小説を書いてみた


春から社会人として働くことになった私、植草史織の就職先は、社長も含めて7人、少数精鋭を売りにする製造業。

上村:よし、じゃあ今日もみんなで頑張りましょう!あ、植草さんは例の件、齋藤さんと一緒に考えておいてください。

齋藤:はい、史織ちゃんお昼のタイミングで説明するね。

例の件とは、親睦会を含めたお花見のこと。この時代にもこんなことやるんだってびっくりしたけど、新人に話せる先輩を作るためっていう目的らしい。
齋藤さんは、うちの中でも戦力らしくて色々相談出来るだろうから私としても助かるな。

ーお昼休憩ー

齋藤:ここのランチ美味しいでしょ!特にこのマッシュポテトなんて最っ高!

齋藤さんはどちらかといえば明るい人でね、職場の雰囲気も彼女が作ってるみたいなの。
クールな人私得意じゃないから嬉しいな。

史織:ほんっとに美味しいです!齋藤さんっていつもこんなランチ食べてるんですか?やっぱりさすがです。

齋藤:え、まさか!普段はコンビニとかお弁当で済ましてるよ!毎日こんなの食べてたらお金も時間も無くなっちゃうもん。
今日は上村社長からお昼の時間伸ばしてもらったのよ。
うち、変なこともするけどなんだかんだホワイトなのよね。
史織ちゃん、悩むこともあると思うけど、この会社は悪くないわ。

やっぱり。この会社に入ってよかったな。

なんて、思ったりしてたんだけどな、、、

齋藤:よし、じゃあ場所のプラン考えよっか!

この時はいい会社だなって思ってました。

史織:えっと、齋藤さん?これはなんでしょうか。

齋藤:史織ちゃん、この会社ね、確かにホワイトなのだけれど、それは間違いないのよ。
けどね、ほんとに何故かこのお花見の準備をする新人とその担当者はブラックなの。
今から、この日帰りで帰って来れる範囲で桜の名所を調べて場所取りと必要があれば食事の予約までするわよ。

なんてこった、聞けば、今までに行ったところはダメらしくて、お金は会社が全額出すみたいだけれど、齋藤さんが新人の頃は徹夜したって、、、

どよーん

齋藤:ま、まあほら、うちの業務は基本ホワイトだから!最初にあえて厳しい仕事をして、体力と覚悟を身につけるため的な。

そういうことか、まあ頑張ってみようかな。

ー3時間後ー

上村:じゃあ私は帰ります。お先に。お疲れ様。

うわ、ほんとに社長がいちばん早く帰ってる。
ホワイトな会社は社長の退社時間が早いって聞くけど、ほんとなんだな。

一同:お疲れ様です。

齋藤:じゃあ史織ちゃん、お花見まで時間ないからスキマ時間で調査するよ!

そう、私が入社したのは4/1、各地では桜の開花が宣言されている。
満開になるのは時間の問題だよね。

史織:とりあえず、場所は候補出しました。あとは、食事と、飲み物と、

齋藤:あ、そういや場所取りは前入りしておきましょうね。
大学生とかは公園で夜を明かしたりする子もいるから。

さすが時間と体力の塊、大学生。

史織:え、けどさすがに女性だけで前乗りは、、、

齋藤:大丈夫、一応同期の末原君にも声掛けたから。

うわ、末原さんとばっちり。

史織:末原さん、ありがとうございます。

末原:おかしいと思ったんだよな。4月頭、夜に予定空けとけって。こういうことだったのかよ。

社長のいないオフィスで、社員たちは笑いあった。

ー前日ー

齋藤:よし!こんなところかな!って起きろー!

史織:すっーすっーふが!あ、おはようございます。

やばいやばい、先輩さしおいて寝ちゃってた。

齋藤:とりあえず、場所取り以外は終わらせたかな!そういや、史織ちゃん、明日の分の仕事まで終わってるよね。

あ、

齋藤、史織:あ、

急げー!

ー3時間後ー

史織:さ、齋藤さんすみません手伝ってもらって。

齋藤:この会社ホワイトなんだから、しっかり計画的に進めておきなさいよ。

ごめんなさい。

齋藤:じゃあ現地に行きますか、末原君もう場所取りしてくれてるから。

ーお花見会場ー

末原:おっそーい!!!

史織:申し訳ありませんでした!
それと、場所取りありがとうございました!

末原:齋藤、まさか、サボってたなんてことは、、、

齋藤:そんなことしないわよ、この子が明日分の仕事やってなかったのよ。

末原:植草、俺帰るわ。

あー!すみませんでしたー!あの、末原さん、こちらコーヒーとお菓子になります。よろしければ。

末原:はぁ、仕方ないな、植草、仕事で疲れたろ、男の俺はずっと起きてた方がいいだろ。
女性二人は交互に休んどき。

植草:申し訳ありませんでした。すみません、おやすみなさい。



末原:なあ、齋藤、植草どうだった?一緒に仕事して。

齋藤:まあ天真爛漫ってタイプね。
あ、けど仕事は頑張ると思うわ。

末原:そうか。

齋藤:あなた、天真爛漫な子タイプだもんね。
私が寝ている間に手出さないでよ。

末原:ばっ、んなことするかよ。

齋藤:ふふ、ごめんごめん、知ってるわ。

カラン!

私が寝ている中、二人は缶コーヒーで乾杯した。



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