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いよいよ始まった

10月に入って、途端に涼しくなってきました。ちょっと前までは暑い暑いとこぼしていたのに、涼しくなってきた途端にもうちょっと温かい方がいいんだけどと思ってしまうのは我儘というものですね。しかしトレーニングには絶好の季節になってきました。

インボイス制度スタート

10/1(日)からインボイス制度、正確には「適格請求書等保存方式」がスタートしました。初日は週末ということもあって静かな滑り出しと思いきや、週が明けても特段の混乱もありません。直近まで一部メディアでインボイスで大混乱といったトーンの報道が散見されましたが、ある意味肩透かしを食ったような感じです。

軽減税率の時もどうなることかと思いましたが、始まってみれば大きな混乱もなく、意外にあっけないものだなと思ったことを記憶しています。それでも軽減税率の時は当初はツッコミどころのある対応がちょこちょこあったように思いますが、今回のインボイス制度では、請求書/領収書等への登録番号の記載は問題なく行われているようです。

スターバックスは原則としてフランチャイズではないので、登録番号はスターバックスコーヒージャパン株式会社のものとなっています。
これに対して、コンビニなどはフランチャイズが中心なので、フランチャイジーの登録番号となります。つまりお店によって登録番号が異なります。

まあそうですよね。一口にインボイス対応と言っても、発行側の対応はそこまで大変ではありません。基本的には請求書/領収書等に登録番号を記載すればいいだけです。もちろん、税率・税額の記載も必要ですが、機械で発行する請求書/領収書等であれば、これまでも記載はされていたはずです。そういう意味では、対応が大変なのは、手書きの領収書でしょうか。手書きの領収書に押すための登録番号のスタンプが売れているとか。もっとも、今どきの時代、あえてそれを求めない限り、手書きの領収書というのはだいぶ減ってきているかと思います。

発行の対応はそれほど大変ではない。でも問題は受領側です。適格請求書等に該当するかをちゃんと確認する。そしてそれに応じた形で正しく仕訳を行う。ここらへんは、弥生をはじめとする会計ソフトベンダーの腕の見せ所です。

今回のインボイス制度は、会計ソフトベンダーにとって非常に大きなチャレンジです。ヨーロッパでは当たり前の仕組みといえども、日本においては前例のない仕組み(正確に言えば、本来のインボイス制度はある意味シンプルな仕組みなので対応はそこまで難しくないのですが、経過措置の存在が対応の難易度を引き上げています)。会計ソフトとしてどのように対応するかはまさに試行錯誤でしたし、結果としてベンダーによって対応の仕方はかなり異なります。

一例として、登録番号を請求書といった証憑に紐づけて管理するか、あるいは、証憑を発行する主体である取引先に紐づけて管理するか。メインの仕入先や得意先については、その取引先に対して登録番号を管理できるようにすべきというのは言うまでもありません。

一方で、上のコンビニのレシートがいい例ですが、セブン-イレブンの調布富士見町店でいちいち取引先の登録をするかというと、まずしないですよね(ちなみにこれは週末に神代植物公園での謎解きに行った際に立ち寄ったもので、おそらくこのお店にまた行くことは少なくとも数年以内にはないのではないかと)。個人タクシーもタクシー毎に別事業者ですが、それをいちいち取引先として登録するのも非現実的です。

結果として、弥生で言えば、商取引を管理するMisocaや弥生販売は前者のアプローチ、これに対し会計を管理する弥生会計ややよいの青色申告は後者のアプローチとなっています。

ただ、実際に実務上どんな対応が望ましいのかは、始まってみないとわからない部分も相応にあります。そう言った意味では、インボイス制度に向けてどこまで頭を絞り、汗をかいたかはもちろんですが、今後も、事業者やそれを支える会計事務所のニーズをしっかりと汲み取り、いかにタイムリーに対応していくかが問われるのだと思います。

本当の卒業

私個人としても、インボイス対応をいかに円滑にするか、もっと言えばデジタルの力によって、事業者にとってメリットのあるものにするか、私なりに全力で頭を絞り、汗をかいてきたつもりです。

私が弥生を卒業するにあたって、やはり一番心配だったのは、国としてこのインボイス制度をしっかり軌道に乗せられるのか、その中で弥生が果たすべき役割をしっかりと果たせるのか。上でお話しした通り、本当に大変なのはこれからですし、弥生としても真価が問われるタイミングになってきます。とは言え、ひとまずインボイス制度が動き出したことは大きな一歩だと感じています。

私にとっては、ある意味ようやく本当の卒業を迎えることができたように感じています。

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