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和田地区公民館×E’more(いもーれ)秋名 村上裕希さん|1回目

2022年11月11日に、日置市吹上町にある和田地区公民館で、
和田地区の資源を活かそう未来会議が開催されました。

こちらは、鹿児島県の令和4年度 地域資源活用・協働促進事業「地域連携アドバイザーの派遣」を活用して行われた企画です。

アドバイザーとして、一般社団法人 E’more(いもーれ)秋名 代表理事の村上裕希さんが和田地区公民館を訪れました。

<村上さんプロフィール>
奄美大島 龍郷町の地域おこし協力隊として、2016年に秋名集落に移住。地域住⺠と共に「50年後も子供達が住みたいと思うシマ(集落)であって欲しい」を合言葉に、一般社団法人「Eʼmore(いもーれ)秋名」を設⽴。

空き家を活用した一棟貸しの宿や町⽴の飲食宿泊交流拠点「荒波のやどり」の指定管理業者として地域主体の”暮らしを伝える”体験型観光を展開。

旬の食材を生かした地元主婦が作る家庭料理「おっかんの旬替わり定食」が看板メニュー。2021年1月には,同施設内で町の空家バンク/移住ガイドセンターをオープン。地域おこし協力隊が相談員となり、センター及び隊員の活動支援を行なっている。

▽アドバイザー派遣活用の背景

和田地区公民館では約8年間、過疎化が進む町に歯止めをかけるために、人口減少対策、定住促進対策を進めてきました。

その結果、2021年に4世帯の移住があり、地元小学校に6名の新一年生が入学。2022年には移住者が地元の古民家を購入するなど、様々な効果が出ています。

こうした取り組みが実を結ぶ一方で、次のような課題も感じていました。

<地域が抱えている課題>
・地域住民の高齢化
・空き家/空き地の増加
・魅力ある地域にもかかわらず、魅力が地域内に伝わっていない
・地元団体/住民と移住者とのコミュニケーション不足 など

これらの課題解決や和田地区の活性化につなげていきたいという思いから、奄美大島 龍郷町で地域活性化の経験と実績を持つ村上さんに、アドバイザーとして関わってもらうことになりました。

アドバイザー派遣後の展望としては、以下のような内容を描いています。

<アドバイザー派遣後の展望>
・和田地区に暮らす人が、和気あいあいとした雰囲気で意見交換ができる場所の構築
・組織づくりや空き家改修を通じた地域内外への発信
・地元有志による法人組織の立ち上げ
・補助金や助成金に頼らない地域活性化事業の開発

▽和田地区の資源を活かそう未来会議の様子

和田地区の資源を活かそう未来会議には、地元の方々を中心に30名ほどが参加しました。

まずは、司会を務める地頭所さんの挨拶から。

続いて、公民館長の山之内さんです。

▽事業の紹介と趣旨説明

未来会議の趣旨説明では、本事業を担当している鹿児島県共生・恊働センターの谷本課長から、挨拶と事業の紹介がありました。

そして、未来会議の発起人である黒木さんから、趣旨や目指す未来像について。

黒木さんは、和田地区の里山の風景に惹かれ、2022年6月に地元の古民家を購入。DIYを中心としたリノベーションを行い、地域の人たちとふれあう場の創出や空き家再生に取り組んでいます。

黒木さんからは「和田地区を日置市全体、鹿児島全体。ゆくゆくは、日本全体から注目されるような地域にしていきたいと思っています」と地域への思いが語られました。

▽村上さんによる講話

会場全体に会の目的が共有された後は、村上さんの講話に移っていきます。

講話では、村上さんの経歴や奄美大島に移住したきっかけ。
地域おこし協力隊時代の活動や、どんな風に龍郷町秋名でプロジェクトを生み出していったか……など、地域活性化の実体験をお聞きしました。

<講話の中から、一部紹介>
・地元有志と協力して法人を作ろうと動いたものの、賛同者は少なかった。「法人化で誰が喜ぶのか?」「目的は何か?」といった問いを繰り返し、話し合いを重ね、約3年かけて一般社団法人 E’more(いもーれ)秋名を設立した。

・島の飲食店がコロナ禍でオープンとなり、外向けの発信を予定していたが、内向け(地元向け)の情報発信に切り替えた。結果的に島内の認知度を高めることにつながり、応援してくれる人が増えた。

・メニューの価格設定について、料理を提供してくれる地元のお母さん達と村上さんで差があったが、「家庭料理だからと価格を抑えるのではなく、島外のお客さんへの提供を見据え、料理の価値も考慮して判断する必要がある」と考えた村上さんは、島のお母さん達に「試しに1年だけ、この価格でやって欲しい」とお願いした。
お客さんの反応によってお母さん達も自信がついたようで、今は適正価格だと思ってくれているよう。

▽参加者から質疑応答

講話後は、参加者から質疑応答を受け付けました。

Q:和田地区の場合は、奄美大島や龍郷町と比べると観光資源が少ないように感じる。和田地区にポテンシャルはあるでしょうか?
A:龍郷町も以前は通り過ぎるところ、観光資源が無いと言われていた。ロケーションよりも、地域の楽しそうな姿を届けることが大事。

Q:他地域とのつながり方は?
A:困った時は相談したり、悩みを打ち明けるようにしています。

Q:地元住民と移住者の気持ちのギャップについて。
A:「自分はここにいて良いんだ」という安心感が地域への愛着につながる。地元のルールを押し付けるのではなく、まずは心理的な安全を作ってあげることを優先的に。

▽閉会のあいさつと次回の案内

最後は、副館長の下野さんよりご挨拶。

和田地区公民館へのアドバイザー派遣は、11月から来年2月にかけて、3回実施されます。2回目は同じく和田公民館で、12月16日の予定です。

こちらのnoteでも引き続きレポートしていきますので、地域づくりに興味のある方や地域おこし協力隊の方など、ぜひご覧ください。

▽関連リンク


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本企画は、鹿児島県の「地域課題の解決のために、新しく活動をはじめたい人」「現在取り組んでいる活動を、もっと前に進めたい人」を支援する令和4年度 地域資源活用・協働促進事業 地域連携アドバイザーの派遣を活用して行われました。

(下記は、7月に行われたキックオフシンポジウムの開催レポートです)


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