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動物園でおきたこと

秋になってやっと外に出かけたい気候になりました。子供達が小さいときに色々出かけたことを思い出しています。ひとつ忘れられないことを書きたいと思います。

私の長男は生き物全般が大好きでした。まだ乳幼児の頃ウルトラマンの怪獣にはまり(なぜかウルトラマンでなく)、そこから恐竜へ、その後、は虫類、魚類、鳥類、昆虫、最後に哺乳類という遍歴ではまりました。親馬鹿の私は天才かもと図鑑を買い与え、動物園、水族館にもよく行きました。

長男小学一年生の時関東の有名動物園に行きました。彼が一歳の頃から何度も行っている動物園です。何度行っても目を皿のようにして眺め一つ一つの展示を丁寧に見て回ります。

その日ヘビに触れるというイベントがありました。なかなか本物のヘビを触る機会はないので「これやりたい!」という彼の目は輝いています。

しかし開始の時間は迫っていました。動物園というのはものすごい広いんですよ。ご存知ですか?とにかく私と息子は走りました。

息も絶え絶えにイベント場所に着くともう沢山の人が並んでいました。私と長男は列の後方に並び「これは触れない可能性もあるよ」と息子に話し、彼も納得していました。

そして案の定本当に目の前で「ここまでです」と切られしまい、入場できませんでした。

息子は残念そうでしたがすぐに諦め、ヘビを触ってキャーキャー言っている人達をニコニコと笑って見ていました。とても大きなヘビを首に巻いたりしていて近くでそんな大きなヘビを見ることが出来たので喜んでいました。

する突然係の人が入り口近くにいた人に「あと少し入れます」と言って数人入れてしまいました。びっくりしました。

「え、次に並んでいたのは私たちだったのに!」

自分のことだったら諦めたと思います。だけどマジでヘビ好きの子供ですよ!そしてちゃんとルールを守って諦めた子供ですよ!私は納得できませんでした。

私は係の人に「次に並んでいたのは私たちです。私たちも入れてください」と言いました。しかしその人は「ダメです」と言って入れてくれませんでした。私はヘビを触れなかった息子が不憫になって落ち込んでしまいました。

当の息子は柵を隔てて見えるヘビをニコニコとみていました。すると私のやりとりを聞いていた係の人がヘビを持って息子のところまで来てくれたのです。息子は大喜びでヘビを触っていました。私は感激して何度も何度もお礼を言いました。

その係の人は外国の人でした。日本の人だったらそのような決まりと違う行動はしなかったのではないかと思います。彼は自分でするべき事を考えて行動してくれたのだと思います。

とても嬉しかった私は帰宅後動物園の園長宛に外国の係の方にとても親切にして頂いたとお礼の手紙を送りました。その後園長さんからもお詫びの手紙と絵はがきを送っていただきました。

もう20年以上前のことですが、忘れることが出来ません。あの時の親切な係の方、どうしていらっしゃるかな?

その後生き物とは関係のない道に進んだ長男ですが、動物園巡りは続けていて、その動物園には自分の仕事の営業をしに行ったこともあるそうです。



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