kazのこんなカメラ⑦SR-T101
水俣病の取材で世界的に有名な写真家のユージン・スミスという写真家がいる。
今年の秋にジョニー・デップ主演でそのものズバリ「MINAMATA」という映画が日本でも公開予定だ。
(チッソ社員による暴行シーンとかどうするんだろ……)
ユージン・スミスの逸話で有名なものが、
「当初取材で使う予定だったライカ一式が盗難にあい、見かねたカメラメーカーが機材を提供した」
というものである。
その時機材を提供し、後に水俣の地でも使われることとなったうちの一つがMinolta SR-T101である。
・中古店の二枚看板
このカメラ、Minolta SRシリーズの後継機として発売されており、その発売は1966年。
ウルトラQが絶賛放映中である。
(余談だが、中古カメラは発売年が意外と新しい、と思っても同年代の出来事を考えるとめちゃくちゃ古いことが多く、感覚が麻痺しやすい)
後に「スーパーロボット レッドバロン」でも作中小道具として登場した。
2021年現在、ほぼ同期のPENTAX SP(2年くらい先輩)と並んで中古カメラ店では見かけやすいカメラだが、
物理的スペックはほぼ互角で、開放測光がある分こちらの方が若干進んでいるかと。
比較的手に入れやすい流通量とお値段で、ロッコールレンズの色乗りの良さなどもあって割とおすすめしやすい。
少しばかり重たい。
・SR-T101との不思議な縁
なんでこのカメラを私が持っているか、というと、少しばかり不思議な縁がある。
以前、別のエントリで父は若いころプロカメラマンだった、と書いたと思う。
その更に前、20代くらいの頃にはどうもNikon機を買うお金がまだなかったのか、Minoltaを使っていたようだ。
大量のスライドが出て来て、そこに使用カメラと日付、そして場所が書かれていた。
折角なのでスライドビューワーも買った。
そのうちの幾つかに、Minolta SR-T101の名前が明記されていたのだ。1971年撮影。
そこからおよそ一月後。
別件でカメラショップに訪れた際、OH品の同カメラを見つけ、これも何かの縁かと思い購入した。
多少重たいものの、映りと使いやすさは特筆もので、「ここぞ!」という時の勝負カメラとして使っている。
やはりロッコールは色乗りがいい。特に暖色系が水彩画のようなボケ味と合わせていい感じだ。
・47年後のリターンマッチ
さて、かつて父の撮影したスライドには撮影場所と日付も残されていた。
福島県の三春というところで滝桜を撮影したらしい。
折角同じ機材(フィルム除く)が手に入ったので試しに撮影に向かった。
震災の影響か、立ち入り禁止箇所もあり一部はそのままといかなかったが。
・なんにせよ名機
使ってみてわかるのは、確かに名機だわこれ、といったところ。
巻き上げやファインダーの見え具合、上下分割測光の精度、どこを切り取ってもかなり扱いやすい。
ちなみに、SR-T102というのもある。
あまり聞き慣れないかもしれないが、要するに後継機のSR-T SUPERの輸出仕様品で、多重露光機能が付いているカメラを探す中で見つけて名前で買った。
Ebayなのでね。うん。すぐシャッターが駄目になって動かなくなったけど。
そのうち修理に出そうかとは考えている。
MINAMATA、見に行こうっと。
kaz
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