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相続について小耳にはさんだ話

これは当職が直接相談を受けた話ではありません。
ですが現在のネット社会においては、多くの方に起こり得ることかもしれないと思い、書くことにしました。

とある会社を経営するAさんが、事故により突然亡くなってしまいました。
Aさんのご家族は突然のことに大変悲しみました。
Aさんの葬儀や納骨など一区切りとなった時点で、Aさんのご家族は相続の手続きを行うことにしました。

Aさんの経営する会社は法人でした。
ですので、事業に関する財産は法人のものなので、相続の対象にはなりませんでした。
Aさんは、自身が経営する会社の株主でもありましたが、その株式はAさん個人の財産なので相続の対象になりました。

Aさんのご家族は相続の手続きや、会社の経営に関する協議を進めました。
そんなある日、Aさんのパソコンを見ると、そこにはたくさんのメールが届いていました。
実は、Aさんは個人としてネットオークションを行っていたのでした。
メールの内容は「お金を払ったのに品物が届かない」というものでした。
Aさんのご家族はAさんの経営する会社のことは当然知っていました。
しかし、Aさんが個人としてネットオークションをしていることは全く知りませんでした。

オークション①

Aさんがあまりに突然亡くなってしまったので、オークションの落札者はAさんの事情を知りませんし、知ることもできません。
お金を支払ったにもかかわらず品物を送らないAさんに抗議したのです。

この後Aさんのご家族がどうしたかまでは聞いていません。
いずれにしても、Aさん個人が行った取引の債権(お金を受け取る権利)と債務(品物を引き渡す義務)は、相続の対象となります。
お金を払った人に品物を送ったか、お金を返して取引をキャンセルし方のどちらかでしょう。

今後はこのようなケースも想定して相続に関する業務を行わなければならない、と感じました。

おしまい①


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