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『花屋さんが言うことには』山本幸久

山本幸久さんの『花屋さんが言うことには』を読みました。色鮮やかでかわいい表紙に惹かれてこの本を手に取りました。

この物語の主人公は、ブラック企業に勤める24歳の女性、君名紀久子。紀久子は深夜のファミレスでとある女性と出会います。その出会いがきっかけとなり、その女性が営む花屋でアルバイトとして働くことになります。その花屋には色々な事情を抱えたお客さんがやってきます。色とりどりの花に囲まれながら、色んな想いが詰まった花を届けていくうちに、紀久子は自分の心に向き合い始めます。元々美大のデザイン科を卒業していた紀久子はグラフィックデザイナーを目指していました。再びその夢に向かって進んでいきます。

花屋さんが舞台ということもあり、色鮮やかで美しい情景が目に浮かびました。花にまつわる古典や歌、花言葉などが出てきてとても素敵な作品でした。たくさんの花や花言葉があって、花の世界はとても興味深いなと改めて思いました。友情や恋模様も描かれていて、同世代の主人公が新たな出会いや自らの人生に向き合っていく姿を読んで、とても前向きな気持ちになりました。この物語のその後があるならぜひ読んでみたいと思いました。

この物語を読んでいると私も花屋さんに足を運びたくなりました。ミモザの日やスズランの日など、日本ではあまり知られていない素敵な日がある事も知りました。来年は私も母の日にカーネーションをプレゼントしようかな。

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