君の癖がぼくに染みついている
明け方の部屋。光が差し込む窓。携帯がカタカタと震えている。
現実の輪郭はまだぼやけている。
いままでに何度目を覚まして、これからあと何回目を覚ますことができるだろう?
そんな曖昧な問いが、頭に浮かんでは消えてゆく。
*
ある日出会ってしまった二人は、いま同じ道を歩いている。
電車で立つようになった。
一駅分歩くようになった。
よく笑うようになった。
いままでしなかったことを、よくするようになったかもしれない。
食べ物を残さなくなった。
服を散らかさなくなった。
感情的に怒ることが減った。
いままでしていたことを、あまりしなくなったかもしれない。
お互いの変化に気づく度に、笑顔になる。ちょっとだけ背を正す。でもまた緩む。
*
明け方の部屋。君とぼく。
現実の輪郭は少しはっきりしてきた。
ドリップよりカフェラテを飲みたい。
外食よりは自炊をしたい。
つい新しいことがしたくなる。
君の癖がぼくに染みついている。
あとがき
個人的には挑戦をしているので、ぜひぜひTwitterで感想を貰えるとうれしいですー!
最後まで読んでいただきありがとうございます。