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コミュニティコンポストのはじめ方〜鎌倉とポートランドを繋いで「材木座コミュニティコンポストプロジェクト」をはじめるまでの備忘録

鎌倉のシェアオフィス「はつひので」と「材木座コミュニティコンポスト」をはじめた。コンポストをもっと気軽にはじめる人が増えたらいいなぁと思っているので、今回の経緯や思考のポイントともに、コミュニティコンポストのはじめ方をまとめみたい。

①まず、目的を確認!コンポストの目的は、ごみ処理か、循環づくりか

このステップはコミュニティコンポストに限ったことではない。家庭コンポストもいっしょだと私は思っている。
ごみを処理したいのか、それとも小さな循環をつくり出したいのか。
それにより、採用するコンポストの種類、コンポスター(容器)の形が変わってくるからだ。ごみを処理したいなら良質な堆肥にする必要はない。ここが大きく異なる。

今回の材木座コミュニティコンポストプロジェクトでも、「はつひので」の管理人のななみさんとこうへいさんとも、最初にその目線合わせをした。「循環をつくりたい」がひとつ。そしてベンチ的なものがいい、というアイデアも出て「コミュニティづくり」。この2つがプロジェクトのはずせないキーワードとなった。彼女たちが管理するファームで野菜を育てて還元するという目標も最初に置かれた。

②運用体制と規模でコンポストを選ぶ

最初に設置するのは「はつひので」の建物の外。スペースはそんなに広くはない(1メートル四方もない)。コミュニティコンポストとしては小さいが「まずやってみるが大事だね」ということで、まずはオフィス利用者のみに開くことを前提にスタートすることを決めた。

彼女たちには、「はつひので」の管理もあるし他の仕事もある。一方の私たちはリモートの会社で、私はポートランドにいる。運用の負荷をできるだけ下げること、メンバー間で負荷を偏らせないことがコミュニティコンポストの継続にとっては重要と思っていたので、「みみずコンポスト」を提案した。

好気性微生物型のコンポストになると、ある程度の頻度でかき混ぜる必要があるし、熟成期間も必要となるからそのスペースと時間も要する。また嫌気性の場合には、近くに土が必要だが、ファームまではちょっと距離がある。その点、みみずは、みみずが仕事をしてくれるため、フードをあげる、時たま液肥を回収する程度で維持できる。コミュニティコンポストはじめには、みみずはちょうどいい。

コンポストの種類についてはこちらを参考にどうぞ。


③コンポストが決まったらコンポスター選び

みみずの場合には、土の中に入れてしまう「鉢形」、横の数層を並べる「水平型」、縦に重ねる「垂直型」におおまかに3分類される。今回は、場所が限られていること、運用の手軽さから、水平に重ねるタイプを選択することにした。既製品もいくつかあるのだけど、みんなでDIYを選ぶことになった。

思考過程を書いておくと、垂直型は横に広がるので床面積が必要になる。堆肥の回収はそんなに難しくはない。また、鉢形は畑にそのまま置いて中で植物を育てる場合にはいいが、堆肥を回収して別の場所に移動したい場合にはちょっと面倒だ。ゆえに今回はあまり適切ではない。そして、垂直型の場合は最下段にはみみずがほぼいなくなるので、堆肥を回収しやすいというメリットがある。ただDIYでつくるのは正直いちばん難しい。

そこで種類とつくり方を伝えるために、解説イラストを描いたり、つくりかたのDIY動画(海外ではみみずコンポストは主流なのでたくさんある)をポートランドから鎌倉に送りつけてみた。その私の下手なイラストや、DIY動画(は、ななみさんがnoteで晒してくれているので(笑)詳しくみたい方はそちらをどうぞ!


DIYしたいと、ななみさんが仕入れてきた蒸し器。さてこれをどう活用するか・・・は悩んだ(笑)

④基材とみみずをどう入手するか?

ここもコミュニティコンポストでよくよく考えたいところ。運用のコストをできるだけ下げることが大事なので、基材は簡単に手に入れるものにしたい。みみずコンポストの場合には、土と新聞紙があればOKだ。

みみずの入手方法について。まずコンポストのみみずはその辺りに生息しているフトミミズではなく、細いみみずであることに要注意。
釣具屋さんなどで釣り餌で売っているものを買うことはできるが、今回は、鎌倉のご近所でみみずコンポストをやっている人を探して、シェアしてもらうことを提案した。コミュニティコンポストなのだから、シェアではじまるのがいい。土ももそのみみずちゃんが生息しているコンポストから一緒にもらってきた。コミュニティでみみずのお裾分けと共にコンポストが広がっていくのが将来的な構想である。

もうここまでくれば準備は整ったようなものだ!

⑤コミュニティコンポストへの参加形態を考える

最初はみみずの数も少ないし、みみずが定着し増えていくかどうかもわからない。どういう生ごみは入れたら分解が早いか、ちゃんと食べてくれるかを試用する必要があり、最初の数ヶ月は、コンポストに生ごみを入れる人は人数を限ることをおすすめしたい。管理人がちゃんと目が行き届く範囲に。

今回も、最初はシェアオフィス「はつひので」の入居者に限ることにした。そのコンポストはどういう仕組みになっているのか?何をみみずは食べられるのか、何が嫌いなのか、何が好きなのか。どれぐらい食べられるのか?をみんなで学びながら始められる規模感だ。最初はそれぐらいから始めるのがいい。

ただ徐々に広げていく予定なので、プロジェクト開始とともに参加希望者を募り始めることにした。参加形態もさまざまでいいと考えた。すべての人が生ごみを持ってきたいわけでもなければ、コンポストを自分でやろうという人もそんなに多くはないだろうから。

フードを持ってきたい人、自分でコンポストをするために学びたい人、もしかしたら、コミュニティコンポストを主導したいたい人もいるだろうということで、生ごみを持ち込む以外でも、参加希望を表明できるようにした。

おまけ:立ち上げまでの所要時間は?

これはプロジェクトによって差異が生じそうなので、あくまでも参考に書いておきたい。

私たちが話し始めたのは、鎌倉に本社移転を決めた7月中旬。8月から本格的に定期的にMTGをはじめて夏を経て10月からスタートしている。DIYしたり、みみずのシェアではじめたりということがなければ、もっと早く開始できるだろう。


それでは、材木座コミュニティコンポストプロジェクトの参加希望者はこちらへどうぞ!

材木座コミュニティコンポスト:参加エントリーフォーム

もっとオフィシャルページはこちら

みみずコンポストとコミュニティコンポストの勉強会でもまずやろうかなと思ったりしています。

ここに至るまでの詳細はななみさんも書いてくれているのでこちらもどうぞ!


P.S.
発案者であり管理をしてくれる、ななみさんこうへいさん
みみず🪱をシェアしてくれたご近所のみなさん
DIYしてくれたみなさん
Thank you!



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