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出水市米ノ津東地区コミュニティ協議会×NPO法人頴娃おこそ会 加藤潤さん|1回目

2022年11月18日に、出水市にある米ノ津東地区コミュニティ協議会に、NPO法人頴娃おこそ会の加藤 潤さんが訪れ、再生可能性のある空き家の視察とまち歩きが行われました。

<加藤さんプロフィール>
埼玉県出身。2010年に南九州市頴娃(えい)町へIターン移住し、弟とともに観光養殖場「タツノオトシゴハウス」を立ち上げる。

その後、NPO法人頴娃おこそ会の観光プロジェクトリーダーとして、観光地ではなかった頴娃町を地域ぐるみで観光地に成⻑させる。

石垣商店街を中心に、6年間で11軒の空き家を交流拠点や宿に再生し、交流人口や移住者を呼び込む。2021年からは“コミュニティ大工”を名乗り、県内各地で空き家再生のハードからソフトまでを担う。

こちらは、鹿児島県の令和4年度 地域資源活用・協働促進事業「地域連携アドバイザーの派遣」を活用して行われた企画です。

▽アドバイザー派遣活用の背景

米ノ津東地区コミュニティ協議会では、2020年に空き家対策プロジェクトを立ち上げ、市内の空き家に関する制度の勉強会や現地調査、地元住民へのチラシ配布による周知活動などを行ってきました。

空き家は多いものの、物件改修のための資金繰りやオーナーとの関係性づくりで課題を感じ、南九州市頴娃町で11軒の空き家の再生実績がある加藤さんにアドバイスを求めることになりました。

▽再生可能性のある空き家の現地調査とまち歩きの様子

現地調査とまち歩きには、地元メンバーを中心に10名ほどが参加。

現地へと足を運ぶ前に、まずはプロジェクトリーダーの岩橋さんより、当日の流れの説明がありました。

次は、コミュニティ協議会 会長の井脇さんよりご挨拶です。

参加者も1人ずつ簡単な自己紹介を行いました。

▽空き家対策プロジェクトの活動をふりかえる

資料を元に、2020年に立ち上がった空き家対策プロジェクトの活動をふりかえる時間を取りました。

米ノ津東地区では2020年7月頃から、講演会への参加やプロジェクト会議を通して空き家対策への知見を深めたり、チラシや町内放送で住民に活動を働きかけるなど様々な活動を行ってきました。

2021年6月には、県の地域貢献活動応援プロジェクトに選ばれて寄付を募るものの、目標達成には至らず終了。

「地域をなんとかしたい」という思いはあるものの、中々具体的な成果につながらない時間を過ごしていました。

<地域貢献活動応援プロジェクトとは?>
「ふるさと納税」を活用した寄附を通じて,NPO法人等の地域貢献活動を応援し,その活動を活性化するとともに,「関係人口」の創出を図る取り組みのこと。

鹿児島県のサイトより

▽空き家の調査と、まち歩きへ

ふりかえりの後は、加藤さんと一緒に地域の空き家を巡るまち歩きを実施。
米ノ津東地区を離れ、切通(きずし)自治公民館へ移動しました。

切通では地域の小学校が特認校に指定されていることから、「小学生の子育て世帯に移住してほしい」という思いがあります。

<特認校とは?>
正式には「出水市小規模校入学特別認可制度」
出水市では、小規模校のよさを生かし、小規模校と地域の活性化を図るために、出水市小規模校入学特別認可制度(特認校制度)を実施しています。
特認校制度は、一定の要件を満たしていれば、教育委員会が特認校として指定した学校に、通学区域を変更して、特別に入学(転学)することができる制度です。

出水市のサイトより

地域の方から抱えている問題や現在の状況を伺う中で、加藤さんからは、「学校を存続させるために移住しよう、という人はいない。移住する人は何かしら地域に魅力を感じて移り住んで来るはず」といった移住者目線のアドバイスがありました。

そうして、1軒目の空き家を見学。
2棟がつながったような大きな家で、敷地内には大家さんが住んでいるとのこと。以前は、切通小学校の校長先生が住んでいました。

2軒目も大きめの住宅で、年に数回大家さんが管理に足を運んでいるとのことでした。

3軒目は広々とした庭が付いていて、比較的新しい住宅。即日入居も可能な物件とのことで、大家さんとも実際にお話しすることができました。

4軒目は周囲を雑草が覆っているものの、建物自体はきれいな様子。庭や周辺の管理は、自治体の有志メンバーを中心に行っています。

加藤さんは「屋根も歪んでないし外観はきれいだから、使えると思う」と話していました。

最後の5軒目は、米ノ津東地区にある物件で、こちらは内覧することができました。

コミュニティ協議会のメンバーが所有する住宅で、リノベーションも可能。広すぎず、狭すぎずといった広さで、住みやすそうな印象を受けました。

▽感想共有と加藤さんからのアドバイス

物件を見終わったところで、再びコミュニティ協議会の事務所に戻り、それぞれの感想を共有しました。

<参加者の感想>
・プレイヤー(地域で活動する人)が見えれば、空き家改修にも着手しやすくなりそう
・すぐ住める家もあったけど、みんなでつくっていく楽しみもある
・空き物件がこんなにあることに驚いた。若い人にはこの情報は届いていないかも
・空き家の庭を使ったイベントなど、小さなことから始められたら良いな
・今日見た物件は、前向きなオーナーが多かった
・全ての空き家を再生するのではなく、対象を絞って対応していった方が良さそう

加藤さんからは、「どんな地域にしたいか? どんな人に来て欲しいか? によって改修方法が変わってくる」と、目の前の課題を短期的な目線で捉えるのではなく、地域で暮らす人々や移住者を含めた長期的な視点で捉えることの重要性が語られました。

その他、地域の情報を外に発信するための方法やそれぞれが考えていることなど、様々な意見が交わされました。

米ノ津東地区コミュニティ協議会へのアドバイザー派遣は、11月から来年2月にかけて、3回実施される予定です。

こちらのnoteでも引き続きレポートしていきますので、地域づくりに興味のある方や地域おこし協力隊の方など、ぜひご覧ください。

▽関連リンク


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本企画は、鹿児島県の「地域課題の解決のために、新しく活動をはじめたい人」「現在取り組んでいる活動を、もっと前に進めたい人」を支援する令和4年度 地域資源活用・協働促進事業 地域連携アドバイザーの派遣を活用して行われました。

(下記は、7月に行われたキックオフシンポジウムの開催レポートです)

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