カズサク

佐久間一彦/スポーツジャーナリスト。「週刊プロレス」の7代目編集長をやっておりました。…

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佐久間一彦/スポーツジャーナリスト。「週刊プロレス」の7代目編集長をやっておりました。日テレG+「プロレスリング・ノア」中継、「徳光和夫のプロレス自慢できる話」にレギュラー出演。これまでにアスリートを中心に1000人以上の著名人の方にインタビューしてきました。

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  • 1996年からの私

    週刊プロレス7代目編集長・佐久間一彦が、三沢光晴、小橋建太、髙山善廣らプロレスラーに学んだ日々の記録。

最近の記事

なぜ日本のスポーツは強くなったのか?②エリートアカデミー

前回に引き続き、オリンピック前に、日本のスポーツはなぜ強くなったのか?という話を書いていきたいと思います。今回はエリートアカデミーについてです。 NTC(ナショナル・トレーニング・センター)が2008年に創設された際、JOCは3つの事業を打ち出しました。それが「JOCナショナルコーチアカデミー事業」、「JOCキャリアアカデミー事業」、そして、「JOCエリートアカデミー事業」です。エリートアカデミーは、全国から優れた素質を持つジュニア競技者を発掘し、一貫指導システムの下、将来

    • 日本のスポーツはなぜ強くなったのか?①NTC

      バルセロナ、アトランタの惨敗を受けて動き出したトレセン構想 オリンピック代表選手団の結団式がおこなわれ、いよいよパリオリンピックの開幕が迫ってきたことを実感します。少子化が叫ばれて久しい現在の日本ですが、スポーツ界は各競技に優秀な人材が揃っていて、パリオリンピック・パラリンピックでもメダル獲得が期待される選手が数多く存在します。 2021年の東京オリンピックでは地元開催ということもあり、史上最多の金27個、銀14個、銅17個の計58個のメダルを獲得しています。その前、20

      • 不可能を可能にするアスリート

        両脚大腿義足での陸上競技への挑戦 7月です。パリオリンピックの開幕が迫ってきました。そしてオリンピックの後にはパラリンピックもおこなわれます。オリ・パラともに、これまで取材させてもらってきたアスリートの方々が出場するので、とても楽しみです。一方で、夢舞台への出場が叶わなかった選手も数多く存在します。というわけで今回は前例のない挑戦を続ける一人のアスリートを紹介したいと思います。 日本で唯一のT61クラス(両脚大腿義足)のアスリート・湯口英理菜選手は、1000人に一人と言わ

        • 焼肉研修のススメ

          コロナ禍以前は新入社員に対して「焼肉研修」なるものをおこなっていました。文字通り焼肉を食べながらの研修なのですが、単なる飲み会ではありません。これは取材現場やお偉いさんとの会食での振る舞いを覚えることを目的としたものです。 なぜ焼肉が取材現場や会食での振る舞いを覚えることにつながるのか? その理由は焼肉を食べる際はやるべきことが多いからです。寿司屋はカウンターに座れば勝手に出てくるし、コースディナーは客がやることは何もありません。鉄板焼きや天ぷらも職人さんがすべてやってくれ

        なぜ日本のスポーツは強くなったのか?②エリートアカデミー

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        • 1996年からの私
          32本

        記事

          井浦新さんとプロレス

          「Fortune Dream 9」開催まで10日を切りました。今回も大変魅力的なカードが並び、“熱い小橋プロレス”が見られること間違いなしでしょう。 さて、試合と並び毎回注目を集めているのが小橋建太トークバトルです。過去の対戦相手は、長州力、天龍源一郎、佐々木健介、蝶野正洋、豊田真奈美、前田日明、川田利明&田上明、スタン・ハンセンと、プロレス界のスーパーレジェンド揃いです。そんなトークバトルが今回は新展開を迎えます。(第1回のときの話はこちらから) 対戦相手は俳優、モデル

          井浦新さんとプロレス

          人が成長する褒め方、人をダメにする褒め方

          大学受験を控える高校3年生の娘が、模試で学校1位の成績をおさめ、嬉しそうに報告してくれました。他のお父さん同様、私は娘には甘いため、小さい頃から常に褒め続けてきました。当然、娘も父はいつも何かあったら褒めてくれる人ということを認識しています。高校生にもなると、なかなか褒める場面も少なくなってきますが、「いつも遅くまで勉強してた成果が出てすごいね」と自分のことのように喜んで、「すごい」と褒めちぎりました。 「褒める」のは簡単です。ただ、人(とくに子ども)を褒める際には、褒め方

          人が成長する褒め方、人をダメにする褒め方

          筒香報道とロッシー新団体

          一連の筒香報道で気になったこと 「筒香、巨人入り!」 MLB挑戦を続けていた筒香嘉智選手が日本球界に復帰、古巣のベイスターズではなく、巨人に入団すると、スポーツニッポンが報じたのはおよそ1週間前。どこから得た情報かは定かではありませんが、この報道で「巨人入り決定」のような空気となり、SNSではさまざまな意見(批判)が飛び交いました。 正式な発表ではないにもかかわらず、一部では筒香選手がベイスターズに戻らないことに対して、かなり過激な言葉で批判する人もいました。あるいは移

          筒香報道とロッシー新団体

          ベイスターズが26年ぶりに優勝するための5勝4敗のススメ

          2024年のプロ野球が開幕しました。昨年、阪神タイガースが1985年以来の日本一に輝いたことにより、我が横浜DeNAベイスターズは12球団でもっとも優勝から遠ざかっている球団となってしまいました(最後の優勝は1998年)。 そんなベイスターズは開幕から3カード9試合を終えて、すべて勝ち越し、6勝3敗の首位と、スタートダッシュに成功しました。開幕前はエースの今永昇太選手がメジャーに移籍し、サイ・ヤング賞右腕トレバー・バウアー選手もメジャー復帰を目指して退団。昨シーズンの先発三

