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競馬場をフィルムで撮ろう!


 実は30年近く前から競馬が割と好きだ。

 日曜になるとよく父が場外馬券売場に行くので、よくくっついて行っていた。
 競馬シミュレーションゲーム「ウイニングポスト」なんかはスーパーファミコンの1からずっと遊んでいたりした。
 リボー系やダンテ系、テディ系でサンデーサイレンス系を駆逐するというプレイスタイルが主だ。

 私が世界で一番好きなサラブレッドはライスシャワーなのだが、
 たまたま今年ウマ娘のアプリがリリースされてライスシャワーがプレイアブルと聞いて、アニメ版の知識も持ち合わせていないのに始めたくらいには好きだ。

 それから、久しぶり(10年振りくらい)に競馬熱が再燃し、ウイニングポストの最新作を買ったりしたわけだ。

 今回は、その流れで競馬場に写真を撮りに行ったよ、という話をしていきたいと思う。



第1R 競馬場に行こう!


 まずはそもそも、競馬場に行くところから始めないと行けない。
 昨今のコロナ禍において、各競馬場の入場は事前予約制となっている。
 JRAの公式サイトから予約は申し込めるが、G1レースの行われる日は予約の競争率が20倍を越えてくる。
 私が行ったのはヴィクトリアマイル開催日で、たまたまこの日は緊急事態宣言などの関係で有観客試合が急遽決まったため、指定席が先着順での販売となった。
 コロナさえなんとかなれば入場料さえ支払えば簡単に入場出来るようになるはずだ。


 実際に確保した席。
 東京競馬場5F A指定席だった。



第2R 機材を選ぼう!


 写真スポットとしての競馬場は割合メジャーなもので、少し検索すると沢山ノウハウサイトが出てくる。
 ただし、勿論その殆どがデジタル一眼の使用を前提としている。

 フィルムではどういう機材を使うのかあまりいい回答がない。
 だからここで書くんだよ。

 一般的に先述のようなノウハウサイトを見ると、
「焦点距離100mm~400mmくらい欲しい」と書いてあることが多い。
 詳しくは後述するが、これは全く正しい。

 今回私が選んだのは、「勝負カメラ」ことMinolta SR-T101だ。




 持参したレンズは、

MC Rokkor 50mm F1.4
MC Rokkor 135mm F3.5
MC Rokkor 200mm F4.5

 の3本だ。

 これにミノルタのテレコンバーター(2x)を用意したので、実質50mm、100mm、135mm、200mm、270mm、400mmとして使えることとなる。

 レンズ的にはこれで十分だった。

 曇り時々雨の様相だった上、テレコンを噛ませることで少し暗くなる。
 従ってフィルムはKodak Portra800を使用した。




第3R 取り敢えず撮ってみよう!


 競馬場の過ごし方としては、およそ40分置きにレースが開催されるので、レーシングプログラム片手にパドックに行ったり、馬券を買ったり、競馬メシを楽しんだりする。

 とりあえずはパドックを目指してみよう。次のレースに出走する馬が準備運動をしている。


 MC 50mmF1.4+テレコンバーター。

 撮影そのものはあまり難しくないだろう。ゆっくり馬が歩いてくるので、置きピンで普通に撮ればいい。
 パドックの柵沿いは背中の煤けたおっさんやバズーカレンズを持った人が押さえていることが多いので、換算100mmあれば問題なく撮れる。
 メインレースは更に人混みになるので、2階から135mmで撮るといい。


 柵際が取れれば普通に50mmでも撮れる。広角は基本的にいらない。


第4R レースを撮ってみよう!


 お次はレースを撮ってみたい。
レースを撮影するにはやはり望遠気味のレンズとピント合わせが大事になってくる。


 これは先ほどの5階席、自分の座席に付きながら200mmロッコールにテレコンを付けて、換算400mmとした状態。

 一応ちゃんと写ってはいる。

 写真として楽しむならもっとシャッタースピードを遅くして馬の足元をブラした方がスピード感出るかもしれない。
 これは1/500での撮影だ。

 望遠テレコンだとピントが甘くなったり手ぶれしやすくなる。
 なんなら他のレースでシャッターを切らずにピントを合わせてマステかなんかで適正距離をマーキングしておくといいかもしれない。


第5R スタートを撮ってみよう!


