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(読書・イギリス)チェリー・イングラム〜日本のサクラと原田マハ

本を読んだ。ものすごく久しぶりの小説。大好きな原田マハさんの芸術小説の新作。

版画家、世界のムナカタとその妻のお話。文句なく良かった。泣いた。

もう一つ。こちらはノンフィクション。

日本の桜のお話。

日本人にとって桜は特別なもの。海外在住日本人にとって、故郷日本への想いはサクラへの想いとも重なる。

20年以上前にカリフォルニアへ移住して、桜がないことが悲しかった。桜の花に似たアーモンドの花はきれいだったけど、サクラとは違う。微妙な違いが桜への想いを余計に募らせる。

その後イギリスに引っ越してきたら、桜はたくさんあった。でも、ソメイヨシノのあの独特な妖艶なサクラの風情はない。なんだか明るい。

日本の桜はあっというまに散ってしまう。その儚さが魅力のひとつでもあるのだけど、イギリスは桜が3月から5月くらいまで咲いていたりする。

ああ、満開のソメイヨシノの桜吹雪の下に立ちたい。

そんなことをしみじみと想う。

で、そんなことを想う日本人の私に、この本「チェリー・イングラム」が衝撃だったのです。

イギリス人コリングウッド・イングラム氏が、日本の桜に魅せられた。彼が日本で見たのは、生育の悪いサクラの状況と、ソメイヨシノの人気で、他の何百とある品種のサクラが絶滅しそうになっているという現実。

そして彼は、日本の桜を探し回り、その何百という種類の絶滅寸前の桜をイギリスに運んだ。

ケント州にある彼の庭は日本のサクラでいっぱいになり、イギリスに日本の桜が広まった。


イギリスの気候と、イギリス原産のサクラへの接木によって、イギリスの桜は日本のサクラより健康的に育った。

そういうわけで、私が今イギリスで見ている桜は、いろんな種類があり、次から次へと花を咲かせるから桜が咲く季節が長い。

ソメイヨシノがなくて寂しい・・・という寂しい思いが、この本を読んで、180度変わった。日本ならではの日本の桜がイギリスにこんなに華やかに咲いているということの喜び。感謝。

イギリスのサクラを、とことん見直した。


私にとっての故郷日本の象徴「サクラ」観が、全く違うものになった。

私個人の、日本について懐かしく想うもの ナンバースリーは
1. 富士山
2. サクラ(ソメイヨシノ)
3. 新幹線
だったのだけど、この2番サクラのランキング急落。どうでもよくなってしまった。苦笑

だって、イギリスの桜はこんなに美しいのだもの。

サクラが急落して今のナンバースリーは・・・

  1. 富士山

  2. 新幹線

  3. 温泉

かな。
私個人のランキングです。笑

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