不登校生活を送るにあたって我が家が買ったモノとコト
<目次>
雪崩のようにやってきた不登校生活
「これは元には戻らない」肚を決めた時
肚を決めて買ったモノとコト
①ノートPCとスマホ(子と母)
②参考書と問題集とオンライン学習費
③市民活動への出費(母)
④居場所や体験の利用費、交通費
⑤居場所づくりの活動費
⑥デート代(父母)
不登校だからこそより暖かな関係性にチャレンジする
◆雪崩のようにやってきた不登校生活
突然始まった我が家の不登校生活は、息子①小6、息子②小5、娘小3の年だった。
新年度4月の半ば、息子①が病気を立て続けにして寝込んだ。リンゴ病、風邪、軽い盲腸…治ったとみられる頃には「だるい、すごいだるい、起きられない」と言う。
サッカーで得点王とMVPを連発する、一日中外で走り回る子が起きられない…これは非常事態だと認識した。そこから小児科、小児神経科、心療内科、児童精神科と病院通いが続く。
重い起立性調節障害の診断が下りたのは夏休みに入った7月末。
息子①にかかりっきりだった夏休みが明けて9月、息子②が登校できなくなった。ランドセルを背負うと体を硬直させて動けなくなる様子に、私はこれまた非常事態だと認識した。
「休んでね、行っちゃだめだよ」ゆっくりと息を吐く息子②。
◆「これは元には戻らない」肚を決めた時
娘は踏ん張った。
息子2人がだんだんと元気を取り戻し、でも学校には行けない状態の中、「私も行かない」とは言わなかった。
息子たちに「家に居るからこそできることやろう!」と家の時間を充実させると、学校に通う娘からは「おうち、楽しそうだな」と映る。それでも、息子たちの将来を潰してはならない、と私はあれこれ試行錯誤。
ほんとうに苦しい悩ましい時期だった。
娘は4年から休みがちになり、5年の9月から完全に登校できなくなった。私も力尽きていたし、娘も娘なりに力尽きていた。息子たちが不登校になってから2年。彼女はほんとうによく踏ん張った。
そしてここに至り、私は覚悟する。「これはもう元の生活には戻らないし、戻さない。子どもたちと明るい不登校生活を満喫するんだ」
◆肚を決めて買ったモノとコト
不登校がマイナス経験にならないように。人生の障害にならないように。
不登校の子の親がみんな、望むことではないかと思う。我が家も同じことを望んだ。不登校が不利にならないこと、さらにはプラスの経験になること、「不登校だからこそできること」を増やすこと。
最終目標は10年後に「不登校でよかったね」と笑い合えること。
そのためには必要なモノがある、必要な経験がある、それにはお金がかかる。必要な出費がある。
我が家が肚を決めて買ったモノとコトはこちら↓
①ノートPCとスマホ(子と母)
②参考書と問題集とオンライン学習費
③市民活動への出費(母)
④居場所や体験の利用費、交通費
⑤居場所づくりの活動費
⑥デート代(父母)
①ノートPCとスマホ(子と母)~デジタル強者を目指す
元々「大学までスマホ持たせるつもりはない」と話していた夫と私。子どもたちが次々と学校に行けなくなる中で、まず、学校を通して入ってくる情報が閉ざされること、それから、この状況に対して圧倒的に情報不足であることを実感。
情報は親だけが集めれば良いものではない。子ども自身の収集能力も伸ばしたい。親のフィルターがかからないところで自分のために情報を扱えるようになってほしい。
そのためにはひとり1台のノートPCとスマホは必須。が私と夫の結論。
どうしても学習が学校と同じようにはできない以上、学校軸の評価は落ちる。その時にPCスキルは確実に子どもたちに力をくれるだろう、というのも理由のひとつ。目指せ!デジタル強者。
そして、私は外に働きに出ることが困難になったことから、在宅や単発、出社なしでもできるライター活動を本格化するために、ノートPCを新調。ここも肚を決めてかかることにした。
②参考書と問題集とオンライン学習費~合わないリスクにチャレンジする
不登校になって初めて知った。学校の教科書はホームスクールには使えない…
教科書は、先生の説明を前提に作られていて、特にホームスクール向きな算数、数学にその傾向が強い。必然的に書店に行って参考書と問題集を購入することになる。
参考書と問題集には学習者との相性がある。親が良いと思って買ってきても、色彩が苦手、とか、分厚いとやる気が失せる、とか、いろいろ(怒)。それなのに、本人の体調で書店に同行できないことが多かったから、たいへん。
合うか合わないか?迷ったら買う!と決めたのはいつだったか。家の中に使われない参考書や問題集がちらほらするように…しかし予想外なことに、他の兄弟が学習が追い付いて「じゃあ自分が使うね」というものもあったから、まあいいっか。
③市民活動への出費(母)~母親の逃げ道と居場所大切
以前からひとりで続けていたランニングのモチベーション維持に悩んでいたところに、「パトロールしながらランニングする」防犯ボランティアチームの存在を知り、入会を検討。走る理由は多いほどいい。
パトラン松戸チームというそのチームの説明会と体験参加をして、ユニフォーム購入のみで入会できると知ったのだけど、ユニフォーム1着で子どもたちの問題集が〇冊買える…なんて計算してしまった私。
なにをどこで決心したのか?私は今もパトラン松戸チームにいるのだけど、これはほんとうに、入って良かった。すべての不登校ママにおすすめする。趣味や学びのサークル活動、市民活動に参加しよう!
