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「就活との向き合い方を“らしく”したい」私たちが大切にしている考え方

はじめに

この記事は、「就活生の皆さんに届けばいいな」と思いながら書いています。
就活を通じて、「企業側はどういうスタンスで学生と向き合っているのだろう?」とか「普段どんなことを考えているのだろう?」と疑問に思うことはあるのではないでしょうか。

今、採用責任者となり「企業側としての"らしい"採用活動」に対して日々悩み、試行錯誤しています。
このnoteを通じて、皆さんにそんな我々のちょっとカッコ悪いかもしれない苦悩や素の顔、想いをお伝えすることで、少しでも心の距離が縮まればなと思っています。
また、同じく採用活動をする企業の方には、何かしら考えるきっかけになれば幸いです。

新卒採用における企業側の葛藤

新卒採用の責任者を請け負うことになった1年半前、まずは実態を把握すべく色々話を聞いたり調べたりする中で、「すごく意義ある仕事をしているにも関わらず、とにかく日々忙殺されていて、各々が個人商店で活動している」というのが一番印象的でした。

採用業務は実際に忙しいし、「ここまでやればOK」という境もないので、動き方ひとつとっても、個人の判断が求められるシーンが多々あります。

新卒採用は「会社の未来を創る活動」であり、もちろん当社としても最も大切と言える仕事のひとつです。

採用担当者が各自工夫することは非常に大切ではありますが、各人が思い思いに活動していてはそこには必ずズレが生じます。
採用担当者との出会いが学生にとってどんな体験であるべきか?会社のことを話すだけでなく、本当にその学生にとって良い人生の選択はなんなのかを一緒に考え、向き合えるか?

残念ながら全員とお会いすることは難しいものの、僕としては「一緒に働くことになる場合でもそうでない場合でも、せっかくお会いできたのであれば、自社のためだけに活動するのではなく、出会った学生に何か貢献できないだろうか」という、願いにも似た強い想いがあります。

それを実現する上で、そもそも我々の採用活動の意義とは何なのか?近い将来どういう状態にしたいのか?採用活動をする上でバラバラの想いを統一して行動に落とすにはどうすれば良いのか?を整理することは絶対にやるべきと考え、行動にうつすことに決めました。

実際、チーム内で話をすると皆共感してくれて、むしろたくさんの熱い意見が出てきたので、チームで議論し、認識を揃え、思想を言語化して統一することに取り掛かり、今では日々忙しくしながらも同じ考え方で学生と向き合い、採用活動を行っています。

ミッション「挑戦者を惹きつけ、未来を創る」

この言葉は、僕が責任者として引き受ける以前から掲げられており、チームの「ミッション」となっていました。
(※ちなみに、「ミッションとビジョン、バリューの違いとは何か?」はこの記事が世界一わかりやすいと思ってます)

ですが、メンバーの入れ替わりもあり、この「挑戦者を惹きつけ、未来を創る」の意味合いを聞いても各人が違ったニュアンスで解釈している、という実態がありました。

ミッションに対する解釈が採用担当者間でほんの少しずつ食い違っていると、何が起こるでしょうか?

短期的には困りません。採用担当者は皆、それぞれ違った個性を持ちながらも「DeNAの未来を創る学生を採用する」ことに情熱を燃やしており、実際にとても素敵な学生の方々を採用できています。
ただ、長期的視点で見ると、たとえばボタンの掛け違えがたまに数カ所発生していると、そのうち大きなズレとなってきます。「言わずもがな」と思って言語化せずに進めているプロジェクトや採用要件が実はそれぞれの理解で異なっていたり。

また、採用担当者のやりがいにも影響します。採用担当者が自分は何のために採用活動をしているのか?ということに悩んだり迷ったりしていては、学生に伝わるはずの熱量も伝わりきらないと思っています。

チームで働く上で、北極星となるような我々の旗印は必要不可欠です。

そこでまずはゼロベースで「自分たちの活動は何につながっているのか?」を皆で議論しつつ、ミッションに対する理解を深め合いました。

この議論をするにあたり、自分が予め決めていたことはただ一つで、「デザイナーを巻き込んで言葉をビジュアライズする」ということでした。

文字にするとテキストでの説明が入り、スッと頭に入ってこないことが多いですよね。でもビジュアルであれば、受け手が想像することができ、伝えたいことがイメージしやすくなる効果が生まれると考えていたからです。

議論の論点はだいたい以下のような話でした。

・DeNAに興味を持ってくれた人もそうでない人も、我々と接点を持ったからには何かしら感じてもらえたら嬉しい

・何かしらとは、どうやら「挑戦心」が一番しっくりくる

・DeNAのフィロソフィーとして「挑戦」は根源である

・DeNAに入社することになっても、そうでない道であっても、出会った人が同じように「挑戦心」をもって、世の中に大きなデライトを届けてくれたら最高じゃないか

・入社した仲間にはもちろんたくさんの経験を積んで、世の中に大きなデライトを届けてもらいたい

・そして入社しなかったとしても、いつか協業するかもしれない、中途入社で仲間になるかもしれない、そんな風に「挑戦心」を持った言わば「仲間」と、どんな場所にいても互いに「未来を創る」ことを成したい

・それが我々の採用活動の意義なのではないか

結果的に我々のミッションは「挑戦者を惹きつけ、未来を創る」という言葉を現行維持することに。そして、そのビジョンをみなまで話さなくとも伝わる素敵なデザインに仕上げてもらいました。

