【表現アート】 ものがたりの再構築

セラピーの効用で、
ものの見方が変わる、
ということがあります。

たとえば
悩んでいた御相談者がしばらくすると
「私はもともと幸せだったという事に
気づきました」
と言うことがあります。

ポジとネガが逆転した瞬間です。

現実は何も変わった訳ではないけど、
ものの見方や視点が変わったのです。

影の部分にフォーカスを当てている時は
影しか目に入らないのですけど、
あるときふと全体が視野に入るようになって、あそうだ、光もあったんだ、
ということに気づくのです。

人生には光と影があって全体なんだ、
ということに気づくのです。

見方が変わると
意味ずけが変わって
問題が問題ではなくなるのです。

私もセラピーを始めてから、
両親に対する見方が変わりました。

父に対する見方はほんとに変わりました。
百八十度かわりました。

子どもの頃はお父さんが大嫌いで、
お父さんの居ないところへ行きたい　
とさえ思っていました。
ところが、
大人になってセラピーを受けてから父の気持ちを知るにつれて、　
父がどれほど私を大切に思っていてくれたか、子どもの私が知らなかった一面を
知ることになりました。

亡くなって久しいですが、
なぜもっと早く気づかなかったのかと
悔やまれます。

いまはお父さんが私を一番守ってくれる
大好きな人になりました。

母に対する見方も変わりました。
子どもの頃は、
大好きで可哀想だと思っていましたが、
いまはお母さんは可哀想じゃなくて怖いなあ、というのが正直な感想です。

両親へのまなざしが変わると、　
私の人生も　
いったんばらばらに解体されて
再編集、再構築されていくように感じます。

廃墟だった世界に花が咲きはじめ、
灰色の世界に色がさし始めたようにも感じます。

表現アートセラピー作品
2019年６月１日

2019年8月22日