見出し画像

市民活動団体の広報(みたいなこと)の視点から読むブランディング:「「売る」から「売れる」へ 水野学のブランディングデザイン講義」

先週の「じぶん課題図書」として読み終えたので、読んで考えたことを、印象に残った言葉に沿って書いてみたい。

注)私は市民活動団体の広報(みたいなこと)をやっているので、その視点で読み取ったことが多い。自分ならなにができるかな、という視点で読んでいるので、企業活動とはまた違う読み取り方をしていると思う。

~ブランディングとは「見え方のコントロール」

高い志を掲げるなら品位のないウェブサイトじゃダメ。清潔感が売りの企業のトップがだらしない服装ではダメ。成功例はアップルとダイソン。

何を見せたいか?をまず考える必要があるし、そのためには、何を伝えたいか?を考える必要があり、何が自分たちの企業(団体)の価値なのか?を深める必要がある。それらの議論を尽くして、しっかり埋めてから、「どう見せたいか?」を徹底すると良さそう。

~センス=集積した知識をもとに最適化する能力

センスは生まれ持った才能なんかじゃなく、豊富な知識をもとに、その場その場に最もふさわしいものを導き出せる能力であって、「よくわからないもの」なんかじゃない。

そう聞いて(読んで)、なんだかほっとしてしまった。それなら、情報と知識をたくさん集めて、センスを磨いてやろう!「なんとなく」から言語化と具象化を繰り返して、センスというものにたどり着いてみよう。

~問題を解決するよりも、見つけることの方が難しい

なにが問題なのか?が分かってしまえば、三人寄れば文殊の知恵。ひとが集まって知恵を出し合えばたいてい解決できる。なにが問題なのか?を見つけることの方が難しい。

センスよりこっちの方が才能かもしれない。一見とても便利になってしまった現代では、想像力を最大限駆使してやっと見つかるのが「問題」かも。

~企業のブランディングは経営の課題

企業の価値を見える形で伝える時に、「見え方のコントロール(=ブランディング)」が必要になる。そのために、経営トップに近いところにクリエイティブやデザインを扱えるひとや部署が必要(あるいはトップ自身がクリエイティブ目線に長けている)。

ブランディングは経営に大きな影響力を持つ。経営と一体ともいえる。その責任を知って、トップ側との意思疎通を常にしっかり行うことが欠かせない。トップとのコミュニケーション第一、それから自分の仕事。

~ブランディングはあくまで手段

どんなものを作って、どういう見せ方をするか?がブランディングだけれど、その目的は「どれだけ売れたか?(知名度がどれだけ上がったか?ひとが集まったか?なども)」

なぜブランディングをするのか?を忘れないこと、目的とする「変えていきたい数値目標」を始めにしっかり設定すること。そして、その追跡調査と分析もしっかりすること。分析ツールを使えるようになりたいなあ。

~企業のブランディングは社員のモチベーションを上げる効果

ブランディングはあらゆるアウトプットによって作られる。それらアウトプットを統一するということ。そして、統一されてわかりやすく見えるイメージが誇らしいと思えるなら、社員のモチベーションは上がる。

これはほんとうにそう。確かにそれまでもあったスローガンなのに、それに具体的な事例を添えて発信するだけで、日々の活動に生き生きとした意味が生まれる。意味があることをしたという嬉しさが生まれる。それが広がっていき、団体全体の活動が活発になる。

~企業の活動は「目的」と「大義」から始まる

「目的」は身近にあって言語化しやすいけれど、「大義」は少し遠くにあって言語化できていないことが多い。「大義」を言語化して(例えば「日本の工芸を元気にする!」)社員と共有するとモチベーションが上がるし、活動に幅が出る。

以前、NPOや市民団体は「自分たちの活動を30秒でアピールできると良い」と聞いたことがある。そのためには「ビジョン」「ミッション」「スローガン」をきちんと言語化しておかないとできない。言語化と共有、取り組んでいきたい。

~企業や商品の「らしさ」はその企業や商品自身のなかにある

ブランディングの考え方は限りなく「スタイリスト」に近い。似合う服を着せる。そのためには似合う服を見つける。ロゴなどでも、見つけて作った後の、完成度を上げるところに労力を割くのが大切。

「似合う服」。中身を変えようとするよりも、見え方を改善する。もちろんそのためには「中身に誇りを持てる」が前提条件としてありそう。誇らしい中身のアウトプットや発信を、いかに洗練して統一して、伝える力を付与するか。「らしさ」はなかにある。忘れないように。

読み終えてたどり着いた思いは、

ブランディングに携わるひとは、「おせっかい」とか「やりたがり」なひとがむいているのかもしれない。頼まれたこと以外への行動や視線、提案がすごく大切で効果を上げている。

私は自分がやっている広報(みたいなこと)を時々「ただのおせっかいじゃないか」「余計なことをやっているんじゃないか」と思う時があるけれど、そういう私こそブランディング分野でもできることがありそうだという思いを強くした。

誇らしい大好きな団体の活動を、もっと可視化して、言語化して、見え方を統一して、社会の課題を解いていくひとつの力になれたらよいと思う。がんばるぞー!!


私がやっている広報(みたいなこと)については以下↓

やってきたことの振り返り:市民活動団体の広報(みたいなこと)

市民活動団体の<広報、はじめの一歩>(みたいな記事)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?