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すごそうな人の言葉を鵜呑みにする君は、ダニを運ぶネズミかい

異なる場所で、異なる友人とおしゃべりして、喧嘩した。

精神疾患、身体障害、ジェンダー、性暴力、人権にかかわること。
今の時代、どうやったって雑談はハードトークになる。身近に社会課題が溢れすぎているから、ゆるふわとした話題だけで何時間ももたない。

それらの話題について、友人たちは同じような偏見を口にした。ぼくだけがおかしいのか、と思っていた。
なんのことはない。TwitterやYoutubeでインフルエンサーが話してることと
を、彼らが、さも自分の意見のように話していただけだ。

犯罪者は精神疾患に違いない。
身体障害を持って生まれることは悪いことだ。
露出の高い服装をしている女はレイプされて当然だ。
年寄りは死んだほうが良い。

どこかの偉い大学のポストに就いている人間と
賠償金を踏み倒してどこかの国に逃げた人間が

人々を貶めながら下品に笑い合う様子を見て、
彼らこそが強者だ。俺たちもああならねば。

とか思っとるんだろか。

ぼくは声を荒らげた。
ひ弱に見えるぼくが怒っても、友人は意に返さない。
でもぼくは口が達者でしつこいから、人を逆上させやすい。
ぼくを馬鹿にする友人ほど、激しく逆上する。昔からそうだ。今回もそうだった。

ぼくは友人を選ぶことにした。
もう、自分の大切な時間を、彼らのために使いたいとは思えなくなった。

ぼくだって、いつ自分の命を絶つか分からない。
ギリギリのラインを踏み越えそうになりながら、あらゆる手段を講じて、自分の命を自分から守っている。

でも、集団自決しろというインフルエンサーの言葉が、世間様のあいだで上滑りして跋扈するようになれば、それこそ背中のひと押しになってしまうかもしれない。

言葉は、ナイフにもなる。使い手は、慎重に扱わないといけない。
切れ味のいいナイフは強くかっこよく見えるかもしれないが、
無闇に見せびらかすほど、その持ち主が鈍く見える。

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