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コンフォートゾーンから飛び出すまでに10年かかった話

今年に入ってから、とても嬉しいことがありました。

あのね・・・

拙書「幾何アクティビティ」の英語翻訳版が出版されることに決まりました。もうちょっと先になるけど、アマゾン、アメリカ、イギリスの本屋さんに並びます。

実はこれ、英語版を出そうと思って、英語翻訳してもらったのが10年前のことです。そのとき、イギリスのシュタイナー系の出版社に翻訳版を見てもらって、お褒めの言葉をいただきました。もうそれで出版OKで、その場では了解したのです。

でも、そこから先に進めなかった。忙しくて手が回らなかったのも事実。

でも、今から思うと、本当の理由は忙しさじゃなくて、自分の勇気のなさだったと思う。一歩を踏み出せなくて止まってしまった。

ネックは、英語。英語でビジネスのやりとりをするということに勇気がもてなかった。まあ、起業家としても赤ちゃんレベルだった私が、英語でビジネスって、そりゃ、尻込みするのも仕方ない・・・と今では思うけど、自分ではそんな情けない自分のことを責めてた。自分で責めても動けなかった。

昔から英語は苦手です。高校の英語の先生には、テスト返してもらうときに「勉強したの?」ってため息つかれたこともある。私はため息どころか泣きたかった。

そりゃ、アメリカで大学へ行ったし、イギリスの学校で英語で数学を教えた。でも、その経験で、英語力UPにはなったけど、どこまでいってもネイティブ並みになれないことを余計痛感する。それでコンプレックスはますます高まった。

なんか、昨年末に、プチンと切れたの。なんかふっきれたの。

もういいじゃん、上手な英語じゃなくても。ネイティブじゃないんだから。ロンドンにいると、街にいろんな人種がいる。耳に入ってくるのは知らない言語のほうが多い。それから外国人が話してる英語も耳にはいってくる。・・・これが、結構ひどいんだな。発音も文法も使ってる語彙も。笑

それでも何にも臆することなく堂々と間違った英語を話してる。

もういいじゃん。なんで卑下することがあるの? 堂々と言いたいことを言えばいいし間違えてもいい。(実際、私の英語はそんなに酷くないと思う。笑)

だいたい、イギリス人だってスペルミスたくさんしてるんだし!

ふっきれた。・・・というより、ブチ切れた・・・っていう方が近いかも。もうやってられーーーん! みたいな。笑

英語も、他のことも。もういい、好きに生きていけばいいって。

それで、その勢いでアメリカの出版社みつけてコンタクトとって、原稿を見てもらえることになった。

原稿を見てもらったら・・・出版してもらえることになっただけじゃなくて、認めてもらえたの。シュタイナー教育をもとに書かれたこの幾何学の本は、多くの人に新しい視野と豊かな学びをあたえるだろう、類を見ない良書だ・・・って。

うれしい。感涙。嬉しすぎて涙が流れた。

自分の仕事が認められたことの喜び。

そして、これが、シュタイナー系の出版社じゃないことが嬉しい。私はシュタイナー算数を一般のひとたちに届けたい。だからシュタイナー教育なんて知らない編集者も認めてくれたっていうことがすごく嬉しい。

そしてね・・・英語だからダメって尻込みしていた私が、日本語だけのコンフォートゾーンを飛び出して出版までこぎつけた・・・ってこと。海外移住してから20年。この本を英訳してもらってから10年。長い時間がかかっちゃったけど、やっと、やっと、やっと、やっと、飛び出せた。

日本人で、外国でその国のひとと対等に働いている人はたくさんいる。私はそんなことできなかったの。そんなに強くなかった。でも、やっと。

長かったよー。しんどかったのよーー。

こんな、情けなくて弱虫な私だけど。
時間がかかっても、大きな一歩を踏み出せた自分を褒めてあげたい。





あさって、日本へ出発です。

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