提示

<5週目>

〜ゆずたそがスケジュール調整に苦戦〜

【35日目】風音屋:正式オファーを提示
【35日目】候補者:メールにて承諾の意思表示

<完了>

以上がオファー承諾までの実際のタイムラインです。

スケジュール調整期間を除けば、実質的には約2〜3週間ほどでオファー承諾まで進めることができました。今後はオペレーションを磨き込み、よりQuickな採用体験を実現できればと思います。

■ We're Hiring

ということで、シニア・ジュニアを問わず、データ領域を中心に各ポジションを絶賛採用中です。まだ至らない点も多々ありますが、選考フローをはじめとした社内の各オペレーションを今後も改善していきますので、どうぞよろしくお願いします。

https://kazaneya.com/recruit


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