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「テトリス」を見た(ネタバレあり)


「テトリスの販売に自分の会社の運命と命をかけた男の奮闘記」

はじめに

ブレット・プルーフ・ソフトウェア社のヘンクは、ラスベガスのゲーム見本市で、PC上で動作している「テトリス」というゲームを見つける。

彼は、そのゲームをプレイした直後、絶対にヒットすることを確信し、ゲームの開発者がいるソビエト連邦に単身乗り込むことを決める。

ビジネスアドベンチャーと言える映画

誰もが遊んだことがあるといっていいほど有名な超中毒性のあるテトリスというゲームがこれほどの苦労があってゲームボーイに搭載されていたとは!という映画。

ニンテンドーの爆発的なヒット商品であるゲームボーイに同梱されていたゲームがテトリスだ。

ルールも観点で、かつ超中毒性があったため爆発的なヒットゲームになりまだにキラーアプリとなったものだ。ゲームボーイもテトリスがなければ、あれほどは売れなかっただろう。

当時、ロシアの人が開発したゲームということは知っていたが、それ以上のことは細かく考えたことはなかった。

そもそも、ヘンクは、当初コンソールの販売権利をすでに得ており、その過程でニンテンドーのゲームボーイの販売権を得るためにソ連に乗り込む。当時のソ連は共産主義国家で、入国すらも難しい状態の中、なんとか交渉に辿り着くものの、色々と確認をしていくと、テトリスの販売権は、PCしか許諾していないことが判明。

そこで、改めてコンソールと携帯器の販売けんを得るため交渉を始めるのだが、政府高官が私服を肥やすために裏で交渉に横槍と入ようとしたり、他の会社も同じように権利を得るためにソ連に乗り込んできたりと、一進一退の駆け引きがスピード感ある画像で描かれる。

ビジネスが中心の内容であるにも関わらず、ヘンクのシーン、ソ連側のシーン、ライバル会社のシーンとテンポ良く切り替わっていくため、中弛みを感じさせることがなくあっという間にラストシーンに辿り着いた。

時代の移り変わりをうまく描いていた

テトリスは、もともとPCで開発(ソ連にはコンソールゲーム機なんてなかった)されていたが、すでにニンテンドーのファミコンが存在していたためコンソール用が開発、さらに極秘に開発されていたゲームボーイのタイミングに合致した、まさにP Cからゲーム機そして携帯ゲーム機へと移り変わる時代の流れと、共産主義のソ連からペレストロイカを迎えるソ連という二つの大きな時代の変化をうまく織り込んで描かれており、単にビジネスを題材にした映画に止まっていないところも良かった。

おわりに

こういった内容であれば、もう少し前に作られていても良かったように思うが、何か理由があったのだろうか。

単なるドキュメントに仕上げず、うまくエンタテインメントに仕立てられていて、テトリスを遊んだことがなくても、ニンテンドーゲームボーイを知らない人でも非常におすすめだ。


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