【愛着障害・うつ・AC】悩んでいる人にアドバイスしても役に立たない?!
人目が気になる、と言う人はよくいますね。
自分のことは疎かになって、他人の事にエネルギーを奪われているのですよね。
私もその昔のこと、あの人が、この人が、と人の事ばっかり話題にしていて、自分はどうしたいのか将来の夢や希望を語る若者なんかではありませんでした。
「人にどう思われてもいいじゃないか」
高校時代の恩師からそんなことを言われたことがありました。
その時の会話の前後の文脈はまったく覚えていませんが、その頃から人目を気にしていたんですね。
それにしても、「人にどう思われてもいいじゃないか」の部分だけが記憶に残っているのは、人にどう思われても気にしない、そういう種類の人間もいるんだというインパクトがあったからかもしれません。
「人がどう思っているか、考えないこと」
これは社会人になってから職場の上司に言われた言葉です。
この時の会話の内容もよく覚えていないのですが、たしかにあの頃は他人からの評価に神経を張り巡らせていました。
いま思えば、たしかに他人がどう思っているか考えるのは無意味かもしれません。
彼らのアドバイスはたぶん正論なんでしょう。
ですが、こういうことを言う人は、フツウの健康な人だけだと思います。
「人がどう思っているか考えないこと」
傷ついている人には、こういう「正論」は通じないんですよね。
世界観や人間観がフツウの健康な人とは違うんです。
傷ついている人は、他人への恐怖心があります。
フツウの健康な人は、自分と世界への信頼があるから、たとえ誰かが悪口を言ったとしても、その自信は揺るがないんでしょう。
だから無責任な外野の声も軽くスルーできるかもしれませんし、人にどう思われたって知ったことではないのかも知れません。
いっぽう傷ついている人は自分や他人への不信があるから、否定されるんじゃないか、とか、自分が駄目なことを人に見破られるんじゃないか、と怯えているのです。
人は怖くて安心できないもの、それが傷ついている人の人間観です。
傷ついている人は他人が脅威になっている、ということをフツウの健康な人は理解できないのです。
傷ついている人に、世界は安全なところだよ、人は優しいよ、って言っても信じられないでしょう。
それだけ裏切られ続けてきたからです。
そういう人たちに正論を言うことは、ますます孤立させて追い詰めていくことになるかもしれないから、気をつけなければいけません。
傷ついている人たちがどんな世界に住んでいるのか、そこで何を感じているのか、そんなことに耳を傾けていくことから始めるのが、こころを繋いていくことになるのです。
傷ついている人は、安心して話せる場と理解されることを求めていると思います。
自分の望みを語ること、自分のやりたい事をやることも許されないような環境だったからです。
私も子供のとき周りの大人に、私のこと分かって、と理解されたがっていました。
鏡になって映し出してくれる大人が一人も居なければ、子供は自分を捉えそこない、自分が何者かが分からなくなります。
理解される事によって自分という輪郭がくっきりして、自分で自分のことを理解することができるようになるのです。
ですから、傷ついている人にアドバイスすることは、かえってこころを閉ざしてしまう事になるかもしれません。
傷ついている人にとって、アドバイスは北風、理解されることは太陽、なのかもしれません。
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