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出水市米ノ津東地区コミュニティ協議会×NPO法人頴娃おこそ会 加藤潤さん|3回目

2023年1月20日に出水市 米ノ津東地区コミュニティ協議会にて、NPO法人頴娃おこそ会の加藤 潤さんによる空き家活用に関する事例共有と、アドバイスによる支援が行われました。

こちらは、鹿児島県の令和4年度 地域資源活用・協働促進事業「地域連携アドバイザーの派遣」を活用して行われた企画です。

(1〜2回目の様子はこちらから▼)


▽アドバイザー派遣 1〜2回目のふりかえり

11月から始まったアドバイザー派遣も、いよいよ最終回。

これまでアドバイザーの加藤さんとともに、空き家再生に向けて物件の現地調査を行い、再生に関わる具体的な方法について学んできました。

<1回目>
・周辺地域のまち歩きを実施
・再生可能性のある空き家5軒を調査
・最後に見た5軒目をリノベーションの候補として選定

<2回目>
・求める移住者像について具体性を高める話し合い
・関係者同士の意見交換とアイデア共有
・空き家再生の具体的な方法について加藤さんから共有

▽リノベーション予定の空き家を本格調査

3回目のアドバイザー派遣は、リノベーション予定の物件を本格的に調査する時間となりました。

以前は外観や内装の確認といった簡単な調査を行いましたが、今回は床板や天井裏などの確認を行い、物件の状態を詳しく見ていきます。

物件の場所は、コミュニティ協議会の事務所から徒歩5分ほど。
現場に到着早々、天井裏の確認のためにハシゴを降ろす加藤さん。

現地調査には、これまでアドバイザー派遣に参加した地元の方々も同行しました。

▽床板〜床下の確認

早速畳をはがして、床板の確認をしていきます。

空き家再生に馴染みがない人の中には、「床板の確認」と聞くと大掛かりな調査をイメージされる方もいますが、畳をはがすのは意外と難しくありません。

古民家の場合、畳をめくってみたらシロアリにやられていた……木材がスカスカだった……という自体も往々にしてありますが、こちらの物件ではきれいな床板を確認することができました。

ライトで照らしながら、床下も確認。「乾いていてきれいだよ」という声があがっていました。

湿度が高すぎると、シロアリの住処になっていることもあります。パッと見たけではわかりづらい部分なので、物件契約前には要確認です。

せっかくの調査ということで構造を知るために、一ヶ所床板をはがしてみることに。

きれいな木材を割らないように、バールを使って慎重にはがしていきました。

床板を支える木材にも傷みは見られません。

リノベーションとしては、畳からフローリングに変える際に、寒さ対策として断熱材を入れるなどが想定されます。

インパクトドライバーで固定して、床板は元通り。畳の下の様子が良好だったことで、大家さんもホッとしている様子でした。

▽天井裏の確認

続いて、天井裏の確認です。床板と同様に、湿度が高いとシロアリの住処になっていることも。

また、空き家になっていた期間が長い場合、ネズミやハクビシンといった動物の住処になっている場合もあります。

天井裏への点検口は、押入れの上などに用意されていることが多いので、よく探してみてください。

ハシゴを使って登ってみると、床下同様にきれいな状態が広がっていました。加藤さんからも「埃もひどくないし、問題ないね」という評価。

「せっかくなので登れる人はどうぞ」と誘導し、数人が天井裏にあがる中で「ここには足を置かないでね」と天井裏の歩き方も習うことができました。

天井裏にあがれなかったメンバーには、スマートフォンで動画を共有。

動画を見た地元の方々からも「きれいだね」という声があがっていました。

床下と同じようにリノベーションとしては、寒さ対策として断熱材を入れるなどが想定されます。

古民家を店舗として活用する場合は、景観を優先して天井裏を取り除く事例もありますが、住居として利用する場合は冷暖房が効きにくくなってしまうので、残しておく方が無難なようです。

その他の調査としては、屋根の状態や水道設備などを確認しました。

水道に関しては、水漏れが確認されたものの、特に深刻な状態ではないようで、リノベーションを機に修理することになりそうです。

▽間取りの構想

一通り調査が終わった後は、今後の改修に向けて間取りの構想を練っていきます。

出水市の地域おこし協力隊で、リノベーションの経験が豊富な山川さんが中心となってアイデアを広げていきました。

そうして、コミュニティ協議会の事務所に戻った後は、山川さんの手書きした間取り図を元に、アイデアを具体化していきます。

協議会としては、「シェアハウスまたは、体験宿泊とコミュニティ交流が可能な施設を目指す」という方向性で、それぞれの理想を出しあいました。

最終的な結論としては固まらなかったものの、図面を前にすることでイメージが湧きやすくなったようで、リノベーション実現に向けた具体的なアイデアがたくさん共有される時間となりました。

米ノ津東地区コミュニティ協議会では、これから実際にリノベーションを行っていく予定です。

アドバイザーの派遣事業としては今回で終了となりますが、今後はコミュニティ大工としての加藤さんに依頼する形で計画を進めていくようです。

引き続き、米ノ津東地区の空き家再生活動への応援をよろしくお願いします。

▽関連リンク


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本企画は、鹿児島県の「地域課題の解決のために、新しく活動をはじめたい人」「現在取り組んでいる活動を、もっと前に進めたい人」を支援する令和4年度 地域資源活用・協働促進事業 地域連携アドバイザーの派遣を活用して行われました。

(下記は、7月に行われたキックオフシンポジウムの開催レポートです)


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