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「忠臣蔵」(1958年)を見た(ネタバレあり)


まえおき

季節がらというわけではないですが、忠臣蔵を見ました。忠臣蔵というとドラマでもかつては毎年のように年末にドラマが作られていましたし、大河ドラマでも何度か取り上げられていて、もちろん何本も映画になっていますが、今回見たのは(1958年)のものです。
もちろんリアルタイムでは見ていません。

個人的には、ドラマは何度か見たことがあるのですが、映画は見たことがなかったのでYouTubeチャンネル「ホイチョイ的映画生活」で、お勧めされていたのを見て、定番ものを一回見ておきたいと思い選びました。


忠臣蔵の難しさ

忠臣蔵というと、日本ではかなり定番の復讐劇(江戸時代から)なので、大きな結論は決まっているし、赤穂浪士たちや大石内蔵助が経験するイベントなども決まっているので、映画としてはそれらをどうやって見せていくのかというところがポイントになると思います。

そもそも、大河ドラマでも取り上げられるくらいなので、細かく描いていくととても映画の尺ではおさまらなくなるので、どう取捨選択していくかも製作側の腕の見せ所だと思います。


さらっとした前半と緊張感のある後半

冒頭から大石内蔵助が遊郭で遊びまくっているところまでは、淡々と進んでしまいます。序盤では見せ場の畳替えのエピソードも結構さらっと解決されて「あれ?」と思うくらいでした。

この映画で、大きなキーイベントとして捉えていたのは、大石内蔵助など遺臣たちが進めていた、浅野内匠頭の弟そして義理の息子であった浅野大学(長広)による浅野家再興の道がたたれたことでした。

遊郭で派手に遊んでいた大石内蔵助は、浅野大学が所領を召し上げになった上、広島浅野宗家にお預けになった知らせを受けると、遊女の一人浮舟太夫を身請けすると言って家に連れて帰り

、妻に「向けするから、離縁」と言い放って、玄関口で、母親も交えて、内蔵助、浮舟大夫の四巴で話すというかなり修羅場なシーンです。

このシーンは、浮舟太夫が大石内蔵助と妻や母親とのやりとりを聞いて、大石内蔵助の決意を感じ取るという需要な役割があるんです。そして、浮舟太夫を通じて見ている人たちにも「今から討ち入りモードに入っていきますよ」ということを伝えるようになっています。

忠臣蔵というと、色々なエピソードがありますが、個人的には浮舟太夫のこのシーンは印象に残りました。

垣見五郎兵衛のシーンもよかった

あとは、有名な垣見五郎兵衛のシーンでしょうか。垣見五郎兵衛本人が、大石内蔵助に垣見である証拠を見せて欲しいと言われた時に、何を見せるかがポイントなのですが、この映画では浅野内匠頭が自刃する際に使用した小刀でした。浅野家の紋章がついた布?に包まれた小刀を見て、本物の垣見五郎兵衛が「あ!」と思うのです。

この映画では、この小刀がキーアイテムになっています。

好きなシーンが出てこなかった

自分は、討ち入りをした時に、浪士達が、吉良邸の隣の土屋主税邸に塀越しに、元赤穂藩のものだが、主君浅野匠頭の仇討ちに来ていますと挨拶をし、土屋主税の家臣が壁越しに提灯を並べるというシーンが好きなのですが、このシーンは出てこなかったです。

さいごに

この映画では、浅野の家臣達と吉良の関係者を対局に描き分けをしていて、見ていて非常にわかりやすく、程よい塩梅でシーンも省かれていてうまくまとめられた映画だなと思いました。

機会があったら、別の映画も見て見たいですね。

それではまた次回。

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