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赤ちゃんを抱っこしたママの隣に座って涙が出そうになった

電車で
赤ちゃんを抱っこ紐で抱っこした
ママの隣に座った。
赤ちゃんは5,6ヶ月くらい。
嬉しそうに私を見て
ニコニコニコニコしている。

ママは疲れているのか、
眠っている。
赤ちゃんはご機嫌で、
ニコニコしながら足を蹴り始めた。
私が手を出して足を受けとめると、
嬉しそうに何度も何度も蹴る。

そのうちママが気付く。
あ、すみません!
と私に謝り
赤ちゃんの足をそっと抑える。

私は、
全然いいのよ、
と笑顔で答える。
幸せを分けて貰えて嬉しかった、と
伝えたいけれど、
言葉にするのは難しい。

赤ちゃんと触れ合えて
嬉しかったのか、
自分の子育ての頃を思い出して
懐かしい気持ちになったのか、
上手く説明出来ないけれど、
涙が出そうになってしまい、
一人焦る。

赤ちゃんはそこにいるだけで
周りを幸せにする。
笑ってても泣いてても
私はそう思う。
そう思っているから大丈夫よ、
とママ達に伝えたい。

電車の中では特に、
何故か肩身の狭い思いをしなくはいけない
ママ達に
大丈夫よと伝えたい。

そしておそらく
大変な思いをして子育て真っ最中のママを、
ただただ応援したくなる。


赤ちゃんや小さな子供を連れているママに、
声を掛けたいと思っても、
私が言った一言で、
追い詰められるような気持ちになってしまったらどうしよう、
嫌な気持ちになってしまったらどうしよう、
と思うと
なかなか声を掛けられない。

特に
泣いている赤ちゃんを
必死に泣き止ませようとしている時。

あなたは今、
頑張っていますよ、
大丈夫、
赤ちゃんは泣くのも仕事だから、と
応援したい気持ちを伝えたい。

言葉を選んでいるうちに
何も言えなくなる。

周りで迷惑そうに見ている人も
色々な考え方があって、
色々な事情があって、
思う事は皆んな違うのだろうけれど。
何も出来ずにいる私も
何も出来ないのだから、
同じなんだな、と思ってしまう。

赤ちゃんが泣いていたら、
周りの人たちが我先にと、
赤ちゃんをあやして、
笑顔溢れる空間になればいいのに、
と、
夢のような事を考える。

自分も何も出来ないのに。

我が家の子供達が小さかった頃、
よく年配の女性に
手伝ってもらったり、
声を掛けてもらったりした。

とても嬉しくて、
話が弾んだ事もあるし、
3人引き連れていた時に
手伝っていただくと、
ただ感謝しかなかった。

私の気持ちの問題なのだと思う。

上手くいかない事が続いていたり、
急いでいたりして、
気持ちが不安定な時。

話しかけてくれた事に対して、
え、何でそんな事言われないといけないの?
と思ってしまう。
今の若い人はいいわねぇ、私の時代は…
の話に、
だからあなた達の時代の方が楽なのよ、
と言われてると受け取ってしまう。
今が一番良い時よ、と聞くと、
今こんなに大変なのに?
と思ってしまう。


今になるとわかる。
皆さん、
赤ちゃんを育てていた頃が懐かしく、
思いを共有したくて、
話し掛けてくれていた、と。
責める気持ちなどなく、
ただ親切心だけで
話し掛けてくれていた、と。

だから余計に迷ってしまう。

ちょっとした手助けは
すぐに出来るけれど、
それ以上に何か言いたくても、
私にとってはとても難しい。

今でも覚えている事がある。
今までに何度も思い出しては
励まされてきた。
どこの誰かも知らないけれど、
そのステキな方に言われた言葉が、
事あるごとに、
子育て中の私の
心の支えになってくれた。

それについては、
またいつか、
別の機会に書いてみたい。

私も
誰かの心の支えになれるような
言葉を掛けられる人になりたいと、
ずっと思っているけれど、
それはやろうと思って出来る事では
ない気もする。
意図して言った事ではなく、
何気なく言った事が、
絶妙なタイミングで
相手の心に響く。

きっと
そういう事なんだと思う。


伝えたい事は色々あるのに、
心で思っているだけで、
何も言えないのがもどかしい。




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