 お次はスタートを撮ってみよう。
 スタートはレースによってスタート位置が異なってくるため、比較的撮りやすい位置にスターティングゲートが移動するレースを狙う。
 流石に観覧席から狙い撮るのは少し大変だ。

 競馬場内は比較的自由に移動できるので、スターティングゲートが手前側のレースの時に1Fターフまで降りて待機しよう。

 尚、この際に指定席に荷物を置いていきたくなるが、今回は無事だったが幾らでも置き引きできる環境なので、荷物は出来るだけ少なくして持ち歩けるようにした方がいい。


 条件さえ整ってしまえば比較的簡単。200mm直付けか135mmとテレコンを使うとちゃんと撮れる。



第6R 馬券も買ってみよう!


 写真を撮るだけではなく、馬券を買うのも楽しみ方の一つ。
 パドックで気になった馬を応援したり、自分の好きな血統を応援したりすることも勿論できる。

 外れ馬券。

 馬券を買うときは財布と相談して節度を守ろう。

 ちなみにこの日、メインレースまで1000円ちょっとくらいショボ買いしたが、全く当たらなかった。


第7R メインレースを撮ろう!


 基本的に競馬場は朝9時頃から開門して、後の方になればなるほどレースのレベルが上がって行き、15時30分過ぎにメインレースが行われる。
(メインレースの後に1レース行われることもある)

 この日はヴィクトリアマイルという牝馬のG1レースが行われた。
 勿論、G1レースになるとパドックから人が沢山だ。

 ゴール前の撮影ポジション争いも熾烈で、今回はコロナ禍の入場制限下であっても1レース前、およそ1時間くらいは前に待機しておく必要があった。


 実際に確保した場所。

 最前列はすでに押さえられていた為、二列目から望遠を使うことにした。
 やはり百戦錬磨の方々は皆折り畳み式の椅子やキヤノンのでっかいレンズを持っていたり準備が万端だった。

 メインレースのファンファーレが鳴ると、別に自分が走るわけではないのにとても緊張する

 ピントはどうしても置きピンになるので、出走までしっかりピント位置を合わせておこう。
 マイルのレースなので、出走からたった1分半で栄光の座が決まる。頑張って撮ってみた。


 MC Rokkor 200mm F4.5。


 す、水平が出てない……!

 ピントも甘い……!

 興奮してしまって基本のキが台無しだったようだ。
 また、面白がってパドックの写真を沢山撮ったのでこの1枚がラストショットとなった。

 何が問題かわかるだろうか。

 ウイニングラン撮ってねえのである。



 ちなみに7000円と少し勝った。


第8R フィルムで撮ろう!


 と、色々と惜しむべき部分はあったが、無事フィルムカメラで競馬を撮影することは出来た。
 当たり前だが周りにフィルムカメラを使ってる人は一人もおらず、こっそりアウェー感は感じたのだが、よく考えてみて欲しい。

『皇帝』シンボリルドルフも、『関東の黒い刺客』ライスシャワーも、はたまた『シャドーロールの怪物』ナリタブライアンも。

 当たり前だがフィルムカメラで撮られているのだ。

 ましてや現在の感材は当時のものと比較しても遥かに良いものになっている。
 ならば、頑張って撮影すればかつて
『あの名馬たち』を記録した心震わせる写真と同等以上のものが撮れるはずだ。

 私はフィルムカメラで競馬を撮影する、という毒沼からあまり出られそうにない。

 問題は、指定席の抽選が全く当たらないことだけだ。


 菊花賞は見に行きたいんだよな。
 ステイヤーが大好きなのだ。



 おまけ。

 東京競馬場でウイニングポストを遊ぶ贅沢な遊び。





kaz









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