          ベイスターズが26年ぶりに優勝するための5勝4敗のススメ

          サムライTV「バトル⭐︎メン」最終回

          「3月31日までに記事を書くことで連続投稿を37ヶ月まで伸ばすことができます」 こんな通知がnoteから来たので書くことにしました。忘れていたとか、ネタがなかったとかではなく、この2〜3月は常軌を逸した尋常ではないレベルで多忙だったため、通勤電車の中でもやるべきことが多く、仕事以外のことに頭を働かせる余裕がなかったのです。 最後の休みが2月4日で(次の休みは30日)、それ以降は取材、打ち合わせ、執筆、編集、校正、ブッキング、出演…etc。2月はアポがなかったのは1日だけで

          サムライTV「バトル⭐︎メン」最終回

          チョコレートと蕁麻疹

          本日2月14日はバレンタインデー。昨今は友達同士でチョコを贈り合う文化が浸透し、JKの娘は数日前から何やらせっせと大変そうでした。数年前までは「パパが本命」と言っていましたが、すでに王座からは陥落しています。まぁ、そんなもんでしょう。 さて、チョコレートはプロテインやプロテインバーでも人気の味です。バニラやイチゴと並んで古くからの定番であり、チョコレート味のプロテインを愛用するトレーニーも多いと思います。また、お土産の定番商品でもあり、老若男女問わず愛されていますが、実は私

          チョコレートと蕁麻疹

          2024年の横浜F・マリノス

          2月に入り、ACLノックアウトラウンド、Jリーグ開幕が近づいてきました。というわけで今回は我が横浜F・マリノスの2024年を展望していきましょう。まずは今年のスカッドがこちら。 主力はほぼ変わらず、監督交代が大きな変化 2023年メンバーからの大きな変化はGK一森純選手のレンタル元のガンバへの復帰とCB角田涼太朗選手の海外移籍。戦術のキーであるハイラインを可能にするGK(去年は高丘選手)とCB(去年は岩田選手、その前はチアゴ選手)が毎年のように移籍するのはなんとかしたいと

          2024年の横浜F・マリノス

          すべてのジャンルはマニアが潰すの本質

          「すべてのジャンルはマニアが潰す」 これは新日本プロレスの親会社・株式会社ブシロードの木谷高明会長の言葉です。この言葉が最初にメディアに出たのは、新日本プロレスがブシロード傘下になった直後(2012年)だったと記憶していますが、受け取り方の相違によって、当時のみならず、今でもSNSではこの言葉を巡る論争が起きている場面をしばしば見かけます。というわけで、今回はこの言葉の本質の部分について書いていきたいと思います。 ブシロード傘下になった当時の新日本プロレスは、どん底期こそ

          すべてのジャンルはマニアが潰すの本質

          神社にまつわるご利益のある話

          明けすぎてるだろう!と言われそうですが、明けましておめでとうございます。まずは能登半島地震で被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。そして一日も早い復興を祈念しております。 さて、息子の成人式も終わり、正月気分はとっくに終わり。3月半ばまでは怒とうの日々が続くことになります。明けすぎているとはいえ、2024年最初のnoteということもあり、今回は昨年に続き、“神社ソムリエ”佐々木優太さんから学んだ、神社にまつわる話を書いていきたいと思います。今後も役に立つ話だと思う

          神社にまつわるご利益のある話

          箱根駅伝直前~母校・青山学院大学の展望

          野球、サッカー、プロレス、バスケ、柔道、ラグビー…私はスポーツが大好きで、取材、現地観戦、テレビ観戦など、1年中、スポーツに触れる生活をしています。正月は元日のニューイヤー駅伝、2・3日の箱根駅伝を見るのが定番です。というわけで、今回は箱根駅伝について書いていきましょう。 この時期、箱根駅伝の展望記事は溢れています。専門で取材しているわけではなく、全チームの展望は難しいので、ここでは母校の青山学院大学に絞った話をしていきたいと思います。 まず青学は前回大会からダブルエース

          箱根駅伝直前~母校・青山学院大学の展望

          年齢を重ねて、失うもの<得るもの

          今年も残すところあとわずか。振り返ってみると、毎年のことでありながら、今年もいろいろやったなぁという印象です。カクテル、ポルシェ、ポーカーなど、今まで制作で関わることがなかったジャンルへの挑戦があり、本職のスポーツでは日本の国技である柔道の専門誌「柔道マガジン」を創刊、編集業務を一手に引き受けることになりました。そして来年は新規事業へのチャレンジも控えており、大変だけど新鮮で楽しい毎日が展開されていきます。 仕事が充実する反面、四十肩、靭帯再建手術と、体の故障に苦しめられた

          年齢を重ねて、失うもの<得るもの

          親指が使えないと困ること

          noteの更新がだいぶ久しぶりです。実はこれには理由があって、トレーニング中のアクシデントで右母指尺側側副靭帯損傷(断裂)のケガを負ってしまい、靭帯の再建手術を受けたからです。手術後はずっとギプスをしている状態で、右手(親指)が使えませんでした。 過去に何度も書いているように、このnoteは通勤電車の中で、スマホで書いています。肝心な右手親指が使えなくなった結果、noteの更新が滞っていたというわけです。もちろん、左手でスマホを操作することもできますが、右手と比べてスムーズ

          親指が使えないと困ること