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※アーチの左の黄色いエリアがDeNA入社、右の青いエリアが別の道。
いずれに進んでも時に手を取り合い、世の中に対して大きな価値提供(DeNAでは驚きをもった喜び、としてデライトと表現)を創造しています。

ビジョン「主役になれる環境づくり」

ミッションが決まったところで、次はビジョンの策定です。
結論から言うと、ビジョンは「主役になれる環境づくり」としました。

ミッションは不変な理想であり、ビジョンは具体的な未来像。
例に倣って桃太郎で言うと、「村の平和を守り続ける」がミッションで、「〇年後に鬼が退治されていて、笑顔いっぱいの村になっていること」がビジョンですね。

ここでは、このビジョンに込めた想いをお話しします。

僕が事業部から人事に異動する以前に漠然と感じていた課題感として、
期待されて入社したメンバーが、本当に能力を発揮できているのか?上長との相性の問題なだけではないのか?適切なチャレンジ目標が設定されているのか?など、一見わかりやすい「結果を出せている人が正解」という暴論の裏には、結果を出せなかった様々な理由があるのでは?という仮説があったので、実際どうなのか?ということを検証する分析を行い、いくつかの結論にたどり着きました。

そのいくつかはまた別途記事にできればと思いますが、入社後の成長に好影響を与える要素を軸に、配属やその後のキャリア含め、既存の仕組み自体を3年くらいかけてアップデートし、会社を「誰もが主役になれる環境」へと進化させていきます。
そして、それが結果的に採用力強化にもつながると考えています。

ちなみに、ここでいう「主役」とは必ずしもリーダーや責任者という意味ではなく、どんな業務であろうとやりがいを感じられ、スポットライトがあたり、能力が発露され、成長できているような状態を「主役」と称しています。

なので、「我々新卒採用チームは採用して終わりではなく、その後入社してくれた方の活躍まで後押しするんだ!」という意図をビジュアライズしてもらいました。
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※イラストでは、青いTシャツを着た新卒採用担当者らが社員皆にスポットライトを当てています。その結果、「社員が能力を発揮して輝く状態を作り出している姿」として3年後の状態イメージの共通認識の形成を図りました。

我々が大切にしたい約束事

ミッションもビジョンも共通認識が取れた上で、冒頭で課題として挙げていた、採用担当メンバーが皆それぞれにバラバラながら大事にしている想いを、「これだけは絶対に共通して守るべき約束事=行動指針(バリュー)」として収斂させ、すりあわせる段階になりました。

実際に、各自が大切にしていることを発表し合ったのですが、見事に皆こだわりが強く、「自分はこう考えている」「私はこうあるべきだと思っている」などなど、主張に主張が重なって大盛り上がり!
どの意見も間違っていることはないので、出尽くしたワードを皆で投票しながら、解釈をすり合わせつつ、忘れなさそうなキャッチーなワードに落とし込みながら絞り込んでいきました。

最終的にこれもまたビジュアライズしてもらい、新卒採用チームのみならず、採用にかかわる社員に共有して浸透を図っています。

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#1.学生とは対等であり、常にリスペクトを
人事が偉いとか、偉そうとか、言語道断です。対学生に限らず、すべての人にリスペクトを。

#2.学生の人生にコミットする
人生にコミットというと大げさに聞こえますが、人生における大きな意思決定に関与することは事実なので、そういう気概で向き合おうという想いが込められています。

#3.安っぽい人事になるな、正攻法でいけ
時には学生が他社と迷うこともある中で、例えば他社のことを否定して自社を勧めるとか、そういう胸を張れないアクションはダサいのでやりません。

#4.エモくいこう
言葉の通り!熱量高く、ポジティブな影響を与えられるようにいたい。

#5.事業部の声を聞け
採用時と入社後のギャップはないか、あるとしたらどこにボタンの掛け違いがあったのか、その上で何ができるのか?など、現場と人事がONE TEAMで向き合うことを大事に。

#6.ひとりひとりの可能性を信じ抜く
期待されて入社して、うまくいかないことだってある。我々が太鼓判を押して入社した仲間を我々が信じなくてどうする。

#7.最後は自分を信じる
面接官との30分や1時間の時間より、採用担当者は長い時間学生と向き合っており、一番担当学生のことを理解しているので、自信を持って判断しよう。

#8.入社してからが勝負
言葉の通り、入社してポテンシャルを最大化させられるかどうかまで、意思をもって関与しよう。

「就活」を通じて「成長」を

我々が今、新卒採用という活動に対してどんな想いで、どのようなことを考えているのか。を書かせてもらいましたが、いかがでしたでしょうか?
ここまでの話で、少しでも興味を持ってもらえたら幸いです。

度重なる議論の末、これらを策定し、その後もメンバーが入れ替わったりしながらも、伝承したりアップデートしながら、昨日も今日も明日も採用活動は続きます。

当社だけの話ではなく、世の中の多くの企業が、日々色々な信念や葛藤を抱えながら採用活動をしています。

学生の皆さんも、就職活動を通じて自分と向き合い、企業と向き合い、様々な気づきや悩みがあると思いますが、そのひとつひとつを糧として成長の機会として活かしてもらえればと願っています。

「面白がり」、求む。

最後に、そんな我々がどんな人を求めているか?ですが、記載の通り「面白がって挑戦できる人」をお待ちしております。

コメント 2020-01-30 094705入社後のメンバーのストーリー等用意しているので、ちょっと前まで同じように学生だった人がどんなことに挑戦しているのか?など、イメージを膨らませる参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。
それでは、どこかでお会いできることを楽しみにしています。

twitterもやっているので、何かございましたら気軽にご連絡ください

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