不登校の生活の負担の多くは母親にかかることが多い。結果として家庭に閉じ込められている感覚が強くなり、疲弊する。解放感を得る方法、一時実際に解放される時間が必要だと思う。踏ん張る自分へのご褒美と栄養になる。
④居場所や体験の利用費、交通費~参加しなきゃわからない
「行く行く詐欺」とはドンピシャな表現で、不登校っ子は学校に限らず、習い事、フリースクール、居場所…すべてにこの詐欺を発動する。気が変わった、気分が乗らない、ということもあれば、体調が急降下する時もある。
予約したのに行けなくなって、キャンセル料がかかってしまうなんてよくあること。じゃあ、それなら初めから行かない?というのは子どもに良くないと思った。
その時「行きたい」「参加したい」と思っただけでも、気持ちも体調も回復しているということ。チャレンジしたいと思ったなら、尊重しよう。キャンセル料は必要経費、ということにした。
⑤居場所づくりの活動費~不登校だからこそできることを
娘が学校に行かなくなって1年経つ頃、「不登校の話もできる友だちがほしい」と言い出して、紆余曲折の末「Teen's遊びと語りの場まつど*あそびラボ」という小さな団体を立ち上げている。
「10代が作る10代の居場所」として、子どもの遊びの会やおしゃべり会を開いているのだが、覚悟していたとはいえ、出ていくお金がある。今、団体の活動費を持ち出しでなく自前で賄う計画を進行中だけど、それまでは。
娘が「居場所づくりをやりたい」と言い出した時、リスタートを切れそうだということと、「不登校だからこそ行きついた娘自身の答え」に私はほんとうに嬉しかった。これも必要経費。
⑥デート代(父母)~より細やかなパートナーシップの必要性
不登校生活4年目に、私は夫にブチ切れた。「いったいあなたはなにをしてくれている?夫が妻をサポートしなくて誰がするのよ!サポート感ゼロなんですけど!!」(4年間ひとりで踏ん張って来た私、えらい!笑)
ブチ切れながら(ごめんよ夫、SOS出さなかったのは私なのにね。でもあなたも訊いてくれなかったね)と思っていた。つまりコミュニケーション不足。
そして、子どもたちは学校に行かなくてずっと家に居るから、夫とふたりで会話する時間が奪われていると気づいた。そりゃ、妻に「今なにに困っているの?」なんて訊けやしない。
「デートしよ!デート!」ということで、これも必要経費。
◆不登校だからこそより暖かな関係性にチャレンジする
不登校生活が始まってから一貫して変わらない我が家の行動基準が「学校に行かないからこそできることをやろう!」これはずっと変わらない。
親バカを言うと、不登校になった我が家の子どもたちは揃ってやさしい。やさし過ぎるくらい。そして、娘とのあそびラボの活動があって思うけれど、不登校になる子たちはみんなみんなやさしい。
やりたいことができない、思いが伝わらない、そんな苦しみを味わった子たちは、他人に素晴らしい気づかいを見せる。
やさしい子どもたちがいる我が家を、より一層暖かい居場所に。やさしい子たちに出会えるあそびラボを、もっと暖かい居場所に。これは「不登校だからこそできるチャレンジ」だと考えている。
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