見出し画像

フォマパンのすゝめ


 Q:パンはパンでも食べられないパンはなーんだ?


 A:フォマパン。


 皆様にも、このフィルムの写りが好き!とかいざというときはこのフィルムを使う!と言ったような「推しフィルム」があるんじゃないかと思う。

 私の場合の推しフィルムは、チェコ共和国のフォマ・ボヘミア製のFomapanがまさしくそれだ。
 100周年おめでとう。

 本エントリではこのFomapanシリーズについて説明していきたい。


 ・汝、Fomaを愛せよ

 そもそも私は東側のカメラが好きで、その中でも造りが独特なチェコのカメラに関しては偏愛している部分がある。

画像1

 Opema II

画像2

 Perforetta IIb

画像3

 etareta

画像4

 Efekta

画像5

 Corina

画像6

  Milona II

画像7

 Druoflex I

画像8

 flexaret II

画像9

 Flexaret VI


 他にもまだあるが、そりゃこれだけチェコのカメラがあれば、チェコのフィルムをメインで使いたくなるのは当然だろう。

 どのくらいFomapanが好きかと言うと、現像液、停止液、定着液、速乾剤を輸入して全てFoma純正のプロセスにしたが、唯一水だけは日本の水を使わざるを得なくて歯ぎしりしているレベル。

 チェコの水、輸入しようとしたんだけど今は取り扱いないんだって。

 さて、Fomapanには幾つかの種類がある。

 Fomapan100
 Fomapan200
 Fomapan400
 Retropan320
 Fomapan R100


 このうち、リバーサルフィルムのR100については今回取り扱わない。リバーサルだから自分の手で現像できない。

 自分で現像できないんじゃなんかこう、駄目じゃん。
 

 厳密に言うと現像キットは純正であるんだけど、薬品が引っ掛かるかなんかで輸入が大変。
 また、一部のネガ用の現像液でクロス現像の要領で現像できるらしいけど、これに関してはまだテストをしていないので今回は一旦お休みとしたい。

 何かいい情報知ってたら教えて下さい。情報料は支払います。フォマパンで。


・汝、Fomaを讃えよ

 些か前置きが長くなったのでささっと紹介していきたい。

 ・Fomapan 100

 Fomaのフィルムの基本と言えるフィルム。このフィルム大っ好き。

 全体的な印象としてはシャープネスが強く、中間階調が豊か。ただしラティチュードがあまり広くないのか、シャドウ部がストーン!と落っこちたり、
ハイライト部がびよーん!とすっ飛んだりすることはある。
少しじゃじゃ馬。


画像10


画像11


画像12



 この特徴を生かし、逆にややアンダーで撮ってシャドウ部を落とし気味にすると、戦前の記録写真みたいでお洒落。
 鉄橋や彫刻などの人工物と相性が良い印象だ。


 ・Fomapan 200


 泣く子も黙るT粒子採用フィルム。レギュラー3兄弟の中ではもっとも「優等生」気質。
 粒子が細かく高精細なので比較的扱いやすい。

画像13


画像14


画像15


 解像度の高めのレンズとの組み合わせは特におすすめで、やたらかっこよく写る。



 ・Fomapan 400


 「良い子 悪い子 普通の子」で例えると間違いなく普通の子。
 突出した特徴が目立つ程でもないが、癖がなく使いやすい。

画像16

画像17

画像18


 キレッキレのコントラストはなく、粒子感もやや荒いが、階調は一番広いと思う。
 無性にお茶漬けが食べたくなる時あるじゃん。そんな感じのフィルムだ。



 ・Retropan320


 問題児。
 ただし、有名サイトで言われるほどケチョンケチョンのフィルムではない、と思う。

 何がレトロかというと、1900年代の絵画や写真の流行、ピクトレアリスムのような写りになる、らしい。

 コントラストはだらだら、粒子はザラザラ、白飛び上等のとんでもない子だ。

画像19

画像20

画像21



 私はコントラストを対応させた専用現像液で現像しているので、マシな部類だと思う。
 ちなみにISO320という表記があるが、恐らくこれは確実に盛ってて、実効感度はISO125辺りの成績が良かった。

 しかしこのザラザラ感というか、確かにレトロ感はある。昔の新聞に載ってそうな写りだ。全く嫌いじゃない。

画像22


 余談だが、120用のレトロパンは135用よりもマトモに写る。何故だろう。バックコートの関係か?
 それとも中の人が若干違うのだろうか。



・汝、Fomaを信ぜよ

 現像に関してだが、個人的におすすめなのがFoma RetroSpecial現像液。

画像23


 これは上で紹介したRetropanの現像用の専用ケミカルだが、レギュラーのフォマパンの現像にも使える。
 何が良いかって、Fomapan100の現像時間が4分でいいのだ。
(以降、一段上がるごとに1分増える)

「ふぁ!?4分!?」とおっかなびっくり現像してみたが、ちゃんと現像できるのでやっぱりチェコの化学力はすごい。

 レトロパンのコントラストも改善出来るため、出来るだけこの現像液を使うといいと思う。


・汝の隣人もFoma


「でもFomapan?なんて知らないし」と思う諸兄もいらっしゃると思う。

 ロモグラフィーのアールグレイやレディグレイ、お茶目な外装が実に共産圏っぽいKosmofoto。
 ヨドバシ他で意外と安く売っていることがあるArista。

 名前を聞いたことがないだろうか。

 あれ全部中身はFomapanである。





 Fomaはいつでもあなたの側におられます。





kaz

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?