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自分だけの言葉で伝えるために

柔らかな空気が流れる喫茶店で誰かにぽつりと言ってもらった。

ひらやまさんの文章、すきですよ。

よく晴れた爽やかな風が吹いている日だった。

気をつけていること、大切なこ

文章として目指しているところは、いろいろある。

星野道夫さんの柔らかさ、茨木のり子さんのしなやかさ、星新一さんのユーモア。セネカの本質に迫るつよさ、ショーペンハウエルのせつなさ。

いままで読んできた幾多の書き手たちから少しずつ色々なものをもらっている。気をつけていることは、彼らの言葉に頼りすぎないこと。

美しい言葉を借りてきても、そこに命はない。
教わったことをそのまま書いても、そこに信念はない。
誰かの真似をしても、そこに自分はいない。

大切にしていることは、自分だけの言葉で伝えること。それはつまり、思ったことを書き、見たものを書くということだと思う。

思ったことを書く

では、思ったこととは何か?

それは、自分の心で感じること。

感じるためには自分の感受性を保たなければいけない。目まぐるしい速度に心は追いつくことができないから、急ぎすぎたときには、立ち止まり耳を澄ませなければいけない。

外からではなく内から聞こえてくることが、自分の思いであり自分の声だ。

見たものを書く

では、見たこととは何か?

それは、目をつぶっても思い出せること。

今はいつも一瞬で通り過ぎてしまうから、油断してはいけない。美しい一瞬を逃さず心のフィルムに焼き付けなければいけない。いつなんどきもレンズを磨いておかなければいけない。

そうして捉えた景色は、いとも簡単に表現できる。
そうして残した風景は、あなたの心を捉えて離さない。

自分だけの言葉を書く

目には見えないけれど、確かに感じるもの。
いつも目の前にあるけど、掴むことができないもの。
あいまいで繊細だけど、大切なもの。

他の人は当たり前のように通り過ぎてしまっている何かに対して、自分だけが何かを気づいたとしたら、それは間違いなく自分だけの言葉だ。

やわらかな風の姿を描きたい。人の心や気持ちは、風のようなものだと思うから。今日も爽やかな風を感じながら、誰かと言葉を交わす。他の人には見えない自分だけの言葉を探して。

TOP写真は、ロンドンに向かう飛行機で見つけた氷の結晶。だれも気に留めないけど、とても綺麗だと思った。

最後まで読んでいただきありがとうございます。