チョコレートと蕁麻疹
本日2月14日はバレンタインデー。昨今は友達同士でチョコを贈り合う文化が浸透し、JKの娘は数日前から何やらせっせと大変そうでした。数年前までは「パパが本命」と言っていましたが、すでに王座からは陥落しています。まぁ、そんなもんでしょう。
さて、チョコレートはプロテインやプロテインバーでも人気の味です。バニラやイチゴと並んで古くからの定番であり、チョコレート味のプロテインを愛用するトレーニーも多いと思います。また、お土産の定番商品でもあり、老若男女問わず愛されていますが、実は私はチョコレートにトラウマがあります。今回は私とチョコレートの関係についての話を書きたいと思います。最初に断っておくと、バレンタインの思い出ではありません。
過去に何度も書いているように、レスリングをやっていた学生時代は、試合のたびに8~10㎏、最大12kgの減量をしていました。私が現役だったのは四半世紀以上前で、インターネットは普及しておらず、トレーニングや減量に関するマニュアルは、普通の学生の手に入るレベルでは存在しませんでした。
引退の前年に当時はまだ少なかったコンディショニングトレーナーの方と出会い、体重減少のメカニズムや、それに伴う減量法を教わり、劇的に減量がスムーズになりました。実際、大学4年時は、減量によるコンディション不良はなく試合をすることができました。しかし、それ以前は完全な自己流。知識もノウハウもないため、体重を落とすことが第一で、試合に向けてのコンディションつくりがうまくいかないことも多々ありました。
そんな自己流減量法の一つが、「腹が減ったら板チョコをひとかけら口に含む」というものです。現在の常識から考えればありえない方法ですが、当時は知識がないため、食事を制限することで体重の増加を抑えつつ練習で絞っていくという方法。不足する栄養はビタミン、鉄分、カルシムなどを錠剤で摂取していました。ほとんど食べていないのでどうしてもお腹が減ります。お腹が減ると眠れず、寝不足になると練習に支障が出る。そこでお腹にはたまらず、空腹を満たせるものはないかといろいろ試し、たどりついたのが板チョコだったというわけです。
チョコをひとかけら口に入れたところで急に体重は増えません。そのひとかけらで空腹がやわらぎ、不足している糖分が入ってくる幸福感に満たされます。何度かこの方法を実践し、減量、試合を乗り越えていましたが、正しくないやり方は必ず破綻します。
階級変更前で一番減量がきつかった頃、この板チョコ減量法で10㎏超の減量をおこなっていたあるとき、体に異変が起きました。けっこうな大きさの蕁麻疹(のようなもの)が体に出てきたのです。急いで病院にいったところ、原因は不明。蕁麻疹の体では練習ができずに減量(と板チョコ)を中止すると、体はすぐ元に戻りました。
今考えると、原因はおそらく栄養不足による体の拒否反応だと思います。しかし、当時はほぼ板チョコしか食べていなかったので、完全にこれが原因だと思い、以後、チョコレートを敬遠するようになりました。
チョコレート=蕁麻疹。こうして私のトラウマは完成。原因は違うとわかっていても、どうしても蕁麻疹が頭をよぎり、人と一緒にいるときにはチョコレートは食べられなくなってしまいました。さすがに四半世紀の時を超えてトラウマは薄れ、自宅など万が一蕁麻疹が出ても大丈夫な環境であればチョコを食べることもできるようになりましたが、人前では未だに無理です。
これが私とチョコレートの思い出です。今はトレーニングや減量の知識を誰でも簡単に調べることができますし、それを教えてくれるトレーナーも数多く存在します。板チョコ減量法の失敗とトラウマは、何事も正しい知識で正しくおこなうことは大事という教訓になっています。
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