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カメの島カナダの歴史

近所の小道に、大きなカメさんが出てきていらっしゃいました。
このカメはsnapping turtle、噛みつくカメなので、むやみに触っていはいけません。
産卵のシーズンなのでしょうか、最近、カメをよく見かけます。

カナダに住んでいた先住民族たちは、
世界は大きなカメの甲羅の上にある、と考えていたそうです。
湖や沼地が多いカナダでは、
それだけカメが、身近で、かつ不思議な存在だったのでしょう。

歴史好きな私がカナダに住んでいて少し残念なのが、
カナダには「歴史」が157年しかなくて、
何百年前もの建物や、歴史上の人物の逸話などが見つからないことです。

カナダが建国された1867年以前に、この土地で何が起こっていたのか、
もう知ることができないわけは、
カナダの国が移民の国として始まったことにあります。

北米大陸にヨーロッパからの人たちが到着する前には、
歴史には書かれることのない、先住民族たちが住んでいました。

北米に住んでいた先住民族たちはグループごとに独自の言語を使っていましたが、
そのほとんどが文字を持たず、歌やお話で、生活の知恵を受け継いできました。
しかし、ヨーロッパから来た支配者たちに多くの先住民族が殺害され、
生き残った人たちの子どもも親から引き離して寄宿学校に入れられ、
西洋の教育を受けさせ、民族の言葉や文化を途絶えさせるような策が講じられたのです。

こうして、ほとんどの言葉や文化が消滅し、
北米大陸の歴史を知る術はなくなってしまいました。

現在では、国として先住民族から文化を奪った反省から、
多様な民族の文化を大切にしようという風潮が生まれています。

民族の文化を学校で教えたり、民話に基づく絵本が出版されたり、といった、先住民族の文化を容認する動きがみられます。

子どもも、音楽の授業で先住民族の言葉の歌を習ったり、
社会科で先住民族の名前や分布を勉強したり、
美術の授業で先住民族の伝統的なアートの色塗りをしたりしています。

歌やお話で継承されていた内容は人々の記憶が頼りだから、
もとから情報量に限りがあったのではないか、
という説もありますが、
日本では琵琶法師が源平の合戦を歌で語り継いでいた例もありますよね。
先住民族の人たちにも、
民族間の争いとか、王様の偉業とか、
歌で語り継がれた物語があったのではないかなぁと勝手に想像しています。

これからも少しずつ、先住民族について情報収集して、
少しでもカナダの歴史に近づきたいと思っています。



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